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序
この世界は、平和だ。
僕は常々思う。平和…なんて退屈な日常なんだ、と。
僕の守護神は言った。過去に大いなる戦いがあった、と。その時代に生きたかったと、何度思った事だろう。『刃の一族』である僕は、戦いの中でこそ生きていると実感できる筈だ。だというのに、この世界は平和に満ちている。一族の者は皆、証である刃を捨て、のうのうとこの平和を享受している。
クソくらえだ、こんな世界。
しかし僕は今、この平和に抗えない。面白い事なんてない。せっかく管理局の捜査課に配属されたのに、争いは殆どなく、あったとしてもそういう手合は大方、程度の低いチンピラ。本当につまらない。そう思う。
まぁ、とりあえずは今日も出勤していくけれど。




