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Infinite Growth of Soul Eater  作者: 無名
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第2話 初めての戦闘と解体作業

 自転車で最寄りのEランクダンジョンにやってきた。今日はそれぞれの高校の卒業式があり、俺と同じような考えの学生も多く、入口前には大勢の新人ハンターが列を成していた。


 入口前にはハンターギルドの職員が24時間体制で常駐しており、入場または退場するハンターの確認を行なっている。


 もし、入場したハンターと退場したハンターの人数が一致しない場合、ハンター資格を持つギルドの職員が調査に向かうことになっている。


 興奮冷めやらぬ気持ちで待つこと暫し、入場手続きを済ませると、生唾を飲み込み入口を潜った。


 視界の景色が一転し、目の前には森林が広がる。少しの間周囲に視線を巡らせていると、突然頭の中に機械音声が響いた。


 『ダンジョンへの入場を確認しました』


 『ステータスが閲覧できるようになりました』


 ダンジョンへ入場すれば、誰でも自分のステータスを閲覧できるようになる。一度ステータスが閲覧できるようになれば、好きな時にステータスを視ることができる。


 『ステータスを閲覧しますか? Yes/No』


 「Yes」


━━━━━━━━━━

・名前 松原唯人


・性別 男性


・年齢 18歳


・Lv.1


【称号】


【能力値】

・魔力 10

・筋力 10

・頑丈 5

・敏捷 10

・知力 10

・精神 5

・器用 5

・幸運 10


【職業】


【スキルポイント】


【ユニークスキル】

 ・【魂喰(ソウル・イーター)】Lv.1


【スキル】

[魔法系統]


[戦闘系統]


[感覚系統]


[強化系統]


[耐性系統]


[補助系統]

━━━━━━━━━━


 空中に表示されたウィンドウを上から下へとしっかり確認していく。一番気になるところは、ユニークスキルの部分だ。


 ユニークスキルとは、世界で自分だけが所持する特別なスキルで、絶対に同一のモノは存在しない。


 世界中に強力なハンターはたくさんいるが、その中でも頭一つ抜き出てる者は、ユニークスキルを所持していると言われている。


 そんな稀有なスキルを俺も所持することになるとは思わなかったが、特別感がありとても嬉しい!


魂喰(ソウル・イーター)】Lv.1

[能力]

 ①8つの能力値からそれぞれ10%分を自分の能力値に加える。

 ②所持スキルを獲得する。


[条件]

 魔物を討伐または人間を殺害する。


 続けて詳細説明を読み終えた時、俺は言葉を失った。条件の説明文に『人間を殺害する』と表記されていたからだ。


 つまり、他のハンターを殺害すれば、俺はその人の持つスキルを獲得できるということ。


 異世界モノの小説では、他者からスキルを奪うチートも存在したが、いざ自分がその立場になっても、他のハンターを傷つけたいとは微塵も思わない。


 しかし、そこの部分さえ目を瞑れば、このユニークスキルはとても強力だ。レベルアップに関係なく能力値が増加し、魔物のスキルを獲得できる。


 早速実戦で試すべく、魔物の襲撃を警戒しながら索敵を始めた。


♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢♦︎♢


 いつも以上に感覚を研ぎ澄ませ索敵を始めたが、十分以上経過した今も、魔物と戦う機会は中々訪れない。


 何度もこのダンジョンの魔物━━━ゴブリンを見つけたのだが、他のハンターと戦闘中であり諦めるしかなかった。


 普段はEランクダンジョンに挑戦するハンターは少ないのだが、卒業シーズンは新人ハンターが多くなるため、一時的に競争率が高くなるのだ。


 「お! やっと見つけた!」


 ようやく一匹で彷徨くゴブリンを見つけた。しかし、真正面から戦う勇気は無く、物音を立てないように背後へ移動する。


 静かに深呼吸をすると一気に駆け出し、ゴブリンの背中に向かって長剣を振り下ろす。


 「グギャ!」


 縦長の斬痕が刻まれ、血を流しながらその場に倒れる。


 「これでトドメだ!」


 後頭部に長剣を突き刺し、ゴブリンは微動だにしなくなった。


 『筋力が1UPしました』


 『頑丈が1UPしました』


 『敏捷が1UPしました』


 『器用が1UPしました』


 『【棍棒術】Lv.1を獲得しました』


 「ふぅ…はぁ〜緊張した〜」


 初めての戦闘にしては、上手く戦えたと思う。勇気も武術の心得も無い素人が真正面から戦うのは危険だと思ったので、奇襲で先手を取る作戦で挑んだが、正解だったようだ。


 後頭部から長剣を引き抜き、討伐証明部位の右耳と魔石を取り出す。


 「…ウェ、ウォエェェェ」


 勝利の余韻が消え去り、魔石の取り出し作業があまりにもグロテスク過ぎて、その場で思いっきり吐いてしまった。


 「こ、これは…慣れるのに時間がかかるな」


 授業の時とは違い、自分で作業する必要があり、体温や感触が生々しくて新人ハンターには刺激が強過ぎた。


 それと、勢いのままここへ来てしまったので、解体用のナイフや水筒などを購入し忘れていた。


 「帰宅する前に、店に寄るのを忘れないようにしよう」


 さて、まだまだ体力は問題ない。気持ちを切り替えて、二匹目の討伐を目指し索敵を再開した。

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