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ケラサスの使者 メイキング  作者: 岡倉桜紅
6/6

6 第三章のテーマ、tips

~キスシーン~

ローレン「第三章は私とイオさんのキスシーンから開幕ですね。作者は色恋とか恋愛系の作品がめっぽう苦手なのにどうしたことでしょうか」

コピー「映画のそういうシーンは照れて目を逸らすし、少女漫画はつまらないと言って読んでいられないような人だしな。作者は他人を好きになれないことを長年悩んでいて、そういう感情が生まれないことを異常なんじゃないか、他の人は当たり前に持っている心の大事な何かが欠落してるんじゃないかと思っている」

イオ「そんな作者が頑張って入れたシーンです。多少不自然でも許してください、と作者は思っているようです」


~マリア~

イオ「マリアはこのエピソードにしか登場しないキャラクターですね。地下には闇医者という職業があるということを示すエピソードでもあります」

ローレン「自分の美貌というか、私利私欲に正直なヒトですけど、そういうヒトがいるからエラーズは助かってるところはあるんですよね」

コピー「この医者はこの後どうなったんだ?」

イオ「さあ。強かなヒトですから、今でも美しさを求めて頑張っているんじゃないですか。マリアの好きな言葉、『美しくないヒトはいない、怠惰なヒトがいるだけ』は誰の言葉かはもう忘れたけど、作者がその辺のネットで見つけて好きになった言葉だそうです」


~事務のお姉さんとギンナル~

ローレン「電話にトラウマを持つギンナルが必死になって電話を掛けようとする話ですね」

イオ「前述したとおり、ギンナルは作者の後悔の結晶のような存在なので、ギンナルは最終的に事務のお姉さんに許されますが、作者は決して許されないということはちゃんとわかっています。そこは投影だけじゃなくて、創作ですね」

コピー「受話器を投げ捨てる描写は、今思うとプラダを着た悪魔で、主人公が最後、噴水にケータイを投げ捨てる描写を意識していたかも、ということらしい」


~メデューサ~

イオ「ここからは第一章の一話に登場したモブ、ウォータとラミーというケビイシ、まあ警察官みたいな職業の二人が大活躍するエピソードですね」

コピー「正直こんなにモブが活躍していいものなのかと作者はビビッていたようだ。みんな忘れてるだろこんなモブ」

ローレン「メデューサは海底で約千年間本を読み続けていたんですよね」

コピー「私も大概だが、メデューサもやばい引きこもりおばあちゃんだな。本を読み始める前はどうしようもない引きこもりで、日夜学校にも行かず、ネットとゲームだけ。思春期をこじらせて親とも仲良くできないし、ドクターペッパーの中毒者だ」

ローレン「あのエナジードリンク、ドクターペッパーだったんですか」

コピー「一日三本ドクターペッパーを飲んだ100歳越えのおばあちゃんが「飲むなと忠告した医者は皆死んだ」とコメントしてる有名な画像があるんだが、それを意識してたらしい」

イオ「そんな人でも千年も本を読んでいたら恐ろしく賢くなりそうですよね」

コピー「どうかな。最後までメデューサは自信を持てなかったみたいだ。メデューサもまた、何かしたいのにできない、家から出たくないという作者の一面を表しているようだ」

ローレン「あと、永遠におしゃれな図書館に引きこもって本だけ読んでいたいという願望」


~花の名前~

イオ「コピーは生まれてくるトイロソーヴ全員に花の名前をつけていて、そしてそれを全員分覚えているんですよね」

コピー「本当はみんなを愛してやりたいんだけど、私には愛がわかんないし、ただ覚えていてあげることしかできないからな」

ローレン「覚えているのって愛の形の一つじゃないですか?」

イオ「そうですね。作者もそう思っていて、僕は奏に覚えていて欲しかったり、コピーはBb9に覚えていて欲しかったりと、記憶と愛を結び付けた描写が多いです。そもそも、好きな女の子に自分のことを忘れてほしくなくてこの物語が始まったんですよ」

コピー「でもさ、一番最後のシーンでの天原の最後のセリフ、「もう、忘れたよ」もまた、愛なんじゃないかな」

ローレン「愛って難しいですね」


~楽園の座礁~

イオ「春になりますが、楽園がなかなか温かくならず、どうやら座礁しているみたいだ、というラジオを聞くシーンがありますが、あれは、楽園がどこかの大陸の近くに引っかかっているという伏線です」

コピー「みんなが楽園の壁を壊し終わった後、浮力を失った楽園が沈まないという説明でもあるのか」

イオ「僕たち三人は壁が壊れた後の楽園を知る由もありませんが、読者の皆さん、安心してください。楽園が沈んでみんな死んだということはありません。僕が過去に帰って未来を変えるのでもう楽園は僕の世界には存在しませんが、パラレルな世界では壁を壊した楽園のみんながきっと、力を合わせて大陸で地に足をついて暮らしていくと思います」


~理科の塔~

ローレン「理科大臣のハクマの試験は森を再現するということでしたが、今までの試験と一風変わってましたね」

イオ「試験室では、モンダイを作る側が空間を自由にデザインできるという設定なんですよ。試験室は超空間みたいなものです」

コピー「ハクマはファイに殺されて残念だったな」


~ルートとファイの仲直り~

イオ「人はさまざまな違いがあるけれど、他人をわかろうとして歩み寄り、認めることが重要、という結論でした」

コピー「作者自身がまず実践してほしい教訓だよな。他人にあんまり興味を持たない性格はどうかと思うぞ」


~タイムマシン爆発~

イオ「僕は王になり、すべてが順調という時に、タイムマシンに乗ってみると大爆発。そろそろ穏やかに終わりかな、と言う時にどんでん返しをしてきます」

ローレン「で、私は死にます。私が死ぬ設定はかなり初期からあったそうです。その時イオさんは私のために大泣きしてくれましたが、どういう心境だったんですか?やっぱり、奏さんを二度失くしたような喪失感ですか?」

