始まりの、終わりの 12-18
これはpixivにも投稿しています。
ウォッカ3「それからまーた作ったんだよなぁ映画。今度は陸海空全てが舞台でな、アメリカの色んな戦闘機が出て凄かったなぁ。しかもそれはあの“アフガンの悪魔”の続編、前作で活躍した兵士も出て大人気さ。今度は米軍が全面協力、陸海空の兵器が出やがった、空母も原潜もさ。ホワイトハウスは相当キレてたらしいな、先日の襲撃事件で。今度はシリア上空で暴れまわる敵機の撃退。敵機のモチーフは我々ロシアの戦闘機、ロシアが秘密裏に提供してる設定だったな。まああながち間違っちゃいないが…。とんでもねえドンパチ映画だった。あれも面白かったなぁ。ただ…例の如くモチーフが悪い」
35C1「…悪かったよ映画でだけ強くて」
サテライト1「懲りないよなぁホントに」
ウォッカ3「あの映画は武力に屈しまいとする映画会社の、表現の自由を守るための戦いだったと言える。実際評判になってなぁ。圧力に屈しなかったとしてあの会社は凄い称賛されたな。」
35C1「現場の兵士からは大ブーイングだったがな…俺も思ったよ、終わったって」
ソルジャー2「あの時、実は復讐しようとは思ってなかったんだ。いわばゲームよ。どこまで耐えられるかな~って」
35C1「は?あの時点でもう耐えられんわ、くだらん愛国心でこっちは酷い目に遭った。インペリアル・ファイター(皇帝の戦闘機)が出てきてみんなやられた。おまけにアフガンの悪魔まで現れやがった。航空機はみんなペイント弾まみれ。戦車もペイント弾まみれにされ鹵獲された。それに加えて最悪な出来事が起きた。なんだよ空母などの艦艇の鹵獲って、聞いた事ねえぞ。お前ら一体何人いるんだよ…」
ソルジャー2「そりゃあ沢山さ」
サテライト1「世界中から集まったからな、軽く…あの時は5万くらいかな、幹部だけで」
35C1「うっわ…めっちゃいるな…今はもっといるんだろ?ってか幹部多いな!?」
ソルジャー2「あーら言っちゃった」
サテライト1「そりゃ今の方が多いさ。それに、FFを構成する隊員のほとんどが世界中から集められた隊員だ。現地採用じゃないぞ?設立の時点で有志で集まった隊員さ、それが幹部。なぜ幹部かというとこれも司令官の意向でな。みんな重要人物だから幹部って訳さ。ただし現地で回収したのち隊員になった人物に関しては普通の隊員だ。まあこれには理由があるんだが…説明が長いんで省略する。あ!別に大事じゃないわけじゃないぞ?」
35C1「そうなのか…凄いな。なるほど、合点がいった。だからあんな大群で来たわけだ。沿岸にいた艦隊はみんな制圧、陸では基地が襲撃され占領、空はボッコボコにされてみんな撤退。エンジンがやられたんで近場の基地に降りたらそこはもう占領済み。最新鋭機も新型の空母も戦車もみーんなお前らの手の中。あの後とんでもない額の身代金を要求されたな。俺はよく覚えてるぜ?発艦したら返り討ちに遭って近場の基地に着陸、機体を降りたら拘束された。人生であれほど悔しい思いをした事はない。しかもお前らはロシアを盾に返還を拒否、最悪だ。結局うちの政府は莫大な金を払った。全部で何億ドルだっけ?」
サテライト1「ああ、よく覚えてるよ。中国に全部売り渡すって言ったら滅茶苦茶ビビってたな。色々脅した結果、なんと3000億ドルも貰えたな。あんときは興奮したねえ、あんまり悔しいもんだから連中、核を落とすって言ってきやがってなぁ。やってみろって言ってやったよ。」
