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我ら学校探偵団!  作者: まにまに
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作者:まにまに

僕たちは今、学校近くの商店街に来ている。ここは昔ながらの店も多く残っているからか結構な賑わいを見せているんだ。今日はその賑やかさはいつもより強いみたいで。そこら中で客引きをする店員の声や子供たちの騒ぐ声などが聞こえてくる。

そんな中で僕らは一つの駄菓子屋に立ち寄ったんだ。そこはおばあちゃんが経営するお店で、よく僕らはこのお店のお世話になっている。ここのお婆さんは僕の事情を知っている人で、だからなのか、僕は昔から気兼ねなくここに来れているんだよ。そして今もその例に漏れることなく―――。

「あらまぁ翔君じゃない。それに心羽ちゃんまで」

「こんにちは、美津子さん!」

店内に入るとそこには優しそうな笑みを浮かべた一人のお婆さんがいた。この人はここの場所を経営しているおばあさん。名前は美津子って言って、見た目通りの優しい雰囲気を持つ人なんだ。ちなみに美津子さんの旦那さんは数年前に他界していて、今は一人暮らしらしい。それでも元気に明るく生きている彼女はまさに理想のお婆さんだと思っているよ。

「あら、二人とも大きくなったわねぇ~!でもこんなところで会うなんて珍しいこともあるもんさねぇ」

「確かにそうだよね。僕たちもここで会うとは思わなかったもの」

「私達だってびっくりしてるんですよー?」

そんな感じで会話を弾ませて、それから三人そろって駄菓子を選んで買った。その後は近くにあるベンチに座って駄菓子を食べることにしたんだ。うん美味しい。

「ん~っ!やっぱりこのお菓子おいしいです~!」

隣に座っている少女、心羽みうは嬉しそうに顔をほころばせながら食べ進めていた。心羽はとても無邪気な性格をしていてとても可愛い。まるで小動物みたいな印象を受ける。それは容姿だけではなく、言動や行動なども当てはまるんだけどね。

心羽は少し幼く見えてしまう外見と性格のため小学生くらいに見られることが多いけれど、実年齢は16歳で高校生だったりするんだ。でも本人いわく、「高校生って大人っぽく見られることの方が多いので私はこれでも立派なレディーなんです!」と言っていた。うん、全然説得力ないよね。まぁ心羽は可愛いし子供っぽさが目立つところも可愛いからいいと思うけど。ただ、もう少し大人になって欲しいとは思うかな。特に中身を。あと口調にももうちょっと気をつけて欲しい。いや、無理だろうけど。

そんなことを思いながらも僕は心羽と一緒にお菓子を食べ進めた。するとその時……。

「おいお前たち、何者だ?ここは我ら探偵同盟の縄張りであるぞ」

そんな高圧的な態度の男が現れた。しかもいきなり喧嘩を売ってくるようなセリフを言ってきた。えっと、本当にこいつは一体誰なんだろうか。突然の登場に僕と心羽は戸惑っている中、美津子さんだけが呆れたように男を見て言った。

