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オリパ師たち――プロローグ

「ウルカ様、ウルカ様! オリパってご存知ですか?」

「……オリパですって?」


 私は思わず、耳を疑った。


 乙女ゲーム『デュエル・マニアクス』――私が転生した、この世界で――まさか「オリパ」なんて言葉を聞くなんて。

 目の前のユーアちゃんは、きらきらと目を輝かせている。


「最近、「学園」で流行っているんです。個人が制作している代わりに、王国が公式に販売しているカードパックよりもお買い得なやつでして……」

「ええ、オリパなら私も知っているわよ」

「流石です! もしかして、ウルカ様も買われたんですか⁉」

「いいえ、買ってないわ。オリパを知ってるのは、私が転生する前の世界にもあったから」


 オリジナルパック、縮めてオリパ。

 私が転生する前の世界ではオーソドックスな存在だった。


 オリパとは、主にカードショップが店の在庫を利用して制作するパックのことである。


「でも、この世界ではカードパックを買うよりも……ダンジョンでスピリットを捕獲してカードにした方が効率良いわよね?」

「はい、だから「学園」の生徒みたいな実力があるデュエリストなら、あまりパックを買うことはないんですが。今流行ってるオリパはとっても強いカードが当たりやすいそうです」

「そうなのね。なら、ちょっと覗いてみようかしら」

「善は急げです。行ってみましょう!」


 ユーアちゃんと私は「学園」の購買部に行くことにした。


 普段なら文房具や日用品、カードパックや食品などを売っている購買部の一角に人だかりができている。

 どうやらオリパを販売しているらしい。

 盛況のようだ。


「え……ウソでしょ、あれって」


 人の山の向こうにいた青年には見覚えがあった。

 いいや、正確には私が記憶している姿よりも、年の頃はずっと若く見える。

 だけど、あの顔を見忘れることは無い。


 その場にいるだけで匂いたつような妖しい色気。


「…………バリトク中山じゃない、あの人」

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