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ケラサスの使者 メイキング  作者: 岡倉桜紅
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5 第二章のテーマ、tips

~コピーの墓参り~

イオ「第二章はコピーの墓参りから始まりますね」

ローレン「コピーは例によって靴を履いていませんが、何か理由とかあるんですか?」

コピー「作者は昔、靴を履くのが嫌いで、遊園地に裸足で行ったことがあるらしい。今は足が冷えるから裸足は嫌いだそうだが、頑なに靴を履きたがらない子供とかを見るとなんか微笑ましいというか、かわいらしいと思うようになったそうだ。だから私にそういう設定をつけたしたんだな」

イオ「いくら靴が嫌いだからって、戦場とかまで裸足で来て足の裏から流血してるのは、もう痛そうで見てられないですよ」

ローレン「コピーが手術着と白衣を脱いで、黒いシックなワンピースを着てるのは一年のうち、この日だけですよね。いつもぼさぼさの髪も編み込んでアップにしてますし」

コピー「編み込みはBb9がやってくれる。いつもおしゃれしないのに、ワンピースを着て髪をきれいにしたら可愛い子が作者の癖なんだそうだ」

ローレン「作者はコピーに性癖を詰め込みすぎじゃないですか?」

イオ「ローレンにも詰め込んでますよ。衣装や容姿の描写が他のキャラに比べて格段に多いです。普段は超強くて頭がよくて飄々と生きてるように見えて、内面に暗い過去とか闇を抱えていたり、血のにじむような努力をしているのが好きなんだそうです」


~モモとクニカ~

イオ「この話はギンナルの過去につなげる導入であり、かつ、僕とローレンの関係への伏線でもあります」

ローレン「え?私たちの関係?」

イオ「はい。モモという少女のお母さんであるクニカは、顔が好きで結婚したのに顔がつぶれたので好きではなくなった、と普通に考えてクズすぎる理由でモモのお父さんと別れていますよね。でも、好きになったポイントが顔だったからクズに見えるけど、そもそも他人を好きになるってどういうことだろう。何が好きになるんだろう。その人のすべてを好きにならないと、その人を好きだと言えないんだろうか、と作者はめんどくさく悩みました」

コピー「自分の恋人がこんなこと言い出したらめんどくさいな」

イオ「ギンナルはクズだと思ったけど、作者はクニカのことをクズだと思ってないんですよ。その人の性格が好きになって付き合い始めることも、その人の顔が好きになって付き合い始めることもありうる。その人のすべてを愛してからじゃないと付き合えないのはいろいろ不便ですよね。ところで、例えば、今日この時間の彼が好き、となったとして、明日の彼はもう今日の彼ではない。昨日の彼と今日の彼は、髪や爪の長さも、ストレスとかがあれば、昨日より性格が怒りっぽく変わってることもありますよね。じゃあ、日々変わっていく存在を愛すってどうすればいいんだろう。昨日は好きだったけど、今日はもう好きじゃない、という感情の変化は当然起こりうる、認めるべき感情だと作者は思っているそうです」

ローレン「それは、テセウスの船と関係ありますか?」

イオ「まさにそうですね。僕はローレンの中の奏っぽい欠片(パーツ)のことを最後まで愛してましたけど、クニカは元夫のパーツ一つ変わっただけで、もうそれが、自分が昨日愛してたものと同一なものだと認識できなくなってしまったんですね」


~私も、事務のお姉さんになりたい~

イオ「事務のお姉さんの決めセリフ、『私がただの事務のお姉さんではなく、ハイパー事務のお姉さんだからです』は作者もなかなか気に入っているようですね」

コピー「事務のお姉さんは最後まで(あざな)が明かされないよな。それに、最後の方では名前がどんどん長くなって、最終的にはハイパー・エクストラ・ウルトラ・エクセレント・グレート・マスター・アメイジング・ミラクル・パーフェクト事務のお姉さんになってたと思うんだが、作者どうした?」

ローレン「作者の友達にハイパー・エクストラ・ウルトラ〇〇みたいに、修飾語を前につけて〇〇を強調する言い方をよくする人がいたみたいです。それを頂戴したとか」

イオ「AIとかロボットに単純作業を奪われがちな時代で、事務の技術を一筋磨いて、ロボットばかりの同僚に混じって仕事をするのは相当大変だろうけど、だからこそ、思いやりに満ちた仕事がかっこいいですよね。気遣いができるいいヒトでした」

コピー「事務のお姉さんには聞こえてなかったけど、モモにああ言ってもらえて報われてるんじゃないかな」


~遊具がない公園~

イオ「このエピソードでは、子供たちが公園でケイドロで遊ぶシーンがありますが、あの公園には遊具がありません。これは、作者が最近の遊具がどんどん撤去されている公園に対して若干の皮肉を込めて書いたそうです」

コピー「ボール禁止、走るの禁止、喋るのも禁止、遊具は危ないから撤去とかそういう感じだもんな。いったい何をするスペースなんだか」

ローレン「へえ、2000年代のエンシェのみなさんもそんな感じだったんですね」


~ギンナル~

イオ「ギンナルというキャラについて話をするには少しばかり作者の心の傷をえぐらないといけません」

コピー「ギンナルも作者の中ではまあまあお気に入りのキャラじゃなかったっけか」

イオ「そうですね。割とキーキャラとして書かれてます。ギンナルの過去は、作者の過去をちょっと脚色して書いてあります。詳細を書くと死にたくなるので省きますが、作者も昔、悩んでいる友達から電話してほしいという手紙をもらったけど、自分に言い訳をして掛けなかったという、人として最低外道なことをしてしまったことがあって今でも悔いています。芸術に昇華したところで到底許されるわけはないですが、懺悔として書きたかったようです」

