呂律と頭が回らない大将 10-8
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大将「そんで、これまた詳しい事は言えねえが、世界中から有志で隊員が集まった。それで色々あって、なぜか俺が司令官にされた。」
新入隊員1「色々って・・・なんか凄いですね」
「でも司令って、本国で色々な成果を残したからこの組織を創れたんじゃあ・・・」
「うんうん、凄い事やったって。」
大将「はは、そうか。確かに・・・色々やったな。だからこうやってすぐ隊員も集まったんだ。世界中から集まったなぁ。うちが色んな人種の幹部がいるのは、そのためだ。みんな世界を変えたいから集まったのさ。だから、ここは決して俺だけの力だけで成り立ってる訳じゃねえ、それぞれが力を尽くしてるからこそ成り立ってる。でもまあ・・・みんななぜか俺に付いてきてくれるんだよなぁ、俺より優秀なやつなんて沢山いんのに。形だけの司令官・・・ふっ、気が楽でいいぜ。」
新入隊員1「でも俺は司令官が司令官で良かったと思いますよ?」
「うん、そうだな。」
「異論なし!」
「私も!」
大将「はは、そうか。司令官冥利に尽きるよ。まあそういう訳でここにいる。現実を見た者のみが世界を変える資格を持つ。故にここにいて、強大な力を持つ。こんなとこかね。んで、他に質問は?」
新入隊員1「えーっと、そうですね・・・」
「あ、じゃあ私が・・・。なぜ司令官たちが戦ってるんですか?」
新入隊員1「あ、じゃあ俺もそれで。」
「俺も!」
「自分も!上官達が強いのは分かりますが・・・いつも戦ってませんか?」
大将「そうだな・・・確かに、今隊員たちの中で一番の不満は、幹部達が主に戦闘を行っていることだろう。これについては俺も承知してる。ってか嘆願書がめっさ来てる。」
「ああやっぱり・・・。」
「自分達が弱いのは分かりますが・・・」
新入隊員1「今まで苦労してきたから、もう苦労させないという方針は分かりますが・・・」
大将「いやまあその通りなんだ。散々苦労してきたお前たちに、少しでも楽をさせたいってな訳と、俺たち幹部の方が強いってのが理由だ。それに外国人幹部とお前たちで、受けられる医療レベルに差もあるしな。総合的に考えて、俺ら外国人幹部が主に戦闘をした方がいいという結果さ。・・・まあ正直に言おう。みんな好戦的でな。戦えば戦う程、俺らに対する恐怖が世界中で広まるのが面白いらしくてな。だからみんな進んで戦ってるのさ。お前達のため、なんてのは表向きで実は自分が多く出撃するために、他の外国人幹部は一般の隊員の出撃を許可しないのさ。出来ても後方だ。なんか・・・スマンな。」
「「「・・・。」」」
新入隊員1「えー・・・そんな理由で・・・」
「驚きだ・・・なぜそこまで・・・」
大将「あのなぁ、俺だって出撃したいんだよ!なのにお前は基地に居ろって・・・ひでぇ話だ。」
一同「「「あー・・・」」」
何となく察した一同
大将「だが、俺もやっと出撃出来るようになった。」
一同「「「えぇ!?」」」
大将「最近、米軍からの砲撃で戦闘機が撃墜されてな。例のレールガンだ。だからそのレールガン戦艦を潰す。正確にはペイント弾まみれにすんだけどね。今回はさすがにレベル2の兵器を使うよ。シリア国内だからレベル1を使ってたが・・・被撃墜が多い。ちょっくら俺がぶっ叩いてくる。」
新入隊員1「そうなんですか・・・お気をつけて・・・」
大将「もちろんさ、お土産に連中をペイント弾まみれにした写真を持って帰るよ。」
「はは、それは楽しみです。」
「司令官が戦うの見るの初めてだな・・・」
大将「ふっふっふ・・・見せてやろう・・・俺の強さを・・・」
とまあこんな風に大将は仕事する。大将、じつは組織で一番の好戦家で、3度の飯より出撃だった。そんな大将を基地に押し込めるために考案されたのが、この仕事。彼の好きな“お話”、である。この仕事を与えたことにより、彼は今のようにおとなしくなったのである。
さて、これでいつも外国人幹部が戦ってる理由が分かったもらえたかな。実は仲間思いに見えて、みんな自分の考えに忠実なんです。そう、大将も他の幹部も・・・みんな案外個人的な理由で集まってます。でもそれが分かるのは、またさらに先のお話・・・