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始まりの、終わりの 小話4-5

大将「オメーもいつまでも反抗してねえで、少しは自分の目で確かめたらどうだ。洗脳かはそれから判断すればいいだろ。お前の精神力なら、洗脳かは分かるはずだ。それに…キサマは単なるクソガキじゃねえようだしな。ほれ、後ろを見ろ」


アフマド「ん…?」


後ろを見るアフマド、そこには心配そうに見る彼を慕う子供たちがいた


アフマド「…」


大将「俺はみんなの、ここの大将だ。だが、あいつらの大将はお前だ、違うか?」


アフマド「…!」


大将「仲間と自分が信じるものが大事なのは分かる。だがそれで見るべきものを見ず、見落として仲間を危険に晒すのは嫌だろ?お前はあいつらが大事だろ?」


アフマド「あぁ…!」


大将「ウム、小さいが力強い返事だ。大将ならば、ドンと構えろ。ここから先は通さんくらいの勢いで仲間を守れ。それでいて賢くなれ。別に勉強が出来るようになれって訳じゃねえ。まあもちろん、学力は必要だ。だが、リーダーに求められるのはそれだけじゃねえ。何か分かるか?」


アフマド「…強さか?アンタみてぇに」


大将「それもある。だが違う。俺を見てみろ?俺は他の幹部よりポンコツだし、仕事はしねえ。学力もそんな良い方じゃねえ。でもここの司令官だ。もうなんとなく分かるよな?」


アフマド「カリスマ…ってやつか…?大人たちが言ってた。あんたはカリスマがあるって…俺には何のことかさっぱり分かんなかったが、今なら分かる気がする…」


大将「そうだ、カリスマだ。人を引き付ける力だ。どうやら俺にはその力があるらしい。お前も多少その力がある。だからあれほどの事をしても仲間が庇ってくれたんだ。いいか?仲間を大事にしろ。そして泣かすな、悲しませるな。プレッシャーに耐えられなくなったら、俺や他の大人たちに相談しろ。カリスマってのは、一歩間違えば洗脳に繋がる。洗脳されたやつは容易に解けないし、操り人形だ。自分のやってる事の自覚もないまま、犯罪に手を染める。だから注意しろ?この力は正しく…いや、ちゃんと使えば有用だ。戦場では周りの士気を高められる。だが…少しでも使い方を誤れば…その先は悲劇だ。影響を与えた奴の人生や精神を狂わす。分かったか?」


アフマド「ああ!」


大将「ウム、いい返事だ。年、いくつだっけ?」


アフマド「確か14だ」


大将「そうか、その年の割にはしっかりしてる。俺が14の時は、まだ親のすねをガッツリかじってたクソガキだった。何も自分で決められず、誰かについて回る事しかできない出来損ないだった。だがお前は違う。こんなクソみてえな環境だからこそオメーみてえなしっかり者ができる。ある意味こういう場所は必要なのかもしれん。厳しい環境だからこそ、身につくものがある。その点ではお前は他のどの同年代のガキよりよっぽどマシだ。」


アフマド「…!」


褒められて少し恥ずかしいアフマド


大将「ちゃんとした環境にいれば、お前みたいに腐る事はなかっただろう。だが、とことん腐ってなかった事は幸いだ。未来を担う子供はどんどん犠牲になってく。子供は…死ぬか飢えるか武装組織だ。ここにもそれ寸前の連中がごまんといる。お前みたいに武装組織にいた奴だっている。珍しい事じゃないさ…。」


アフマド「…」


うつむくアフマド


大将「頑張れよ、大将。お前はこんなとこで終わる奴じゃない。しっかり生きろ、いいな?」


アフマド「ああ!」


大将「よし、もうオーケーだ。他になんか言いたいことはあるか?俺は忙しい、今のうちに言っとけ。」


アリー「忙しい?よくサボるくせに…(´Д`)」


すかさず突っ込むアリー


大将「やかましい( ゜Д゜)」


アフマド「ふ、ふふふ…」


少し笑うアフマド


大将「お、いい笑顔じゃねえか。笑えばそんな怖くねえな」


アフマド「え?怖かったのか?俺の顔が?あんたが?」


驚くアフマド


大将「んまあ怖いというより、あんま関わりたくねえなぁって思ってた。」


アフマド「えー…いいのかそれで…」


大将「いいんだよ。それでも何とか司令官やってるし」


アフマド「ははは、そうか…あ、そういや」


大将「ん?」


アフマド「その…傷は…大丈夫か…?えーっと…ごめん…なさい…」


大将「あ?これか?へーきだって。鉄砲玉の方がよっぽどいてえわ。何発も食らってきたんだ。これくらい平気さ」


アフマド「そうか…良かった…あ、でも…」


大将「ん?まだあんのか」


アフマド「だってこんな事して…罰とかは…」


大将「んー」


アフマドを慕う子供たちを見る大将


大将「いや、いいや。」


アフマド「え?」


大将「ナシだ(´▽`)」


アフマド「えええ!?なんで…」


大将「俺がいいって言ったらいいの!分かった?これでも司令官だからな。な!アリー!」


アリー「まあそうだね。大将がいいって言ったらいいのさ。本当にマズイ事案だったらストップするけどね」


アフマド「これも十分マズイ事案だと思うが…」


アリー「あ?そんなマズイか?たかが刺された程度で」


大将「おー言うねえ、言うようになったねえアリー!」


アリー「そりゃあ、蜂の巣にされても死なないんだから言いますよ。俺は何度あなたの不死身っぷりを見てきたと思ってるんです~?」


大将「ふ、それもそうか」


アリー「と、言うわけで、君も気にしない!分かった?」


アフマド「あ、うん」


アリー「さ、君も行っておいで。あの大将に立ち向かったんだ。少しは(ねぎら)ってあげな?」


「…!うん!」


顔を一気に明るくしてアフマドの元に走っていく子供


アリー「さ、大将はこっちに。傷も治さないと」


大将「あいよ~」



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