中継星の事は我関せずと言う国王を中継星の臨時領主諸共殴り飛ばしてやりました
私がヴェルネリの抱き付きを必死に防いでいるときだ。
「何をしていらっしゃるのですか、姫様?」
いきなりボニファーツのホログラムが私の前に現れた。
「何って、この抱きつき王女なんとかしてよ!」
私は絶対防御システムの外から必死に手を伸ばして私に抱きつこうとしているヴェルネリを木刀で押し戻しつつ答えた。
「これはこれはさすが姫様。姫様が男だったらとても嬉しいシチュエーションですな」
ボニファーツは完全に他人事だった。
「はああああ! 私は女よ」
「まあまあ、姫様が男をご所望ならば、アードルフでも、ヨーナスでも果てはトピアス・シネッタ王国王子でも、よりどりみどりですぞ」
「そんなの要らないわよ。そんなことしてきたら殺す」
私がむっとして言い返すと、
「姫様、ここにショックを受けている男がおりますぞ」
ぐいっとボニファーツがヨーナスを前に押し出してきた。
「ショックって何よ!」
「この男も姫様に抱きつきたかったみたいで」
「いや、俺は別に」
「私のセラフィ様は誰にも渡しませんわ!」
さらにきつくヴェルネリが手を伸ばしてきて、絶対防御システムがうなりを上げ始めたんだけど……
この機械本当に大丈夫なんだろうか?
「冗談言っていないでなんとかしてよ?」
「いや、俺は冗談ではないんですけど」
「絶対にセラフィ様は渡さないんだから!」
ヨーナスが何か言ったが、ヴェルネリの大声で聞こえなかった。
「ヴェルネリ、いい加減に静かにしなさい!」
「はい!」
私が叫ぶと、流石にヴェルネリは静かになった。
でも、その場にいきなり跪いてくれたるんだけど……何なの?
ぎょっとして私はヴェルネリを見下ろした。
「セラフィ様! このヴェルネリ・バミューダ、セラフィ様の下僕として一生お側におります」
なんか訳の判らない事を言い出してくれた。
「はああああ? 要らないわよ、あなたなんか」
「そんな、セラフィ様!」
ヴェルネリはショックを受けてくれたみたいだった。
でも、こんな抱きつき娘は絶対にいらない!
「こうなれば実力行使あるのみですわ」
きっとして顔を上げるとまた、飛びかかってきたんだど……
「ギャッ」
今度は絶対防御システムが作動してヴェルネリを弾き飛ばしてくれた。
私はほっとした。
「姫様、よろしいですか?」
ヨーナスが首を振って話し出した。
「何なの、ヨーナス、まだいたの?」
機嫌の悪い私はヨーナスを睨み付けていた。
「えっ……」
ヨーナスがショックを受けた顔をしたんだけど……
「姫様はヨーナスには冷たいですな」
ボニファーツの言葉に更にヨーナスがショックを受けているようだ。
一体何なのよ! 私はこちらに来ようと隙をうかがっているヴェルネリ王女をちらっと見て、
「で、何なのよ!」
不機嫌そうに尋ねた。
「実は惑星サーリアですが」
「サーリアがどうしたの?」
「イスモ等陸戦隊が返されたのです」
「イスモ等が?」
サーリアの統治に陸戦隊が必要なくなったほど治安が良くなったんだろうか?
そんな風には見えなかったけれど……
私が不審に思ってヨーナスを見返すと、
「それで不審に思って調べたのですが、入牢していたオスモが解放されて実質のサーリア領主に復活したようです」
「何ですって! クフモ男爵はどうしたのよ?」
「クフモ男爵が許可したみたいで」
「えっ、どういう事?」
「実はクフモもオスモの一味だったようです」
「そんな!」
私はきっとしてヨーナスを見た。
「申し訳ありません。調査が足りませんでした」
ヨーナスが謝ってくれたが、あの時はフッセン男爵が攻めてくると聞いて、時間がなくてあまり精査できなかったのだ。 ヨーナスだけを責める訳にも行かないだろう事は私には理解できた。
「更には復活したオスモが元奴隷にされた方々を再び奴隷として収監したようです」
「何ですって! お父様はなんて言っているのよ!」
「それとなく伝えたようですが、『サーリアの事はサーリアに任せた方が良かろう』とおっしゃっていらっしゃるそうで」
「判ったわ。お父様には私が話します」
お父様は何をしてくれるのよ! もう許さない!
