船を制圧しようとしていたら味方だと思っていた女に裏切られました
「おんりゃーーーー」
私は壁から顔を出すと、
ズバッ、ズバッ、ズバッ、ズバッ
レイガンを連射した。
王女だからとか、淑女だからとかこんな時には言ってられない!
私の叫び声は礼儀作法の先生が聞いたら半日くらい叱責されるレベルだ。
でも、気合い入れてやるときは叫ばないと!
今の私は、この言葉の気分そのままだった。
「ギャッ」「ギャー」「ギャーーーーー」
男達が次々に倒れてくれた。
ズバッズバッズバッズバッ
敵も当然反撃してきた。
「「「キャーーーーー!」」」
私に付いてきた後の女どもが悲鳴を上げてくれた。
しかし、わたし向かって飛んできたレイガンは悉く絶対防御システムが弾いてくれる。
「ギャッ!」
一人が自分が撃ったレイガンの反射で倒れた。
銃を撃てるのは私一人、後ろに20人もの丸腰の女達を引き連れてレイガンを乱射している私はとんだ茶番をやっている気分だ。
もう、やってられないんだけど。
一人なら、今頃この船を制圧していたと思うけれど、女達を引き連れているとどうしても遅くなる。
絶対防御システムがあるからこそ出来ている神業なんだけど、普通は一人で20人もの丸腰の女達を守れないのに!
ジュピターが来るのが遅すぎる!
「何やっているのよ!」
私は切れていた。
そもそも、ジュピターがワープアウトしてくるまで我慢しているはずだった私が何故こんな事をしているのか?
これもそれも全てはガマガエル・オスモのいやらしい変態幹部が悪い。
「キャーーーー」
いきなりやった来た幹部の一人が女性の一人に抱きついてきたのだ。
「ギャーギャー騒ぐな。奴隷のくせに」
パシーン!
「キャッ」
幹部の男は女性の頬を張り倒してくれたのだ。
私の目の前で。
「逆らっているんじゃないぞ。性奴隷のくせに。俺様に抱かれていれば良いんだよ」
そして、私の前から嫌がる女性を連れ去ろうとしてくれたのだ。
ユバス王国の王女の私の前で!
「待ちなさい!」
私は一応王女らしく、最初は諫めようとしたのだ。
「何だ。性奴隷に落ちた王女様よ。お前も、張り倒されたいのか? 貴様を抱くなと閣下に言われたから、この女で我慢してやるんだよ。黙って言う事を……ギャーーーー」
男の断末魔のような声が聞こえた。
男の張り切った股間を思いっきり蹴り飛ばしてやったのだ。
男は泡を吹いて悶絶して倒れた。
まあ二度と男性機能が使えないかもしれないが、宇宙の為にはその方が良いだろう。
その瞬間に絶対防御システムが作動した。
パリンッ
手錠が一瞬で壊れた。
「きっ、貴様、ミロ様になんて事を」
護衛が私に襲いかかってきた。
もうこうなれば一人も2人も同じだ。
一人目は顔面にアッパーを浴びせて昏倒させ、二人目は腹に蹴りを入れてやった。
「おのれ!」
残った三人目の男は恐怖に震えて私に近距離からレイガンを撃ってくれた。
馬鹿だ。
「ギャーー」
レイガンの光は反射して撃った本人を直撃したのだ。
男は胸を貫かれて吹っ飛んでいた。
「大丈夫?」
エステルが連れて行かれようとした女のフォローをしてくれた。
私はそれを見つつ男達の武器を取り上げて縛り付けようとした時に、
「おい何事だ?」
「どうしたのだ?」
外にいた男達が中に慌てて入ってきた。
私は容赦なくレイガンをぶっ放した。
もうこうなったら仕方が無い!
こちらから動くしかない。
そう思って男達を縛り上げて、レイガンを撃ったことがあるというエステルにもレイガンを持たせて、女達の鎖を切るのを手伝ってもらった。
私はいくら遅くなってもそろそろジュピターが来てくれると考えた。
そして、無謀にも1人で艦橋を占拠するために先頭に立って歩き出したのだ。
残りの女性達は私の後ろにつかせて絶対防御システムで囲んで守るようにした。
そして、なんとか艦橋の前まで来た。
「やっと、ここまで来れた」
私はほっとした。
この人数を連れてここまで来るのは本当に大変だった。
エステルにもレイガンを持たせたけれど、非常ベルを打ち抜いてくれたり、味方の女性を撃ちそうになってくれたり、碌な事をしてくれなかった。
二度と素人にレイガンを持たせるのは止めようと私は心に誓った。
「でも、ここからよ。油断は禁物よ」
なのに、エステルは平然と言い切ってくれたのだ。
脳天気な物だ。
私は少し呆れた。
それにしても、私の船のジュピターも全然来てくれないんだけど……
何やっているのよ!
私は宇宙に向かって大声で叫びたかった。
「いい加減にしろ!」って
まあ、でも来ないものは仕方が無い。
私は一気に艦橋を制圧しようとした。
「行くわよ」
私を先頭に後ろを振り向くと
「任せて」
エステルが頷いてくれた。
「大丈夫」
一番小さいアーダも頷いてくれた。
私は艦橋に踏み込んだのだ。
一斉にレイガンの光が私を襲う!
しかし、全部反射された。
「ギャッ」
1人反射で倒れる。
他は椅子で隠れて無事だったようだ。
中にはオスモを先頭に十人以上の男達がレイガンを持っていた。
私がレイガンを撃とうとしたときだ。
「動かないで!」
いきなり後ろからレイガンを首に突きつけられたのだ。
「エステル?」
私は唖然とした。
後ろにいたエステルにレイガンを突きつけられたのだ。
私はまさか、エステルにレイガンを突きつけられる事になるなんて想像だにしていなかったのだ。
さて、絶対防御システムで守られたセラフィですが、至近距離からの攻撃ではさすがに防げない!
絶体絶命のピンチに陥ったセラフィ!
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