始まりの朝
『こんなもん……もうたくさんだ……』
『ち、力が……力が欲しい……力さえあればこんなことには……』
そして目を閉じると何やらうっすらと見えてきた。
そして、西条に話しかけてきた
『力欲しいか、クソガキ。力を手にして何がしたい。復讐か?』
西条の目を閉じた暗闇の中に、うっすらと見えていたものがハッキリと見えてきた。
身長の高い黒髪のオールバックの男の人だ。
少し間を置き
『クソガキ、答えろ。貴様は力を何につかう。』
その問に西条が
『力が欲しい理由か。そんなもんあいつを……大事なもんを守る……ためだ……ただ、そ、それだけだ……』
力尽きた声でそう答えた。
『守るもんのためか。いいだろう。貴様に力を与えてやろう。俺の名は風間だ。お前の名を言え。』
弱々しい声で西条は答えた。
『俺は西条……西条龍二だ。』
『西条龍二か。龍二、俺の力を与えてやるんだ。もう会うことは無いとは思うがこれだけは言っておく。力の使い方だけは間違えるな。間違えれば、貴様は死ぬぞ。目を開けたその瞬間から俺の力が宿る。さあ、目を開けろ。そしてその力を感じるんだ。それができなきゃ、本当の力は宿らねえからな。やってみせろ……そして、貴様の守りたいもんを守れ!!』
その言葉を最後に風間は遠くへ、闇の中へ消えていった。
『ゆ……夢か。』
自分の部屋で寝ていた西条は不思議な夢を見た。
身体の至る所にあった傷などが無いか確認しながら、腕や腹などを触っていく
その夢の内容を考えていた時
『ピンポーン……ピンポーン』
家のチャイムが鳴った
隣に住む幼馴染みの神咲 楓が、学校へ行くために迎えに来た
『りゅうちゃーん!!早くしないと学校遅れちゃうぞ。』
その言葉に我に返り焦りながらも準備を済ませ神咲と2人学校へ向かうのだった。
この時、まだ西条は知らなかった
世界を壊す程の力
それを守る為の力
その2つの力がぶつかり合う時
その最後を…………