怒りのあまり私は白の塔の壁を殴っていた。
ドシーーーーン!
こんな時に発動しないで良いのに、絶対防御システムが作動して白い塔の壁に大穴が開いてしまったのだ……
ダーーーーン!
「お父様! お父様はいるの?」
謁見の間で私を止めようとした警護諸共謁見の前の扉を吹っ飛ばして私は叫んでいた。
怒り狂った私は白の塔の手前で警戒していた騎士2人を弾き飛ばして、駆け出すや、謁見の間で仕事中の父の所に怒鳴り込んだのだ。
「な、何事だ、セラフィーナ?」
ぎょっとした父が私を見た。
周りにしいた者達はさああああっと引いてくれた。
騎士まで引くのはどうかと思うけれど……
まあ、その横では私に弾き飛ばされてピクピク震えている護衛騎士を見たら逃げたくなるのは判るが……
「何事ではありません。麻薬販売及び奴隷禁止条例違反で捕まえたオスモを解放したというのは本当ですか?」
「いや、オスモは何もしていないとそこのクフモが言うものでな」
私は初めてそこに私がサーリアを託したクフモがいるのに気付いた。
ぎろりと睨むと、
「ヒェェェェ」
クフモは私の形相に恐れをなしたのか慌てて後退ろうとして転んでしまった。
「どういう事よ、クフモ? 私はお前に後のことを頼みましたよね」
私はその胸ぐらを捕まえてクフモを持ち上げた。
「いえ、あの、その……」
「クフモはオスモが無罪でお前が勝手に罪をでっち上げたと言っておるぞ」
恐怖で話せないクフモに変わって父は面白そうに私を見てくれた。
私はそれにも苛っとした。
自白した証拠はちゃんとヨーナスらに言って父にも提出してあるはずだ。
父がそれを見れば判るはずなのに、絶対に見ていないようだ。
「いえ、私はオスモ様が『殿下に脅迫されて自供させられた』とおっしゃいましたので」
「私の言うことよりもオスモの言う事を信じたという事ね」
私は完全に切れてぷるぷる震えていた。
「いえ、そういう訳では……」
「セラフィーナ、そもそも『厄災姫』と呼ばれているその方の言う事よりも常識人のオスモを信じるだろう」
父は笑って言ってくれた。
完全に父も罪人のオスモを信じたという事だ。
こいつら本当にどうしようもない。
私はこの国の王女して、奴隷だった少女に二度とこのような目には合わせないと誓ったのに!
そう、私は民に誓ったのだ。
それを破ることはスージーも民も許さないはずだ。
私の前で震えるクフモも父も許さなかった。
「父上、私は民の前で絶対に二度と私の国で奴隷など作らせないと誓ったのです。なのに、オスモはまたしても奴隷にされていた者達を収監したそうだな。クフモ!」
「ヒィィィィ」
私の言葉にクフモは震え上がった。
「いや、セラフィーナ、サーリアの件はサーリアに任せてだな」
私は父の完全に他人ごとの台詞に完全に切れた。
サーリアもユバス王国なのだ。
サーリアであろうが奴隷を認める訳には行かなかった。
何にもまして私はその民に誓ったのだから。
「ふざけるな!」
バシーーーーン!
「ギャーーーー」
私はそう叫ぶとクフモを殴り飛ばしていた。
「ギャッ!」
クフモはそのまま飛んで行って父に激突して、2人とも玉座諸共反対側に転がり落ちてくれた。
それを周りの者達は唖然として見ていた。
セラフィーナの近い前に領主も国王も関係ありません。
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でも、国王を弾き飛ばして無事に済むのか?
続きをお楽しみに!








