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序
私は一般人だ。それ以上でもそれ以下でもない。少し卑屈かもしれないが、私はそう。いわゆるモブなのだ。
取り柄と言えば…少し特殊な魔術の才と、祝福があったことくらい。とは言うものの、その祝福は同時に呪いでもあった。
後に語られる『世界を創った』などという幻想は、きっと私への戒めなのだろう。
創ってなどいない。元々世界はあったのだ。世界を創った…というのは、むしろあの娘の方だろう。
別の世界から来た私と、別の世界から来てしまったあなた。
私の世界を語るには、そう。
月が大きな、星が降った…あの夜の景色から始めよう。