35C1「おかげでこっちはしばらく動けなかったよ。軍事費が一時的に減らされて、海外にいた兵士は一部が一時帰国、国内での活動も制限、最悪だよ。どれだけ国民にバカにされたか…穀潰しだの税金食らいだの、浪費家だの、見た目だけの中身無しとか…後はあれ、兵器の性能はトップでも中の人間は最弱って言われたな、あれはショックだった…今まで軍人と言えば憧れで、軍服を着ていれば尊敬されていた。よく式典なんかサプライズで子持ちの軍人が登場すれば感動ものだ。なのに…あの時は誰も軍人であることを公表しなかった。恥ずかしく誰も言えなかったなんだ。俺の友人も、子供に軍人であることを秘密にするよう言われたらしい。ある軍人の子供なんて、親が軍人なせいで学校でいじめられたらしい。ほんと、最悪だったよ。」
ウォッカ1「アメリカは一気に借金が増えて大変だったらしいな。株も経済も大打撃、なにせ単なるテロリストに完敗したんだからな。あの一件でFFは世界最強の称号を手に入れた。希望の映画のはずが、とんでもない事件の引き金を引いてしまった。誰もが映画会社を責めるかと思いきや…誰も責めなかった。」
35C1「そりゃそうだ。あの事件後、各国の報道機関に声明文が送られてきたからな。“この一件で他人を責めることは許さん。この事件は、キサマらのマヌケな愛国心が招いたものだ。他者を貶める事でしか誇りを持てない馬鹿共には良い薬だ。他人を理解しようとせずただ責める、自分を棚に上げてな。反省しろ、なぜこうなったか。この世界のルール、風潮を恨むがいい。そして、いつも一番被害を被るのは軍人だ。誰よりも平和を愛し戦争を嫌う、前線で戦う駒たちだ。名も、声も、顔も知らない彼らが、今もこうしてキサマらのせいで苦しんでいる事を忘れるな。お前らがあるのは、お前らを人知れず守ってくれている彼ら軍人だ。プロパガンダに使用するのではなく、心から敬愛し大事にせよ。さすればこんな事は二度と起こらん。今までの行動をよく思い出し、自分を責めろ。”ってな。あれには感動したよ、敵ながら尊敬したなぁ。」
ウォッカ1「あれ以降も似たような映画は作られた。ただ、冒頭でFFをモチーフにはしていないっていう文言があったな。それでもまあ、君らをモチーフにしたような映画はいくつかあるけどね…どれも敵がそこまで強くない事、それから君らが声明で“くだらん映画のせいで戦うのが馬鹿馬鹿しい”って言って映画で煽られても報復しなかったせいかね。」
35C1「あの事件後、削減されたはずの軍事費が一気に増えた。そのおかげか今じゃあの有り様よ。これで、あんたらFFには追い付いたかなって思うよ」
ソルジャー2「まあそれもあるが…んー…」
ウォッカ1「ん?どうした?」
ソルジャー2「いや、何でもない。確かによくよく考えれば、レールガン戦艦が来てから苦戦したなぁと思って」
35C1「お、やっぱ苦戦したか」
ソルジャー2「今んとこ誰も死んでねえのが幸いだね」
35C1「まあ砲弾もそこまで高威力なものを使ってないらしいし」
ソルジャー2「なるほど、手加減してたのか。良かった良かった」
35C1「手加減…なんかね…?」
サテライト1「レールガン戦艦が来てからか…どうしようかな…」
ソルジャー2「ん?どうした?」
サテライト1「いや、これを言っても良いか分からんが…実は、あの事件後NATOと秘密裏に契約してな」
ソルジャー2「!」
35C1「は?何を?」
ソルジャー2「…おい、それホントに言っても良いのか?」
サテライト1「リスクはある、だが…なんか申し訳なくてな。それに、本部から許可は取った。さすがに俺だけの手には負えないんでな。司令官も言ってやがったよ、“政治のせいで兵士が苦しむのは気に食わん。だが、俺らでさえその政治に負けたんだ”ってな」
35C1「…おい、何のことだ?」
ウォッカ1(…まさか…あれの事か?俺らも詳しい事は知らんから気になる。俺らがいることでFFとNATO、双方が戦いやすくなる。どっちかが鹵獲されたり捕虜になっても、ロシアが介入することですみやかに返還する。身代金なども無し。あの事件からだ、在シリア米軍返り討ち事件。俺たちはあれ以降にこの任務に就いた。これで謎が解ける。)




