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サウラインスを発って新たな地へ!

 私はピーエネースの湖の【浄水】を終えた3日後に冒険者ギルドに赴いた。

 受付カウンターに歩み寄って挨拶と用件を告げた。

「おはようございます。ピーエネースの湖の報酬って——」

「おはようございます。報酬のご用意は出来ております。こちらがピーエネースの湖の浄水を行って下さった報酬の金貨35枚となります」

 金貨が積まれたトレーをカウンターに置く受付嬢だった。

 金貨を財布の麻袋に入れていく私。

「10枚も上乗せされたんですね」

「ええ、そうなりました。メグリさんに留まってほしいのかと……何か依頼を受けますか?」

「そうですか。今日は受けません。ではまた」

「お気をつけくださいませ。またの御利用を」

 私は冒険者ギルドを後にして、ジェルズの自宅に赴いた。


 ジェルズの自宅に到着して、玄関扉をノックした。

「ジェルズさん、メグリです。サウラインスを出ていくか聞きにきました」

「はぁはぁ、メグリさん。この街を出ていくかどうかですよね?悩みましたが連れて行ってください!お願いします」

 息を切らしながら出てきたジェルズは挨拶もせずに頼み込んできた。

「良かったです。では護衛を頼んでも良いですか?」

「任せてくれ。で、どこに向かうか決まってるのかい?」

「まだ未定です。サウラインスに来る馬車ってあるんですか、ジェルズさん?」

「他から来る馬車なんて見かけないな。メグリさんみたいなもの好きぐらいで滅多に見かけないな」

「ピーエネースに連れて行ってくれた御者に出して貰えるように頼めませんか?」

「クチェーリスにか、分かったよ。今から頼みに行くわ」

「その前に護衛の報酬の金貨5枚を」

 私は麻袋から金貨5枚を出し、ジェルズに渡す。

「またこんなに貰って良いのかい?貰いすぎな気が——」

「ジェルズさん一人で私と御者のおやっさんを護衛するんですから、このくらいは貰わないと」

「そうか、なら有り難く貰っとくよ」

 ジェルズは麻袋に金貨をしまい、クチェーリスに頼みに駆け出した。


 ジェルズの自宅の前に一台の馬車が停まり、馬車の扉が開いて、ジェルズが乗りなと声をかけられ、乗り込んだ。


 一日でこの空気が汚染された地域を抜けるとは限らない。野営の際にクチェーリスに頼んだ報酬を渡そう。

 出国料を鎧の兜で顔が隠れた兵士に払い、サウラインスを出た。

「どこに向かったら良いですかね?」

「うぅ〜ん……俺もどこに向かったら良いかは分からんな。サウラインスを出たのは何十年前になるか……」

「それにしても臭気が濃いですね、ほんと……」

「そうだな。げほげほ……」

 ジェルズは応えて、咳き込む。

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