呂律と頭が回らない大将 10-6
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ご飯を取ってから席を探す一行。
大将「よいしょ。良かった、空いてて。しかし・・・おいお前ら!避けるな避けるな!なぜそうビビる!?」
ダンガン「そりゃ司令官だからね~。」
ワルド「しかも俺らはただの幹部じゃないしな・・・」
ジョフケ「はいそこ~残念でした~捕まったね~。家族と姉妹ご案内~。」
家族「え・・・」
姉妹「あ、えっと・・・」
アリー「心配しなくていいからね、別に怖い事しないから。この人たちは最高幹部だけど、そんなに偉くないから。(・∀・)」
幹部5人「「「え?」」」
一見矛盾している言葉
コター「・・・・・・それは否定しないが・・・司令官がこの通りだからなぁ」
大将「は?」
ダンガン「ふっふっふ、そうだねえ。司令官がこうだと俺も気が抜ける。」
大将「はえ?」
ジョフケ「司令官四天王なんて言われるけど、自覚ないな・・・」
大将「本当は蜂団だけどね。6人いるんだが・・・まあもう一人はこれから来るけどね。」
ワルド「相変わらずのネーミングセンスだな。まあ四天王でもいいけど、もっと強いのが2人いるからな~。」
アリー「というわけで一緒に食べよう?まだ来て日が浅いから緊張してるだろうけど・・・安心して?あ、ほら、先輩たちも誘おう。おーい、そこの隊員3人、ちょっと来てくれ~」
たまたま付近にいた3人グループに声をかける
3人「「「え?」」」
隊員1「あ、はい~」
隊員2「ありゃまた捕まったな~?」
隊員3「助けてやるか。」
家族「あ・・・えっと・・・すみません・・・」
大将「はい気にしなーい。では、失礼しま~す。」
幹部6人と隊員3人が座る。
隊員1「新入隊員たちと一緒にメシを食うって事は・・・またあれやるんすか?」
コター「さあな。(´д`)」
大将「何だよ恒例行事みたいに言いやがって。(・д・)」
隊員2 ヒソヒソ…「ってことはあれ持ってんのかね・・・」
隊員3 ヒソヒソ…「あるだろうなぁ」
ダンガン(またあれか~毎度飽きないねえ)
大将「さて諸君、ご飯はおいしいかね?」
なんかキメ顔をする大将
家族「はい!もうおかげさまでみんな元気です!なんとお礼を言えばいいのか…ありがとうございます!」
大将「ほうほう、良かった。そっちの姉妹は?」
姉「はい・・・妹もこんなに元気になって・・・お母さんにも早く食べさせてあげたいな・・・」
大将「ん?君たちのお母さんは治療室か?」
姉「はい・・・私たちを食べさせるために沢山お仕事をして、その過労だと・・・聞きました・・・。」
大将「・・・仕事・・・か。」
隊員1「嫌な事を聞くが・・・お父さんはまさか・・・」
姉「・・・ずっと前にテロに巻き込まれて・・・」
隊員1「そうか・・・すまないな・・・」
姉「いえ・・・」
隊員2 ヒソヒソ…「なあ、ただの過労で治療室に行くか?十分でなくとも前の難民キャンプで休めたはずだ・・・まさか・・・」
隊員3ヒソヒソ…「あー・・・あれか・・・嫌な話だ。」
隊員1ヒソヒソ…「体を使って働いたんだな・・・文字通り・・・。貧しいと仕方なくそれに手を出す女性は多い・・・俺たちも覚えがあるだろ・・・?」
隊員2・3「・・・。」
大将(過労で治療室にずっといるもんか・・・うちの医療技術なら1時間もありゃ治る。それでも治療中ってのは・・・女性にホント多いな、この病気は。治療はカウンセリングも入る。なるほど、時間がかかるわけだ。ただでさえ貧しいのに父親がいない・・・そりゃそうか・・・。よく頑張ったな、安心しろ、“あなた方”の娘さんは元気にご飯食べてるよ。)
アリー(・・・あれか・・・ここより前のテロ組織にいた連中ならすぐに分かる病気だな・・・クソ!だから戦争は嫌なんだ。って、俺が言ってもしょうがねえ。偽善だな。)
大将「うちが治療してんだ。すぐ元気になるさ、安心しな。ちなみにさっきから姉妹とも表情が暗いが、恐らく母親の事だろう。いいか?笑う門には福来たるって言葉がある。お前らが元気に過ごす事が、君らの母親に効く一番の薬だ。君ら自身が最強の薬なんだ。君らにしか出来ん。俺らが出来る治療は体のケアだ。心は難しい。だから無理にとは言わん、元気に過ごせ?そしてその元気な姿をお母さんに見せな?いいか?」
姉「・・・!はい!」
姉の方が笑顔になる。
それからしばらくして、妹の方も元気にご飯を食べていた。とっても楽しい食事でした。うん、めでたしめでたし。・・・あれ?なんか忘れてる。
大将「あれ、なんか忘れてる。」
コター「ホントだな。」
ジョフケ「もういいだろ・・・」
隊員2「不発だな」
隊員3「不発だね」
家族の父「その・・・何かあるんですか?」
アリー「えーっとね・・・」
大将「いや、新入隊員へのイタズラなんだ。俺が冗談で、そのご飯が人生最後のご飯だ、ふっふっふ・・・とか、そのご飯には薬が入ってるって言うんだけど・・・」
家族・姉妹「「「え?」」」
ダンガン「そんで、そこを俺がこのピコピコハンマーで叩く。」ピッ
ピコピコハンマーで大将を叩く
大将「いて。ちょっと、俺まだボケてない。」
家族「えー・・・」
姉妹「えーっと・・・」
アリー「うん、気にしないで。こうやって不発する事も多いから。」
家族・姉妹「「「はぁ・・・」」」
ちょっと訳が分からない皆さん
と、いうことで今回は失敗。次は成功例です。
大将「どうだい、元気か~?」
新入隊員1「はい!もう最高です!生活が一変しました!」
新入隊員2「俺、頑張って働きます!」
大将「そうかそうか、ふっふっふ・・・呑気だなぁ」
2人「え・・・?」
大将「それが最後のご飯とも知らず・・・」
2人「え・・・」
2人の顔が引きつる
大将「ふっふっふ・・・しかもその飯には怪しい薬入りだ・・・飲んだら一生言いなりだ・・・」
醜悪な笑みを浮かべて言う
2人「え・・・え・・・?え?」
2人は混乱している。
コター「はい、そこまで」ピッ
大将「いでっ」
大将をピコピコハンマーで叩くコター
その後、混乱する2人にネタばらしして終了。因みにこの一部始終を見ていた彼らの先輩は、
隊員たち(ドンマイ・・・)
と、思われる。この体験はごく一部の隊員しか経験しない。理由は不発が多いこと。そして、色々あって安心した所でこのジョーク。本気でぶるぶる震え出す隊員もいるため、大将も相手を選ぶ。因みにこれを経験した隊員は、しばし運が良い当たり人みたいな感じでチヤホヤされるらしい。
これについて大将本人は、“俺は珍獣か!?”と思ってるらしい。そう、珍しいものに会った人がちょっと人気になる感じだ。