インド喫茶『シヴァのぬくもり』
まさか『インド人とウニ企画』の締めくくりがコレになろうとは……!
ここはメイド喫茶に引けを取らないおもてなしを極めしインド喫茶『シヴァのぬくもり』である。
サリーを着た美人インド人女性がインドチックな接待でインド感を味わって頂くのが目的の健全なお店である! 健全なお店である!!
本日の出勤予定は―――
リリー(25) 細身の可愛いインド娘。
ユミコ(30) ふっくらとした丸い日本娘。店長の嫁。
アヤカ(24) 酒癖の悪い日本娘。店長に惚れてる。
アリス(28) 足癖の悪いロシアン娘。筋肉質。
エレナ(20) 新人のインド娘。人妻。
ナラシンハ(35) インド喫茶の店長。調理担当。
以上のスタッフがインドを求めてやってくるお客様や、ぬくもりを求めてやってくるお客様を手厚くおもてなし致します―――
―――パオォォォン!
インド臭いドアベルが鳴り、小太りの男性がぬくもりを求めやってきた。
「おかえりこきなされ旦那様♪」
日本語に不慣れな彼女等のさり気ないドジっ娘アピール! これには男性もギンギンの様子。
サリーをなびかせ席へと案内するリリー(25)
「本日のオススメもカレーとなっておりやす!」
さり気なく料理を頼ませるテクニックも彼女等ならではの物だ。マージン目的でカレーをグイグイとアピールする!
「そ、それじゃあキーマカレーを一つ」
「ありがとね。ふーふーして一緒に食べよな♪」
男性の頬を撫でるとリリーはサリーをなびかせ店の奥へと消えていった。男性の期待感は高まるばかりで、ギンギンのギラギラのムンムンのムラムラで汚らしい笑顔が全面に溢れている!
ナラシンハ店長がカレーをこさえている間に、裏方では作戦会議が行われていた。
「アノ男 スケベそうな顔! アヤカちゃんでちょっと絞ってエレナちゃんで一気に落とす! コレカンペキ!」
如何に客から金を搾り取るかを話し合うメンバー。ここは健全な店故にそう言った会話も致し方なしだ!
「アリスちゃんはお客様を蹴っちゃダメよ?」
「分かってるわよ! 私を誰だと思っているのよ!?」
ナラシンハ店長のカレーが出来上がると、賑やかな裏方会議が終わり各々が持ち場へと戻る。
「お待たせしました。キーマのカレーになります」
アヤカ(24)がテーブルにキーマカレーを運ぶと、男性に紙エプロンを着ける。焦らすような細い指先の動きに、男性のマーラ神は今にもアリオク神に祟りを起こしそうだ!
「ふー ふー」
アヤカ(24)がスプーンに掬ったカレーを丁寧に吐息で冷ます。そして静かに男性の口元へと近付けていく……。男性の口が情け無く開かれた。
――ヒョイ、パクッ!
スプーンはクルリと翻りアヤカの口の中に放り込まれた。
「――え?」
呆ける男性。
「ふふ、美味しいね」
アヤカ(24)の口から出されたスプーンは帰る場所を求めてキーマカレーの皿の周りをクルクルと漂っている。
「あっちにインド娘の新人ちゃんが居るんだけど、一緒に食べない? トッピングのウニを乗せて……さ♡」
店の奥からぎこちない動きで顔を覗かせるエレナ(20)。その動きにチラチラと男性は視線を奪われる。
スプーンはカレーを再び拾い上げると、男性の口の中へと静かに入っていった。男性は最早カレーの味どころでは無い。頭の中は新人インドちゃんとニューデリーでカーリーをブラフマーストラする事でいっぱいだ!!
「ウニウニ、お願いします!!」
「はい。ただいま♪」
アヤカ(24)が奥へと引っ込むと、交代でウニを持ったエレナ(20)が男性の隣へと座った。
――パオォォォン!
インド臭いドアベルの音。今度は細身の男が入って来たのだが、何故かこの男サリーを身についている。
「!!」
慌て出すメンバー達。そして顔色が変わるナラシンハ店長。そして客をほったらかしにしてドドドドドっと全員がサリーを着た男を出迎えた!
「おかえりこきなされご主人様!!!!」
出されたプラチナのカードはインドマスターの証! この店で唯一のプラチナカードの持ち主だ!!
「今日はね、臨時ボーナスが入ったから皆でインドしようか!?」
「ありがとござなす!! ありがとござなす!!」
メンバー総出でサリー男を席へと案内した。そして店の隅で一人虚しくウニカレーを食べる小太りの男性。悲しみに満ちた目でスプーンを舐めている。
一度裏方に集合したメンバーは急いでサリーの下に着ているブラウスとペチコートを脱ぎ、サリーのみを適当に緩く巻いた。
「今日もインドキチガイ野郎で稼ぐわよ! 全員フルサービスで挑みなさい!」
「ハイ!!」
ユミコ(30)がメンバーに気合いを入れた。
「お待たせしましたご主人様♡」
次々と運ばれるカレーやナン、そしてチャイ。サリー男の周りをメンバーが取り囲み、瞬く間に『シヴァのぬくもり』はサリー男のハーレムへと変わり果てた!
「う~ん。相変わらずサリーが緩いなぁ♪」
嫌らしい視線を全方位にやり、満足げな男は鞄から手土産を取り出した。
「はい。今日はアヤカちゃんにジャパニーズチャイのお土産!」
「わぁい! ご主人様ありがとー♡」
サリー男に抱き付くアヤカ(24)。手渡された細長い箱には『大吟醸』と書かれていた……。
「リリーちゃんゴメンね。この前貰ったサリー、嫁さんがカレー零しちゃってさ!」
「ヘイキヘイキ! インドではよくある!」
濃密なインド臭に目尻が下がりっぱなしの男。実に健全である。
「あれ? こっちの子は初めて見るね」
男の視線の先にはやや不機嫌なアリス(28)が居た。インド人とウニを極める為に修行へやってきた彼女だが、ここでの仕事に慣れず固定客も着かず悶々とした日々を送っている。
「……アリスです。ヨロシクデス」
男はゆるゆるのサリーからアリス(28)の神々しいパールバティーがサラスバティーしそうになっているのを見て、思わずその神秘へと触れてしまった!
「頭が高いわよ!!」
――メキョ……
手よりも早くアリスの足はサリー男の首を捉え、男の頭はあらぬ方向へとねじ曲がってしまった。
「……インド……バンザイ……」
サリー男はそのまま倒れると魂だけがインドへと昇天してしまった。
そして上客を失ったインド喫茶『シヴァのぬくもり』は潰れた。
読んで頂きましてありがとうございました!!
本当にこれで最後です(笑)