ローレン「ギンナルの、芸術に生きようとしてみたり、その割には才能がなく、勉強もしない、いい歳して何もせずにふらふらしてる感じも作者の一面を投影してるんじゃないですか?」

コピー「悲しいことにね」


~青の街~

イオ「クジラは実際、打ち上げられた死体が爆発することがあるようですね」

ローレン「あんなディストピアみたいな世界観の海にクジラがいたなんて驚きです」

コピー「イオールの雲で汚染されたけど、千年くらいたってやっとクジラみたいな海の生き物も復活してきてるよ、ってことらしい」

ローレン「ゴミばっかり沈んでる海底の描写もありましたし、環境には気を付けて生きていきたいですよね」


~イオの過去~

イオ「ここにきてやっと僕の過去が明かされます。僕は相当のガリ勉でした。これから天原との対談で詳しく話そうと思うんですが、僕は天原のことを天才だと思って接していませんでした」

コピー「だから諦めてしまうことなく追いつこうと努力ができたんだな。まあ、一度、天原のことを天才だと思って距離を感じて諦め、その後でそれを後悔してたけど」

ローレン「この話の根幹は、伊尾と天原の友情の話でもあるんですよね」


~国語の塔~

イオ「夏休みが終わって、僕たちのパーティーは国語の塔の攻略をします。その時にカンニングをしていたローレンに会うんですよね」

ローレン「ルートのための視察だったんです。ルートは体力的に雪の中戦えないので。ここで生まれたときからの不平等が強調されています」

コピー「その一件でイオはR1に狙われて退学に追い込まれる。そして、ギモン解消屋を開業、と」


~ユメクイ~

ローレン「ユメクイって不思議なキャラですよね。本編にまったく関係ないのにちょこちょこ登場します」

コピー「タバコっていう、哲学みたいなものを売ってるやつだ。ギンナルがイオとか他の人と話してると、不思議なよくわかんないヒトって感じだが、ギンナルとユメクイが話してるときは、ユメクイの方が不思議なヒトに見える。作者はこの二人の会話が結構気に入っているようだ」

イオ「三章に入っての話になりますが、ユメクイの『俺は、ないことによって醸される美の可能性について言っている。あえて不在であることによって、むしろ現実に存在しうるすべてより美しい足を想像できるんだ。もし俺に足がついていたら、俺の足というものは唯一の固定された存在、ただの足に成り下がる』のセリフは、ミロのヴィーナスっぽさを意識してますね」


~ライとダイ~

コピー「この二人のエラーズの話は、本編に全く関係ないな」

ローレン「ライの方は後にも、テロに加わったり、ファイに守られたりとかちょくちょく出てきますが、ダイの存在は完全に作者がダイの口を借りて言いたい放題するために作られたキャラですね」

コピー「作者の芸術に対する青臭い見方がつづられているな。岩を搾るとか、星を繋ぐとか」

イオ「もともと、目の見えない音楽家と耳の聞こえない画家が友達やってるというシーンは構想があったそうです。ライというキャラは中学の時に思いついて温めていたらしいです」

ローレン「ライはギンカと結ばれず、ダイを失って、かなり大変な人生を送ったキャラですね」


~良家の双子~

イオ「僕がイルマと出会った話ですね。楽園内には学歴厨の良家というグループがあることを示すエピソードでした。ミステリーというかサスペンスを書きたかったみたいです」

コピー「面白いといいんだが」


~イルマ~

イオ「イルマというキャラはだいぶ後半に登場したし、作者自身にとっても、よくわかんないところが多いキャラだそうです」

コピー「たしかに葬儀屋という職業は初めて出てきたな。後にイルマの両親は、葬儀屋だからという理由で殺されてしまって、イルマがその後を継いだということが明かされるけどイルマ自身の掘り下げはあんまりなかったな」


~じゃんけんの伏線~

ローレン「この辺でふいに挟まれる、少年二人がおにぎりを巡ってじゃんけんをする描写ですが、後のファイとルートの仲直りの伏線ですね」

イオ「ここから一気にファイとルートの喧嘩編へと物語が変わっていきます」


~ルートが城でテロ~

イオ「この話で作者は、生まれながらに持つ能力の違い、それによって生まれる差別について書きたかったようです。ファイとルート、二人の視点から意見をぶつからせ、争う様を書くことで、読み手に考えさせたかったらしいです」

コピー「テーマがでかいな。若造がそんなことを書いて大丈夫か?」

イオ「それは今はわかりません。しばらく歳をとってみて読み返したら、差別なんて大きなテーマを扱っておいて、なんて浅い結論だろうと頭を抱える日が来るかもしれません」


~ローレンの過去~

ローレン「ここでイオさんはR1の組織のために私に殺されそうになり、死に際に奏の名前をつぶやくことで命拾いします」

イオ「ローレンはいつから僕が伊尾だってことに気付いていたんですか?」

ローレン「最初に会った時から私の頭の中にいる奏は反応してました。私は落雷からそう時間が経たずに、自分の中にいる自分以外の存在、奏に気付いてはいました。イオさんが「奏」と言ったこの瞬間に私ははっきりとイオさんのことを、奏が好きだった伊尾と同一人物だったと理解します。だから殺せなかったんですよ」

イオ「僕も最初に会った時からなんとなく懐かしいなーと思っていましたが、その瞬間にはローレンと奏を同一視はしてなかったですね。はっきり自覚したのは、この騒動が終わった冬まつりでりんごあめをかじってるところを見た瞬間です」

コピー「伊尾と奏は好き同士だったと思うんだが、ローレンは奏の脳を一部持ってるけど、イオのことは好きになったのか?」

ローレン「奏の脳に引っ張られてたのか、純粋な私がそう思ったのかはわかりませんが、イオさんのことは最初に会った時から少なからず想っていましたよ」

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