イオ「本人にこれを答えるのかぁ。まあ、正直に言うとそれもあります。でも、ローレンとはいろいろ一緒にやってきた仲ですし、奏が中身にいるかどうかに関係なく、死んでほしくない人ではありましたよ。あそこでセトカやサミダレとかが死んでても大泣きすると思います」

ローレン「それが聞けてよかったです」


~天原とヒトヒ~

イオ「ここからはカプセルという組織の出来上がりから楽園の創設までのストーリーですね。ここにきてやっと語られる背景という感じです」

コピー「よく考えたらヒトヒの頭が良すぎたせいで楽園ができたような気がしてくるな」

ローレン「楽園のおかげで苦しんだ人や問題もありましたけど、楽園があったからこそ、人間がここまで生き延びてたって見方もありますし、ヒトヒさんの功績は大きいと思います」

コピー「ヒトヒはずば抜けて先を見通す力が強かったから、全部手のひらの上って感じがするな。ホープにメッセージを持たせるのも、ウノがホープに寄生するのもみんなお見通しだった」

ローレン「コピーもやさしい人ですけど、コピーにやさしさを教えたヒトヒもまた、ものすごくやさしい人だったんですね」

イオ「「娘が死ねないのは愛じゃない」というセリフで、歪んでそうと思う読者の人もいると思うけど、作者はそれはやさしさだと思っているそうです」


~名前を呼んでもいいですか~

イオ「楽園のヒトは本名を呼ばず、字で呼び合います。それは、インターネットなどで、本名を明かさない社会をモデルにしたそうです。ウイルスが蔓延して人々がマスクをつけるのが当たり前になった社会において、「キスしてもいいですか」のセリフが、自然と婉曲になって、「(あなたにキスするために)マスクを外してもいいですか」になるだろう、と誰かが言っていたのを聞いて、これまではなんてことのないセリフだったものに意味が深くなる現象が面白いと思ったとのことです」

ローレン「確かに、「結婚してください」が「名前を呼んでもいいですか」なのはかなりの婉曲ですね」

コピー「で、そのセリフを最初に言ったのが私の父、まあ、イオの友人の天原ということになる。ネット上の仮想空間で交流してる相手の名前を知らないのは当然だからな」


~12人の創造主~

イオ「カプセルの初期メンバーを12人にしたのは、ギリシャ神話の12人の神からだそうです」

ローレン「『神 何人』で検索して一番上に出てきたからその人数を採用したようですね」


~悪趣味な部屋~

コピー「楽園という和風な街並みが続く世界に唐突に立ってる、西洋風の黒の塔だが、創設者がついに明かされるな」

イオ「黒の塔だけ雰囲気違うと思ってましたが、ヒトヒさんの趣味だったんですね」

コピー「別に料理とか服は普通だったんだが、インテリアの趣味だけには謎のこだわりがある人だった」

ローレン「変なこだわりがある辺り、コピーも似てるじゃないですか」


~コピーの過去~

コピー「私がウノの胸を切開して心臓を抉り出す描写は結構前から決まっていたそうだ。「人を殺したことがなければ、命の重さなんかわからない」というヒトヒのセリフだが、狂った教育だよなぁ」

ローレン「そういえば、ツーってどうなったんですか?説明少なすぎません?」

イオ「ツーは別に永遠の心臓を得も、抉り出されもしなかったので、あの後コピーによってトイロソーヴに同調させられたそうです。それから、DNA情報を変えずに死んではまた赤ん坊として同じ姿で生まれ変わっていたということです」

コピー「それが、バイだな。性別は変えたが、やけに頭がよくてなんでも作れるあたり、ツーにそっくりだ」

イオ「ヒトの人生を映画のフィルムにする装置を作ったのもツーなので、物作りが上手かったんですね」

ローレン「そういえばこの三姉妹って、ヒトヒっていう超絶頭いい人のクローンだから、みんなギフテッドなんだった」

コピー「ギフテッドだからってなんでもわかるわけじゃないぞ」


~Bb9、胸を張れ~

コピー「Bb9が記憶を失くした時はつらかったな。あいつがいたからこの千年間頑張ってこれたから」

イオ「Bb9が自分の意志でデータのバックアップをしていたのは熱かったですね」

ローレン「コピーの「ちゃんと育てられたなら、AIの暴走なんか起こらない。AIが人を傷つけるのはすべて人間のプログラムのミスだ。悪いのは人間で、ロボットは悪くない」のセリフは、作者がシンギュラリティについて調べていた時出会った言葉だそうです。まあ、言われてみればそりゃそうですよね」

イオ「ロボットやAIとは正しく付き合っていきたいですね。じゃないとターミネーターみたいなことが起こりかねませんから」


~スクラップ場~

ローレン「最後のシーンは映画の終りみたいで作者は満足しているようです。すぐにエンドロールが流れたら最高ですね」

イオ「タイムマシンという特殊な機能を持った車が、最後は他の有象無象の車に混じってどれがそうだったのかわからなくなってしまうというのが、割と作者が描きたかったものを表しているのかもしれないです」

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