3 結局何を伝えたかったのか
~タイトル回収~
ローレン「この話のタイトル、ケラサスの使者ですが、cerasusというのは、桜の学名ですね。桜、つまり植物の無い楽園に花を咲かせ、楽園の終りをもたらす存在が使者なんですね」
コピー「使者は一人じゃない。誰の使者が結局誰だったのかは読者のみなさんの考察に任せよう」
ローレン「そうですね。しかし、タイトルの回収が第三章になってからって、相当遅くないですか?キャッチコピーにしてた『桜はすべてを解決する』っていうヒトヒのコピーに向けたメッセージも、だいぶ後にならないとわかんないじゃないですか」
コピー「最初からあえて意味深に言っておくことで伏線になるんだよ」
イオ「さすがに一章二章でノータッチだったのは読者が離れていくかも、とおびえていたようです」
ローレン「かと言って、構成を変えるわけにもいかないし、結局三章ですべてを説明することになりましたね」
コピー「読んでもらうために書いてるんじゃないとか普段は強がってるが、結局そういう願望もあるんだな」
~誰のために~
イオ「この話は中高生とか勉強真っ盛りの少年少女に向けて書かれているように見えて、時々大人のみなさんに読んでほしそうなところも見え隠れしますね」
ローレン「作者本人も中学高校では勉強ばっかりの生活だったみたいですね。勉強の楽しさとつらさはわかってたイメージです」
イオ「もともとこの小説を書く前に、芸術とはだれかに見せるためにやるもんじゃなくて、純粋な『創りたい』という創作意欲を満たすためだけにやるべきだ、と覚悟を決めて、ウケをなるべく意識しないで自分のためだけに書くスタンスを作ったようです。ターゲット層が揺らぐのはそういうこともあるのかも」
コピー「小説投稿サイトにアップしたり、誰かに感想を迫ったりとか承認欲求を隠せてないところもあるけど、基本的にこういう創作は時が経てば黒歴史になるだろうということは自覚しているから、そういう行為をしてしまった後は毎回頭を抱えて落ち込んでいたな」
イオ「基本的に、子供が読んでも恥ずかしくない作品っていうのはいつも頭の隅に置いてあるみたいです」
コピー「それ、作家として最低限だろ。ていうか、こんなメタい裏話書いてないで誤字修正とか編集を先にやれよ」
ローレン「そうですね。これを書いてる時、まだ書きっぱなしの状態で編集とかしてなかったんですよ。でも、映画のDVDとか買うと最後についてくるメイキング映像みたいなのが好きだから、自分もやりたかったそうです」
イオ「映画化はしませんが、キャラのインタビューとか細かい設定もこれから赤裸々に話していきましょう」
~メッセージ性~
イオ「これから作品の流れを振り返りつつ、編ごとに込められたテーマなんかを話していけたらなと思います」
ローレン「この話は大きな一つのメッセージを表現しようという感じではなくて、各キャラごとにそれぞれメッセージがある感じですね」
コピー「そのおかげで、全体的に何を言いたかったのかぼやけてしまったのは反省点らしいが、キャラや、編ごとで切り離してメッセージを受け取ってほしいそうだ」
イオ「読者にそんなことをお願いしなくてはいけないのは作家としての力量がまだまだですね。一回読んだときにどこまで伝わってるのかわかりませんが」
~ショートバージョン作ろうかな?~
イオ「第一章は用語や世界観の説明に多くの文字を使いましたね。40話くらい読んでやっとメッセージ性のある本題に入っていくみたいな」
コピー「新規参入を拒んでいくスタイル。その40話を読み切れるほど、この作風を本当に気に入った人にしか面白いところを見せないの、尖ってるな」
イオ「今読み返すと、本当はもっと説明を簡略にカットして本題にすぐに入ればよかったと思っているようです」
ローレン「ショートバージョンを作ろうかっていう構想も一ミリくらい作者の頭にあるそうです。最近の人はYouTubeとかインスタ、ティックトックも、テンポが速くて結論がすぐわかるものが大好きじゃないですか。おいしいところだけ短時間でいっぱい食べたいみたいな贅沢な考え方が流行ってます」
コピー「ファスト映画みたいな?作者はそういう芸術の摂取の仕方を、ファーストフードばっか食べる、芸術をわかってないやつのすることだと言って、いつも馬鹿にしてるじゃないか。お金や時間のコストをかけて、ちゃんとした料理を食べるのが必要なんだって」
イオ「新規参入のマーケティングには必要なんじゃないですかね。興味を持ってもらうことって難しいんですよ」
ローレン「最近はいろんな作品が世間にあふれてますしね」
コピー「『どうせ誰も読まない』と『もしかしたら読むかも』の間で創作するのは、なかなか楽しいみたいだ」