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貴方様と私の計略  作者: 羽柴玲
出会いそして約束
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辺境伯様とのお出かけ②

シュトラウス様はあれですわ!

絶対!人誑しなんですわ!!



私は、シュトラウス様と王都近くの林へ来ています。

この先に、綺麗な泉があるんだ。と、シュトラウス様は、連れてきてくださいました。


「わぁ・・・綺麗。これは、なんの花なのでしょう。香りかしたら、カモミールかしら?」


「私には、花の種類はわかりませんが、気に入っていただけたならよかったです」


シュトラウス様は、そうおっしゃると木陰の大きめの石へと腰掛けられます。

何かしら。何気ないことが、ことごとくかっこよく見えてしまうわ。

シュトラウス様が手招きされます。そして、ご自身の隣へ座ることを促されます。

さりげなく、ハンカチーフを敷いてくれるあたり、スマートです。


「今の時間は、ここからの眺めが一番綺麗らしいですよ」


ほら。と、シュトラウス様は、湖畔を眺めるよう促されます。

私は、それにならい湖畔へと目を向け、言葉を失いました。

だって、湖畔へ木漏れ日が反射し、キラキラと輝いて見えます。

湖畔側の花々も木々も、キラキラと輝いているよう。


「私、こんな景色見たことないですわ・・・」


シュトラウス様は、そんな私を満足そうに見つめられ、ご自身も湖畔を眺められます。


「実は、ここはカミラ殿下に教えていただいたのです」


シュトラウス様は、ここを王弟殿下にお教えいただいたのだそうです。

ご自身は、普段は領地にこもっているから、王都や王都周辺は詳しくないのです。とおっしゃいました。


それにしても、王弟殿下は何故、ここをご存知なのかしら?


そう思ったところ、となりのシュトラウス様からくすりと笑い声が聞こえた気がします。

私は、シュトラウス様を振り仰ぎました。でも、シュトラウス様が笑った様には見えません。


「カミラ殿下は、ああ見えてお忍びで城を抜け出す事が多いのですよ。王位継承権もそこまで高くないのだから、自由にしたい。そう、おっしゃっていました」


シュトラウス様のお言葉に、私は意味がわかりませんでした。


何故、私の考えがおわかりになりましたの?心でも読めるのかしら?


そう、考えたところで、隣か『あはは』と聞こえてきました。とても楽しそうな笑い声。

私は、訝しげにシュトラウス様を見上げます。何がそんなに面白いのですか。


一通り笑い終わったのか、満足したのかはわかりませんが、シュトラウス様が笑うのをやめられました。


「はぁ。久々に腹から笑ったな」


そんなことをおっしゃりながら、目元を拭ってらっしゃいます。

涙が出るほど笑ってらっしゃいましたの?!


「テイラー嬢は、何故私が君の考えや疑問に答えられるか不思議なのですよね?」


その問いに私は、しっかりと頷きます。多少はしたないとか気にしていられませんわ。


「そうだね。君は、割と思ったことを口に乗せている事が多いかな。あと、とても表情に出ている」


その言葉に、ぱっと両頬を抑えてうつむいてしまいました。


「私、そんなにブツブツ言っていますか?表情に出ていますか?私の表情筋死んでると言われていますのに」


「表情については、最初の頃はわからなかったかな。何を考えているかとか思っているかとかわからなかったから、わりと会話に苦労していた」


ハッとして、私は顔を上げました。

でも、シュトラウス様は、優しく微笑まれていて、私は恥ずかしくてまた、俯いてしまいます。


「でも、慣れてくるとテイラー嬢は、表情がないのではなく、大きく動かないだけなのだとわかった。注意深く見ていれば、感情が表情に見え隠れしているんだ」


シュトラウス様は、くすりと笑われ、話を進められます。


「あと、テイラー嬢が口に乗せてくれるから、私にもわかると言うわけだ。でも、考えを口に乗せてしまうのは、今日初めて見た気がするな。少しは、私に気を許してくれているからなら嬉しい」


そうおっしゃると口を閉じられました。


絶対私、今顔が真っ赤になってますわね。

シュトラウス様に表情が読まれていた事にも驚きましたけれども、自分が無意識にシュトラウス様を信頼していた事にも驚きました。

今までこんな短時間で、私の表情を伺う事ができる方なんていませんでした。

私がこんな短時間で、人を信用する事なんでありませんでした。

多分、これからもきっとそう。

そして、シュトラウス様は、あれなのですわ。


人誑し。絶対そうに決まっています。

だって…だって、私まだ認めたくありませんもの…

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