第6話 トリ野郎浮上
タイトルからしてめっちゃパクってんだろバーカとかいうそんな貴方には今夜レクイエムに倒されてもらいます、覚悟の準備をしておいてください!
ちかいうちに訴えます。
裁判も起こします。
裁判所にも問答無用できてもらいます。
慰謝料の準備もしておいて下さい!
貴方は犯罪者です!
刑務所にぶち込まれる楽しみにしておいて下さい!
いいですね!
……前書きってなんなんだろう(哲学)
前回のあらすじ
トリ野郎が襲撃してくる……前にトイレから出られなくなった
あれからおよそ30分。件のトリ野郎とやらは影も形もない、もしかしてアホ岡くんは相当人望が無かったのだろうか。学生時代にはそこまでぼっちって感じではなかったとは思うけども……。
さらに1時間ほど経過したが、来る気配がまるでない。しかしながらアホ岡くんはスマホのロックをかけずに倒れたためスマホをいじり放題である、人のパケットを使っていじるスマホのなんと楽しいことか。アホ岡が泡を吹いて倒れてる画像を撮ってSNSに上げたり、例のトリ野郎とやらのLI○Eにスタ連をしてやったり、遊びの幅は無限大である。
「ばっかじゃないの!」
部屋の外からアニメキャラの声が流れた。さっきトリ野郎とやらに送ったスタンプだ……まさか、既に奴はここへ来ているのか?
なに呑気にSNS見てんだよマジでばっかじゃないの?笑笑……あっ俺もか、という心の声を奥底にしまい、外へ飛び出した。ちらっと右端の通路の曲がり角を曲がる人影が見えた。ヤツは俺がガキであることを知ってか知らぬか、ノロノロ歩いてやがった。
「馬鹿にしやがって、クソみてーな優越感に浸っているその態度、粉々にぶっ潰してやるぜ!」
裏口から外へ出ているその瞬間、俺は汁をヤツに向けて射出した。
「そこだ!くらえッ!」
その瞬間、俺の背中に液体がかかった
「扉から……出ようとしているのは…………オレだ!……」
何か、ただならぬ事が起こっている、しかし理解するスピードが追いつかない。
「これは……?!」
「最後だから教えてやろう……たった今目撃し、そして触れたものは……」
「『未来』のおまえ自身だ、数秒過去のおまえが未来のおまえ自身を見たのだ。これが我が『Initial Configuration』の能力!『時間を消し去って』飛び越えさせた……!」
直後に衝撃が走った。後ろからの蹴り。
「がはッ…………?!」
「おまえに勝つ術はない……惨めな最期だとは思うが今までのおまえの人生を思えば、仕方のないことだ。」
トリ野郎は手を振りかざす。手には鋭利な刃物が握られていた。
「くらえッ!これで最期だッ!」
満面の笑みだった。『絶対の勝利』を確信していたのだろうか。しかし、それゆえ油断していたのである。
「喰らうのはお前の方だぁッ!!」
死ぬ姿を1秒でも早く拝もうと見開かれた眼を遮るものはなかった。視界に映るその瞬間、能力の発動は確約される。念じたものは全身への激痛。
「ぐァァぁあああアアアアアぁぁァァァぁぁああアアア!!」
断末魔のごとき悲鳴が響き渡った。
「はぁ……今の、うちに……隠れなく……ては……」
あの絶叫なら、誰か道行く人が来たりするのかと淡い希望を持っていたが、世の中そう甘くもないらしい。
仕方がないので自力で起き上がろうとしたその時、奴の悲鳴は消え去った。
遂に痛みのショックで気絶したのだろうか……?
「おまえの時間を消し飛ばせたのなら、同様に私が私の時間も消し飛ばすなど容易いことだ。痛みが和らいぐまでの間を消し飛ばせば、何も問題はない……」
無敵の能力。その何たるかを味わった気がした。
この能力では太刀打ち出来ないのではないだろうか?
逆転の一手はあるのだろうか?
そうしている間に、奴はこちらへ迫ってきた。
「いいザマだなブタ野郎、とてもいいザマだ。私はずっとこの時を待っていた。」
殺られるかと思いきや、なぜか奴は喋り始めた、何のつもりなのだろうか?