「あのねぇあんたたち。ここには他の探偵団がいっぱい来るってことは知ってんでしょ?だからこの辺り一帯全部あんたらだけの場所ってわけじゃ……」

「貴様、黙らんか!!」

しかし男は美津子さんの言葉を途中で大声でかき消した。そして美津子さんに向かってこう言う。

「我々探偵同盟は他の探偵団とは違うのだ!!故にここに来たとしても問題はないだろう!?違うのか!?」

「いやまぁ確かにそういう考えもあるかもしんないし、あたしゃそれでもいいんだけど……あんたたちがどうなのかって話を……」

「ふん、貴様に話しても無駄だということがよくわかった。ならば仕方がない、ここは実力行使と行こうではないか」

男はそう言って僕らの方に目を向けた。そして睨むようにして

「おいそこの女」

と言ってきた。その言葉に反応するように僕は思わず身構えてしまった。だけどすぐにハッとして冷静になる。いけない、こういう時こそ落ち着かないと。

「……はい、何か用ですか?」

僕は努めて平静を保ちつつ、静かに答えた。

「俺は探偵同盟のリーダーをしているものだ。そしてそこの少女に言いたいことがある」

「私に、ですか?」

「ああそうだ。まずはその女から離れろ」

「嫌ですよ」

「なんだと?」

「離れたくないと言ったのです」

「ふざ、けるな……!俺の言っていることが理解できないのか!?」

僕のはっきりとした拒絶に男の語気が荒くなった。それを見た美津子さんはため息をつき、心羽は困ったようにオロオロとしている。そして僕はと言うとそのやり取りを見ながらある疑問を抱えていた。

どうして僕は今こんな風にしているのだろう。いつも通りであれば何も言わずにその場から離れるというのに。なのに何故だか今回はそれをしなかった。いや、出来なかったというのが正解かもしれない。

それは何故か、その答えは自分でもよくわからないんだ。だけどこれだけはよく言える。きっとこの人なら大丈夫だと、そう思えたんだ。根拠なんてどこにもない。そもそも初対面なんだから当たり前だ。でも不思議なことに僕はこの人を信頼できると感じた。そしてその気持ちは今も続いている。だからこうして立ち向かっているんだ。もしこの人が僕に害をなす存在だったとしたら、その時点で僕は逃げるなりして逃げ切るはずだろうからね。

そんな感じで自分の心を分析していた僕の耳に心羽の声が届く。

「えっとですね、心羽は離れたくないんじゃなくて離れられないんです」

「はっ、何を馬鹿げたことを。そいつはそこにずっと座って動かんかったろう。つまりは離れる気はないと言っているようなものだ」

「ええ、まぁ間違ってはいませんよ」

心羽の言葉を聞いた僕は苦笑を浮かべる。うん、全くもって間違ってはいないんだよね。確かにさっきまで心羽はこのベンチに座ってお菓子を食べ続けていたんだし。それが証拠と言えるのかどうかは微妙だけれど。

「だが、いつまでもそんな我を張っていては意味がなかろう。いい加減にそこをどけ!」

男がそう言って心羽に手を伸ばしてきた。しかし心羽は避けることなく、むしろ手を掴むことで抵抗する。

心羽は身長が低い方なので、必然的に見上げる形になっていた。そしてその瞳は真っ直ぐと男を見つめている。その視線を受けた男は一瞬怯み、手を離した。

そして心羽は立ち上がると僕の後ろに隠れるようにして男と向き合った。その姿はまるで小さな子供が大人の人に守られているかのような感じだった。心羽は見た目も子供っぽいし、実際に背が小さいこともあって年齢よりも幼く見えることが多い。だからよく子供扱いされるらしい。まぁ本人はそのことを気にしていて、少しでも大人っぽく見られるために口調を変えたり努力しているみたい。でもまぁ、全然ダメなんだけどね……。

さて、そんな心羽の行動を見て男がどういう行動に出るのかと思ったその時。

「ふん、やはりな。お前のようなガキにはこっちの女の方がお似合いだ」

そう言って今度は美津子さんに近づいてきた。美津子さんは心羽ほど小さくはなく、普通に平均くらいはある。それに美津子さんは綺麗だし、胸もあるので男にとって魅力的な女性に見えるだろう。現に男は下卑た表情をしながらニヤついていた。だけど残念ながらこの男は心羽の魅力に気づいていないようだ。まぁ僕にとっては好都合なんだけど。だって美津子さんがあんな男に触れられると思うとそれだけですっごく腹立つもん。

美津子さんはと言うと嫌悪感丸出しにして一歩後ずさっていた。その顔はとても迷惑そうなものだったけど。美津子さんは優しいからあまり強く言えないんだよねぇ。本当に損な性格をしているというかなんというか……そういうところが可愛くて好きなんだけど。

すると男は美津子さんの肩を掴んだ。そして耳元に口を近づけ囁き始める。

(おいおいこんな可愛い女を連れてるなんて羨ましいじゃねぇか。なぁ俺にも貸してくれよ)

