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始まりの、終わりの 小話4-3

これはpixivにも投稿しています

しかしその様子を見ていたアリーは


アリー(そんな簡単に変われるか。俺だって長い時間かかったんだ。ましてや子供、大人よりタチが悪い。大将も気づいてるはず。)


大将「んで、立てるかい?」


すっかり警戒を“解いている様子”の大将


アフマド「はは…ちょっとまだ無理だ…」


大将「あーら」


アフマドが片膝をつく。片手で腹を抑える


大将「ま、ゆっくりでいいさ。」


“優しく”促す大将


その次の瞬間、アフマドが急に立ち、ナイフを大将に突き出す


アフマド「ふっ」


大将「およ?」


アフマド「とりゃ!」


ブス…ナイフを大将の腹に刺す


「「「…!」」」


周りが一瞬で凍り付く


アリー「おお?」


やはり、と思いながらも意外な展開に少し驚くアリー


アフマド「くくく…かかったなバカめ!だーれがテメーの考えに納得するかよ!」


ナイフを握る手にさらに力をこめる。やっとの機会にアフマドはとても興奮している。が、しかし


大将「まあそうだろうな。しかしほんとにやるとは…子供は恐ろしい。」


アフマド「!?」


ナイフは一応大将の腹に刺さったものの、傷はとて浅く、いくら力をこめてもあまり入らない。


「お前!」


アリー「待て」


アフマドを捕まえようとする隊員をアリーが止める


「なぜ止めるんです!?」


アリー「あんな攻撃大将に効くかよ」


「でも…」


アリー「いいから引っ込んでな。出しゃばる方が邪魔だ。あんな事、大将はとっくのとうに織り込み済みだ。」


「はい…」


不満そうにしながらも止まる隊員


アフマド「ぐ…クソ!なぜ効かん!うおおおお!」


何度も刺突するアフマド、しかし大将は表情一つ変えずに見る


アフマド「はぁ…はぁ…クソ…!なぜだ…!」


何度か刺したところでついに疲れるアフマド


大将「だーかーらー、そんなもんでどうにかなる訳ねえだろ?何度死線をく、くぐったと思ってんだ。」


アフマド「なんだと…!」


大将「はぁ…あんまこんな事はしたくねんだがな…証拠を見せてやろう」


アフマド「…は?」


おもむろに穴だらけのシャツを脱ぐ大将


アリー「おや?珍しい」


大将「よいしょっと」


「「「…」」」


シャツを脱いだその姿を見て、周りはさらに凍り付いた。腕や脚もそれなりに酷かったが、上半身にはおびただしい数の傷跡があった。ナイフによる傷より、古傷の方が目立っていた。大将は滅多に他の隊員と風呂に入らないし、その軍服の下の姿をみんな以外と知らない。たとえみんなと入浴しても、全身をタオルで覆ってる。イメージは、小学校や中学校のプールの時にボタン付きのバスタオルを羽織るだろう。そのイメージだ。大将はボタン付きの大きなバスタオルをいつも使う。もちろん、周りからは不思議がられている。彼の全身の傷を知っているのは、外国人幹部と現地幹部だけだ。


アフマド「あ…」


アフマドは絶句している


大将「ほんとは顔もそのまんまが良かったんだが…周りが、顔の傷くらい消せって言ってな。傷は無いに越したことはないが、傷の多さはくぐった戦場の数、食らった攻撃の数を示す。それは戦士には何よりの誇りだ。自分だけの勲章だ。ほんとは…顔を包帯で覆って、誰にも顔を見せたくないんだ。でも、それじゃあ司令官は務まらんって言われてな。ふざけた話だ。」


アリー「…」


大将「さて、キサマはここの司令官たる俺に、ナイフで傷をつけた。この意味が分かるな?ふんっ!」


アフマド「あ…」


絶句して動けないアフマドからナイフを奪う大将


大将「組織において上の存在は大事だ。もし位が下の者が上の者に逆らえば、そいつや、場合によっちゃあそいつの上司まで罰せられる。それが世界中の組織というものだ。」


アフマド「あ…あ…」


大将の強さをやっと認識しておとなしくなったアフマドだが、これから起こるかもしれない事に対して恐怖している。もうその目に殺意はなく、ただ恐怖があった。


スタタタタ…


「ごめんなさい!」


そばに走ってきた子供


大将「ん?」


さっきまでアフマドを止めていた子供だ


「ごめんなさい!ほんとは良いやつなんです!前の組織に居たときもよく僕たちの面倒を見てくれて…少年隊のリーダーだったんです!確かに、ちょっと人の話を聞かないところはあるし、乱暴だけど…でも!ほんとは凄くいいやつなんです!とんでもない事しちゃったけど、許して下さい!お願いします!」


泣いて懇願する子供


「そうです!お願いします!」

「お願いします!」


さきほどのやり取りを後ろで見ていた他の子どもたちも懇願する。彼らもアフマドと一緒の組織にいた


アフマド「お前ら…」


大将「ほう」


その様子を見る大将


アリー「はぁ…ちょっと行ってくるか」


アリーが、泣く子供のところに行く


アリー「はい、ちょっとごめんね~」


「あ…」


子供を担ぐアリー


「待ってください!アフマドが…!」


アリー「あーいいから見てなって。」


「でも…」


アリー「いいから」


「っ…」


少し強く言われて黙る子供


アリー「邪魔したね大将」


大将「いや、スマン」


アリー「さーてみんな!これから起こる事をよーく見てろよ!決して目をそむくな!」


大声で言うアリー


大将「ふむ…さて、もう覚悟はいいか?」


アフマド「あ…」


ナイフを振りかざす大将、これは投げナイフの構えだ。


「ああ…そんな…」

「やめて!」


子供たちが騒ぐ


「おい嘘だろ…まだ子供だぜ大将」

「だが、あいつはもう14歳、子供ではあるが、大人に近い。大将に刃を向ける意味が分かってるはずだ。でも大将まさか…まさか殺さないよな…?」

「いやどうだろう。俺らでもレベル2の治療を受けられるんだ。もしかしたら…」

「まさか…嘘だろ…?」


アフマド「あ…ああ…」


死ぬ、そんな事が頭をよぎった。覚悟していたはずなのに、体が震える。心から怯えた表情をする。


大将「ふんっ!」


ナイフを投げる大将


「「「!!!」」」


その瞬間、みんな目をつぶった。


グサッ 勢いよく刺さるナイフ、みんな最悪の事態を想像した。しかし、アリーを含めた幹部は目を逸らさず、しっかり見ていた。その瞬間を…


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