表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
6/108

5 光魔法使えますが

スラン先生について、教室に向かう。廊下も広い。

全体の造りは木造なのかしら?でも不思議な輝きがある。石ではなさそうだし、とても綺麗だけれど…

「何か気になるのか?」

あ、キョロキョロしているのがバレましたね。

「はしたない真似を、申し訳ございません」

「いや、構わないが…それで?」

あら、気にかけてくださるのね。

「この学園の造りは木造ですか?この光沢が不思議で…」

「ああ、これか。そう、学園の校舎は木造だ。それにちょっと魔法をかけてある」

「まあ!そうなのですか?」

「聖女教育では教わらなかったか?」

不思議そうな顔でスラン先生が言う。

「ええ、詳しいことは……学園の事は、入ってからのお楽しみ、って大神官様が」

「なるほど。わりと有名な話だ。風魔法と水魔法を融合して、全体に張り巡らせている。防火対策にもなるし、簡単には崩せない。そして不思議な光沢が出て美しい。更に誤ってぶつかったりしても、衝撃を吸収してくれる」

「まあ!そんな事もできるのね、凄いわ!」

一石二鳥どころか、三鳥四鳥あるわね!

「魔法の授業がますます楽しみです!」

「は…」

しまった、前のめりになってしまった。スラン先生が若干引いている。学園では淑女で通すのよ。

「あ、すみません少しはしゃいで…」

「君はすごい魔力を持っていると聞いている」

私の謝罪に、先生が被せてくる。

「いわゆる不治の病や間に合わないような大怪我以外なら、ほとんど治せると」

ええ、修行は真面目に頑張りましたから!できますよ!と思いつつ、頷く。

「広範囲のヒールもできるのだろう?」

そうですね、光魔法に関してはなかなかチートかもです。でも、それが何か?という顔で、私は先生を見る。

何かダメですかね?ちょっと世間ずれしちゃったかしら…教会籠りで…それだとちょっと恥ずかしいわ。

「学園の授業を…他の魔法をバカにしたりしないんだな」


ん?何だそれ?


「それはどういう意味でしょうか」

私はさすがにカチンときた。言葉に険を乗せてしまった。また少し?素が出てしまう。

先生が驚いた顔をしている。

「私は光魔法が少し人より多く使えるだけです。でもそれだけです。他の魔法の素晴らしさに興味を持ってはいけませんか?」

ちょっと泣きそうだ。

クラスメートにも、そんな風に思われるのだろうか。

自然と項垂れてしまう。

「いやっ、ホントにすまん!そんなつもりではなく!」

「じゃあ、どんなつもりなんです」

悔しくて、下から睨み付ける。

こんな小動物に睨まれても怖くないでしょうけど。


「いや、そうだな、うん…俺が悪かった。以前光魔法を使える奴とちょっとな…と、でも君には関係のない話だ。こちらが全面的に悪い、謝罪する」

先生が口に手を当てながらモゴモゴと謝罪する。気のせいか、耳が赤いような?まあ、いっか。

お行儀は悪いけど、謝ってるし。

「謝罪は受けとりますわ」

「ありがとう」

先生がホッとした笑顔をされる。やっぱり美形は得だわー!笑顔眩しいわー!コロッと許してまうわー!


「すまない、時間も押してしまったな、少し急いでも大丈夫か?」

「はい」


教室に入る前にまさかのひと悶着だったけど、少しは私を理解してもらえたかな?

この調子?で、お友達も作りたい。

頑張るぞー!と心の中で何度目かの掛け声をかけ、少し早足で教室に向かった。


……今日、早足多いな。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