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私の机は異世界に繋がっていました。 第2話

私の机は異世界に繋がっていました。 第2話


 中学校の先生に長原と見に行った手紙、封筒に書かれたのは血文字ということがわかった。


 俺が無くしたものというか、どっかに無くなった物を考えてみた。

 「ペン、鉛筆、紙、レジメ、社員証、レジメ、アイスの棒、手紙、宿題」

 比較的小さいものが多い。そう考えると机の本棚のものは無くなっていないので、レジメは一番大きかったのかもしれない。

 試しに昨日の夜書いた手紙の上に鉛筆をおいてみたが、手紙だけが消えていた。

 「うまくいかないな。」

 と寝転んでぼやいていると、いい臭いが漂ったかと思うと、手紙が戻ってきていた。

 「お!おおおお!」

 と叫んでしまった。

 「朝早い時間から騒がないの。ご飯できたわよ。」

 「あ、はーい。」

 朝ご飯を食べながら、考え込んでいる。

 「こら。またこぼすわよ。」

 と言われ、危うくこぼすところだった。

 「ごめん、ありがとう。」

 「仕事うまくいってないの?」

 「いやそうじゃないよ。」

 「そう。」

 「無くしものよくしてたでしょ、あれの原因がわかったんだよ。なんとなくだけど。」

 「あら。」

 「そのこと考えてたんだ。」

 「病院?」

 「病院行ったんじゃないの?」

 「そういうことじゃないよ。」

 「あらそう、まあいいわ。」

 「早く食べちゃってね。」

 「はーい。」


 ご飯を食べ終えて机に戻り、戻ってきた手紙を見る。

 やはり血で文字が書かれているようだが、全然わからなかった。

 「明日会社帰りに、先生居ないか。」

 とぼやきつつ、新しい封筒に鉛筆を入れ何気なく机に放ってトイレから帰ってみると無くなっていた。

 「え、なんで。」

 机からなくなるタイミングは本当にわからない。

 長原にとりあえず伝えるか。

 「お、おはよう。」

 「どした日曜だぞ。」

 「あ、あ。あのな。」

 「あ?」

 「なくなった。」

 「え。誰?」

 「いや、手紙。」

 「紛らわしいな。」

 「ん?ああ、死んでない、死んでない。」

 「で、条件わかったか?いいや、今そっち行く。」

 「おい、来たぞ。」

 「おお。で条件は、見てないとき、部屋にいないとき。」

 「そのくらいしかわからん、あ、あと寝てるとき。」

 「そうか。微妙だな。」

 「で、今なんだけど、鉛筆を入れた封筒だけ無くなってる。これが昨日無くなって戻ってきたやつだ。」

 「また血文字か。」

 「だな。」

 「明日早く上がれたら、学校行こうと思う。」

 「そうか。わり、俺明日無理だから、状況だけ教えてくれ。」

 「あ?ああ、わりいな。了解。」

 「お茶飲んでくか?」

 「これから仕事で、そのまま行くよ。」

 「稼ぐねぇ~。」

 「おう。」

 といって笑って仕事に向かっていた。


 見送ってから仕事に戻ると、机の下に落ちていたからの封筒が。

 「あれ?」

 拾い上げてみると、封筒だけになっていたが、文字だとはっきりわかる文字がいくつか書かれていた。

 「これは。」

 俺は震えていた。文字が書かれた封筒。なんて書かれているかわからない。でも文字だと認識できた。

 「文字だ。」

 頭の中で考える、どうする。何が送れる。次はボールペンと紙を入れて封筒に、いや文字を書いて送る。アルファベット?英語?日本語?そもそも何処につながってるんだ。駄目だ頭の中がぐるぐるしていて全然思いつかない。今川に送ってみるか。

 「ああ、駄目だわからない。でもボールペンと紙、ABCくらい書いて送るか、自分の名前書いて送るか。そうか。それだ。」

 手紙にA~Zとローマ字でTSUBASA YOKOUCHIと書いて封筒に入れてボールペンと返信用便箋も一緒に机に投げおいておいた。

 そして、ベットの上から机を眺めているがやはり消える様子はなく、何度かトイレや下に降りてお茶を飲んだりしたりしたが消えなかった。

 「一日に1回有るかないのかなのか?」

 と思って再び下に降りて戻ってみると、手紙は無くなっていた。

 「消える条件がさっぱりわからない。」

 そうこうしているうちに夕飯の時間となり、ご飯準備の手伝いをして食事の後にお風呂の準備で部屋に戻ると、机には手紙がおかれていた。

 「間違いない、あの手紙だ。」

 最近叫んでばっかりいたので、驚いても叫ばないように注意していたのが幸いした。そして、恐る恐る封筒を開けてみると、中には同じように文字の羅列とその中から複数の文字が選ばれて書かれていた。名前なのか挨拶なのかはわからないが、明日学校へ行って先生にも相談しようと決めた。


 涼太にメールを送っておくことにした。

 『今日帰り遅くならないらな家寄ってくれ、やばい。』

 風呂へつかり、考えることはやはり手紙の事で何を考えても変わらないけれど、考えてしまう。

 「おう翼、来たぞ。」

 と風呂上がりにそうそう涼太がやってきた。

 「早いな」

 「メール見てないか。」

 「わりい、風呂入ってて。」

 「見りゃわかるからいいや。」

 『今日は早いからあと10分位で家着くわ。』

 とメールが来ていたらしい。

 「それで今度は何が来た?」

 「えーっと、これなんだけど。」

 「何だこりゃ。」

 「お前、なんて送った。」

 「A~Zの文字列と自分の名前とボールペン。そしたら手紙だけ送り返されてきた。」

 「向こうは任意で送り返せるのか?」

 「こっちもどうやったら送れるとかいまいちわからないから何とも言えないけど。」

 「え?わかんないのに送れているのか?」

 「一応わかってることは見てないこと、軽いこと、文房具類は遅れそう。そのくらい。」

 「そうか、微妙だな。」

 「で、英語みたいな単語系組み合わせなのか日本語みたいな音の組み合わせの国?でいいのかな、なのかいまいちわからないから何とも言えないけど。一応日本語も送ってみたらどうだ?」

 「両方か?」

 「まあ一応。」

 そして次の日学校へは行かずに家に戻り手紙を見たりして数日が過ぎた頃、また少しわかってきた事があった。相手は1人ではない可能性がある。ということだった。



―――――――

第2話 終


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