「おまえはここで死ぬ、だから死ぬ前に一つ土産話でもしてやろう。おまえ、あのナイフに刺されてその能力と引き換えにドチビへとなりさがっただろう?あれを高岡に指示したのは他でもない、私だ。」
「なッ……?」
「びっくりしたか?私は学校内で全てにおいてトップだった。主要教科はもちろん、副教科であっても揺るぎない頂点だった。しかしだ、おまえはこの頂点に立つべき私よりも模試において僅かながら高い成績を収めた。おまえは私のプライドに泥を塗った。ゆえの罰だ」
意味が分からなかった。
「俺に負けたから……?そんな訳の分からねえ理由でッ!俺はッ!人生を無茶苦茶にされたってのかぁッ!」
「……つい2,3ヶ月前、私はある男にナイフに刺された。この能力と引き換えに俺は待ちに待っていた『彼女とのデートの日』に限って記憶が飛ぶようになってしまった。それからは『何度も何度も約束破って、サイテー』、『東大生のくせにトリ頭かよwww』、『やーいトリ野郎』、頂点にいたはずのこの俺が、こんな……」
「思い出しただけでッ……便器に吐き出されたタンカス共が、この俺に対してあんな口ぶりをしやがってッ!全ての元凶は貴様だッ!おまえは私を本気で怒らせたァァァァァ!」
支離滅裂な理由で奴はトドメを刺しにきた。
「ッ……?!」
振り下ろした腕は確かに俺のみぞおちを的確に狙った。
だが、手応えはなかった。人の色、形になって集まっていた汁が周りに飛び散るだけだった。
「なんだと?!」
「なにぶん発現して時間の経たない能力だ、命がけになって能力が新たに開花した、らしいな……」
液体を自由に操り分身のように使う、土壇場で覚醒した新たな力。これを使えば、奴に勝てるかもしれない。
「痛みは気づけるから時間を飛ばせば無かったことに出来る、しかし気づけなければいくらでも騙す手段はあるってことだ、トリ野郎」
「そして、俺が元凶とはどういうことだ?説明してもらおうか……」
「小賢しいマネをしやがって!」
逆上し直線的にこちらへと向かってくる。
だが、逆上した分頭の働きは鈍っている。動きは単純になものだ。
俺は落ち着いて両手を構えて汁を吹き出した。
狙うのは奴の鼻や口。向かってくる奴への照準は完璧だ。
「そんなものが効くかッ!」
奴は時間を飛ばし回避行動をとる。
「だからそれが甘いんだよ、本当にトリ野郎だな!」
奴の正面で汁を吹き出したのはデコイ。本物の俺は物陰に潜んでたって訳だ。幸いゴミ箱など障害物はまあまああり隠れる場所には困らなかった。
そしてもう一つ。汁でもって体を形成するだけの操作能力をもってすれば、汁の軌道を操ることもまた容易いのだ。
「何ッ……?!」
奴が振り向いたときにはもう遅い。奴が時を飛ばしすり抜けた汁は逆再生でもされたかのように元来た軌道をなぞり、奴の振り向いた顔、その口へと入っていった。
奴の消化器内へと入った汁を縦横無尽に動かせば、連動し奴の体もそれに引き摺られ振り回される。
ビル壁に激突し奴はついに口を開いた。
「わかった……私の……負け、だ…………」
「……私はある男にナイフで刺されたとさっき喋ったのは覚えているな?奴はその時こう言ったのだ。
『僕の推測が正しければ君は凄い能力を発現するに違いないんだ。君に素晴らしい能力が発現したなら、君も知っている朔晦士って奴にもこいつを刺してくれると嬉しいなぁ!まあ他の人とかにも刺しまくってくれて構わないんだけどね?なんだったら報酬もこっちで用意するよ。あとせっかくのモニターだから不備があったらいけないし、連絡先を交換しておこうよ!朔晦くんのも持ってたら教えて欲しいけど……持ってなかったら別にいいよ』
ってな。どうやらアイツは相当お前に興味があったらしい。そして能力発現と共に副作用も現れた数日後、奴に言ったらこんな返答があった。
『え?最近妙に物覚えが悪い、だって?てことはまだ君は人をナイフで刺してなかったの?もうおっちょこちょいだなぁ、これはナイフで刺された人間が伝染するように仕込んでおいたギミックだからね、とりあえず誰でもいいから早く刺しなよー!』
ということらしい。お前の幼児退行も人を刺せば治るだろう。
最後に、あいつはおまえに会いたがっていた。会えば何かヒントになるかもな、これがあいつの連絡先だ」
そういってその男?と連絡先を交換することになった。
「その……すまなかったな。色々自暴自棄になっていた。この強い能力でもついにおまえに勝てなかった。」
そういって奴は倒れた。最後の言葉に免じて救急車だけは呼んでおこうかな、と思った。
救急車が去っていったあと、彼?と連絡を取ってみる事にした。
『朔晦だけど、君がこの首謀者って事でいい?』
数分後、既読が付きもれなく返信が来た。
『はじめまして!能力の生みの親ことナギサでーす!よろしくね』
あとがき真面目に書こうと思ったんだけどお腹冷えててヤバイ。でも頑張って書きます。
敵の能力『Initial Configuration』について
Initial Configurationとは英語で初期設定、初期構成という意味 (だそうです)。そして台詞回しで分かる人は分かる(てか有名よね)と思うのですが、パロディ元のジョジョの奇妙な冒険(ついにモロに言っちゃったよ……)に出てくるディアボロのスタンド「キング・クリムゾン」の能力に擬えたものとなってます。(知らない人はググってね、ついでにジョジョ面白いんで是非)
しかしそのキング・クリムゾンの能力、初回の能力使用時のみなんかちょっと能力が違うんですよね(なんか微妙に説明しづらいんで省きます、ググったら出てくるんで……)
そこをパク……あっ、ネタにした次第です。名前の初期設定もそこが由来。
そっちの初期設定の方を発展させてみたので本家様とは少し能力の使い方が違うみたいなところを意識して書いてみました。まあどうあがいてもパクりだけどね()
それでは最後まで読んでくださった方には深く感謝を。
次回はジョジョネタに頼りきりにはならないからね!頑張ります。