そんなことを言っているようだけど聞こえない。ただなんとなく言っていることが予想できたのと、声に不快なものが含まれていたのもあって気分が悪くなった。

「ちょいと待ちなよ。あたしゃそいつらの保護者みたいなもんなんだ。あんたの言い分は理解できてもこの二人は譲れないね」

そこで美津子さんが男の手を振り払いそう言った。それを見た男はさらに嫌らしく笑うと今度は美津子さんの腕を掴もうとする。だけどそれは叶わなかった。

何故なら、僕がその腕を掴み捻り上げていたからだ。

「いっ……!?」

いきなりの出来事だったせいか、それとも痛すぎたのか、どちらなのかはわからない。しかしその痛みのおかげで男の手が離れた。その隙に僕は美津子さんに言う。

「離れて」

短く簡潔に、端的に告げるとすぐにその場を離れた。

そして男の目の前に立ち、思いっきり睨むようにして見る。身長差のせいで少し首がきつかったけれど、今はそんなことは関係ない。

男はというと僕に睨まれていることを理解していないのか、はたまたわかっていてあえて無視しているだけなのか、特に何も言っては来なかった。なのでとりあえず睨むのをやめることにする。別にこのまま黙っているのであれば何もしないし。でももしも変なこと言ってきたりしたら……。……うん、その時は仕方がないよね。僕は悪くないし。うん。悪いのは僕にこんなことさせるあの人が悪いんだし。うん、僕は悪くありません。えぇ決して。

そんなことを考えつつ、男を見ていた僕の耳に心羽の声が届く。

「ふわぁ、お兄ちゃん格好いい……」

「……心羽?」

「あ、はい」

「ちょっと向こう行ってなさい」

「はーい」

「ははは、なんかお嬢さんって苦労性って感じだなぁ」

心羽がいなくなると同時にそんな言葉がかけられ、その方に目を向けると美津子さんの姿があった。僕はため息をつくとその人の前に立つと頭を下げる。

「すみません、美津子さんにまでご迷惑をかけてしまって」

「まぁ気にするなって言いたいところだが無理だよねぇ。ま、今回はお互い様ってことにしようや」

「はは、ありがとうございます」

「うんうん、素直でよろしい!……んで?あんたの本音は?」

「へっ、何のことでしょうか?」

「ん~、その様子だと無意識かなぁ……。うん、あんたはなかなかの曲者みたいだね。でもまぁ今のはいい方を選んだつもりだったんだろうが、私を騙すのには100年早いね。その程度の嘘は見抜けるようにならないとダメだぜ」

「……参ったな……。これでも頑張ってるつもりなんですけどね」

そう、一応僕は美津子さんにバレないようにしたのだ。だからきっと大丈夫だと思っていたんだけどな。やっぱりこういうのは慣れないから難しい……。もう少し頑張らないとな。

そう考えていると、美津子さんが口を開く。

「あんた、今自分がどんな顔をしてるか気づいてるかい?」

そう言われて僕は慌てて自分の顔に触れる。そして驚いた。何故かわからないけど凄く歪んでいたから。自分でも驚いてしまうくらいに酷い表情をしていた。どうしてかと考えるまでもなく、先程の光景を思い出してしまったからだ。それに気づいた途端、急に胸が苦しくなってきた。

「うぐぅ……」

胸を抑えながらその場に膝をつきそうになっていると、美津子さんが背中をさすってくれた。

そして優しく声をかけてくれる。

それはまるで子供をあやすかのようで、不思議と気持ちが落ち着くような気がする。

それからしばらくするとようやく落ち着いたので、

「すいませんでした。もう大丈夫です」

と言って立ち上がる。美津子さんはそれを確認するかのように見てから微笑んだ。どうやらもう大丈夫と判断したらしい。

僕は軽く深呼吸をして冷静さを取り戻すと、美津子さんと一緒に心羽達のところへ行くことにした。

最後まで読んでいただきありがとうございます!

毎日連載していくので楽しみにしていてください!

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