始まりの、終わりの 小話5-4
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コター「いい加減に…せんかあああ!!!!」
アルメガ「!?」
ドゴッ
大将「ぐえ!?」ドゴン!
コターが横から大将を吹っ飛ばす。その勢いで大将は正面から壁に叩きつけられた。よくアニメや漫画で見る、壁に正面からめり込むあれである。いや、大将はめり込んでないけど。
「「「!?」」」
何が起こったのか分からず、茫然とする子供たち
それから舞台袖やそこにつながる下の扉から先生たちがぞろぞろと飛び出してきた。子供たちが、“ぜんぜええ!!ごわがっだよおお!!!”と飛びつく。先生たちは、“よしよし、怖かったね~”や、“よく頑張ったね~”と、生徒たちを労っていた。んで、肝心のぶっ飛ばされた大将はと言うと…
コター「やり過ぎだバカタレ!」
アリー「いくらなんでも酷いです!いつもやりすぎです!」
隊員1「司令官…さすがにあれは…」
隊員2「あなた心の底から楽しんでましたよね!?」
と、みんなからお説教を食らっていた。正座してましたよそりゃ当たり前ですよ。ザマァみやがれ。
それからしばらくして…
大将「えーまあ色々あったけど、これで分かってもらえたかな?薬物は危険だって。」
コター「危険なのは薬物常習者よりお前だよアホ」
大将「ぐえ…サーセン」
大将「えーとまあ…あれだ。最後にまたスライドを見てもらう。なあに、今度はそんな怖くないさ。え?信用出来ない?保証するよ、怖かったらここにいるコターさんに殴られてやる(´Д`)」
コター「ほー、言ったな?( ゜Д゜)」
大将「言ったさ。男にも二言はあるけど…」
コター「男じゃなくてお前だけな?」
大将「ぐえ…」
大将「えーまあいいや、とりあえずこれ見て。これは薬物中毒者が起こした事故の画像です。この通り車も街頭もしっちゃかめっちゃかです。道路に注目して欲しいが、ブレーキ痕もありません。幸い運転した本人は怪我はしたものの無事。飲酒運転もそうですが、運転手はこの時の記憶がありません。だから気づかずに人を殺してしまうこともあります。それを知らされた時、轢いたやつは悲しむでしょう。人を殺したから、というのもありますが、実際にやってしまった奴の話を聞くと…それだけじゃありませんでした。轢いた時の記憶がないので、被害者の顔を覚えてないことです。」
「「「…!」」」
大将「被害者の最期の瞬間も覚えてあげられなかった。被害者の最期の顔さえ覚えてなかった。それがかなり悔しかったようです。自分は気づいたら病院。何があったのか聞いたら人を轢いてしまった。その時の加害者の気持ちは想像を絶します。」
「「「…」」」
大将「いいですか?最後に大事なことを言います。よく聞いて下さい?薬物乱用者が誰かに危害を加えてしまったら、その人は加害者です。でも、だからって責めていいとは限りません。なぜだか分かりますか?」
「「「…」」」
「分からない…」
「なんでだろ…」
大将「加害者も、被害者だからです」
「「「!」」」
「え?なんで…」
大将「その人は…誰かを傷つけたくて薬物を使ったのではありません。自分が興味本位でやったか、あるいは何か疲れてしまったから使ってしまった。芸能人に多いのは感性を鋭くして、演技力や作曲力を上げることです。もちろん一時の疲れを忘れるためにも…。薬物は悪いイメージがありますが、必ずしも使ってる人全てが悪いとは限りません。彼らも、人を傷つけたくはありません。しかし、薬物を使ったらたまたま人を傷つけてしまった。または殺してしまった。しょうがない、という言葉で片づけるのは非常に悪いですが、自分をコントロールが出来なかった。世間では薬物乱用者を貶める報道をしますが、それは良くありません。批判するだけでなんの解決策にもなっていないからです。」
「「「…」」」
大将「使うのには理由がある。でも、代わりのものはあります。それを紹介するのも、相談センターの仕事です。薬物よりはマシなものです。ちゃんと医薬品として認可されてるので、問題ありません。だから、自分との約束です。たとえ薬物を使ってしまった人がいても、軽蔑しないこと。もし周囲に使いそうな人がいたら、止めること。一人で無理ならみんなで。もちろん、相談センターに言ってもかまいません。批判するだけなく、なぜそうなったのか、経緯を調べることが大事です。そしてそれを反面教師に自分に活かす。そんな事が出来る人間になって下さい。他者を見下すより、まず自分です。いいですか?」
「はい!」
「「「はーい!!!」」」
「はい!」
大将「ウム、いい返事です。ごめんね、さっきは怖がらせて。あれも演技のうちだからさ。」
コター「嘘つけ」
大将「えぇ…」
アリー「いや絶対嘘でしょ…みんな、怖かったよね?」
「「「怖かった~!!!」」」
アリー「だって、コターさん」
コター「うむ」ゴンッ
大将「いで!?なんで!?」
コター「だって怖いって」
大将「スライドが怖かったらね、って言ったじゃん!?」
アリー「怖いもんは怖いよね~?」
「「「うん!こわーい!」」」
大将「えぇ…せっかくいい話したのに…かっこよく決まったのに…」
コター「お前にカッコイイは似合わんよ」
大将「えぇ…そんなぁ…」
アリー「アッハッハッハ」
そんなこんなで授業はほんとに終了。この講習は中学高校まで行われており、そうなるともちろん例の鬼ごっこで対抗しようとする者がいる。しかし相手は大将。どんな相手でもひっくり返されて終わりです。もちろん、この授業法には賛否両論です。大将が独自に編み出したものであり、そこに明確な根拠はありません。世界でも話題になりましたが大将は、“これで薬物乱用が減ればいい。そのためには手段を選ばん。いくらでも悪魔だのなんだのと呼べばいいさ”とのこと。確かに、大将がこれをやってから若者の薬物乱用は減りました。相談センターの規模も大きくしこれを沢山宣伝した事もあり、相談件数は順調に増加。それに反比例して、若者の犯罪は少しずつ減少していきました。大将は社会人にも多くの講習をし、戦場で手に銃を持つことから、教鞭を執るようになりました。
薬物乱用者に対する態度も寛容で、メディアに本人の顔や住所などの個人情報の報道を禁止。その家族に対する取材も禁止しました。乱用者に対しての更生も積極的に行い、早期の社会復帰を助けました。彼はただ大雑把に何があったかの報道を許し、細かい個人の事は詮索しないようメディアにさせました。ただこれも時と場合によるので、絶対ではありません。
……しかしそれでも兵士は銃を持つことを選んだ。




