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恋愛短篇集『graffiti of someone』

ニアリーイコールの愛情論

作者: 自由帳

ただ何となく、書きたかった。

僕、犬板 快は思う。友情よりも愛情の方が大切で、友達よりも恋人の方が儚くて、人は人を愛さないと生きていけなくて、人は人に愛されないと生きていけないなんて____有り得ないと。


友情の方が愛情よりも大切だし、友達の方が恋人よりも儚い、人は人を愛さなくてもそれなりに生きていけるし、愛されなくても別に死なない。

だってそうだろうと、長く目にかかった前髪を揺らして目の前にいる彼女の髪を撫でる。


「ひねくれ者の自意識を、何でそんな楽しそうに聞くんだか」


ひねくれていて、虚無的で、どこか虚言的な僕の言葉を大切そうに聞き入る彼女は僕のかけがえない友人だ。

関係性の破綻を恐れず、言葉で傷つけるの恐れずに言葉を発せられる唯一の友達。

他にも友人はいるが、彼女以上に僕に対して信頼を寄せる人物はいない。それは僕も同じだ。


「快の話嫌いじゃないよ」

「僕は大嫌いだよ」

長い前髪で目を隠して、彼女の笑顔から目をそらした。

純粋無垢な彼女を見ていると、感情が狂わされる気がしてならない、この感情の名前を知ってはいたが僕はそれを認めようとしない。


「でもさ、友達もいいけどそれと同じくらい恋人も大切なんじゃない?私は彼氏とかいたこと無いからわかんないけど、みんなの話を聞いてるとそう思う」


夕焼けに照らされて、神妙な顔つきの彼女はそんなわかったようなことを言った。分かったような、分からない仮説をただそれらしく語った。

僕には分かっていた、彼女がどうしてこうやって話を聞くかも、僕がこうやって彼女に話すかも、けれどそれを語ってしまえば関係が破綻する。


もう一度言っておこう、彼女____山田 白は僕のかけがえのない友人だ。

このふたりは多分、上手くいくと思う

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