表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロスオーバー・ゲームズ  作者: 猫の人
4章 戦争世界のマーチャント
47/122

交易路、特産品、行商

 集まった元娼婦たちから話を聞く。

 聞いたのは出身地、娼館に売られた時の状況と金額。あとは彼女らの、一晩のお値段。

 適当に買っというのにノース村の出身者は8人いた。運がいい。


 さて、これで奴隷商の基本相場とノース村の出身者の状況は大体分ったかね?

 明日は奴隷商の所に行けるな。





 奴隷商の所で、売れ残っていた奴隷を大量購入。

 交渉はこちらが相場通りの値段を支払うと宣言したのでサクッと終わった。男16人、女性0人。女性は全員娼婦として娼館と砦に引き取られたようなので、奴隷商にはいなかった。

 その中にノース村の人間は6人いたので、これで合計14人。

 村で聞いた、連れていかれた人数は50人ぐらいだけど、残りは戦場の肉壁や砦の従軍娼婦として連れていかれたらしいので、ここでやるべき事はもう無いかな?

 なお、男連中もガリガリでヒョロヒョロだ。肉壁にも人足にもならない。だから連れていかれなかった。そんなことならノース村に残して行けよとも思うが、連れて行った理由というか建前は別なので、無駄でも奴隷に落とされた模様。アホみたいな話だが、お役所仕事はいつの時代も変わらないわけだな。



 さて帰るかという所で、元奴隷たちからツッコミが入った。


「冬の、この時期に移動するのですか!?」


 通常、冬には行商人をはじめとした旅人たちは移動をしない。リスクが高すぎるからだ。

 雪に道を塞がれれば馬車は動けなくなる。旅の途中でそんなことになれば雪の降る中で野宿しないといけないし、それでなくとも移動中の暖を取るのに薪などの余分な荷物が増える。リスク、費用対効果の二面で冬の旅は敬遠される。

 つまり、常識的に考えて自殺行為だと言っている。馬車でたった3日の旅程でも、死ぬときは死ぬのだと。


「移動に一日もかけないし、しばらく天気は変わらない。大丈夫だよ」

「本当に大丈夫なのですか? ノース村まで1日もかからないとか仰っていますが、我々がここに連れてこられるまでに5日はかかっていましたよ。

 それに、こんなに大勢を連れて帰ることなどできるのですか? 宿には馬車など見当たりませんでしたが……どうやって移動するおつもりなのですか?」


 元居た俺達6人。

 元娼婦が20人。

 元奴隷が16人。

 合計、42人。


 これだけの大人数だ、確かに移動手段は気になるか。

 けど、言葉で説明するのは面倒なんだよな。


 どうせ村に着いたら隠し事のオンパレードというか、異世界と言っていいほどの場所だ。

 逆に考えると、あそこに連れて行くなら本当に重要な秘密以外を抱える理由は薄い訳だが。ストレージなどのゲーム能力の一端を明かしたところでデメリットは無い。


 知られたくないなら、連れて行かないのが正解だろう。

 知られても構わないし、連れて行くんだけどな。



「移動手段は、ここでは秘密で。ま、天気次第で明日で朝一に動くよ」


 説明は面倒なので、パス。現物を見せて説明とする。

 言葉で語って、信用してもらえるとは思っていないからな。


 そうすると、元奴隷は少し考えてから、こう言った。


「その移動手段は、定期的に使える物なのですか?」

「ん? 使えるよ」

「我々を全員、運べるのですよね。一回で?」

「そうだけど。それで?」


 元奴隷の男は、何か考えて黙り込んだ。


「なんかすっきりしないんだけど。何が聞きたかったのさ?」

「いえ、冬でも容易に移動できるようでしたら、村と街の交易に使えないかと思いまして」


 元奴隷の男は語る。

 村の生活は、それ単独では完結できないと。


 パン屋や鍛冶師などの専門家は確かにいるけど、布を織ったり服を作ったり、塩を作ったり。そういった外に依存する部分は無くならない。

 普段は穀物を売ったお金でそれらを購入しているが、購入するには商品が必要な訳で。冬場では買いに行くことすら難しい。


 それが覆るとしたらどうなるか?

 莫大な収入が得られるのではないか。


 問題は、移動にかかるコストぐらいだと男は言う。コストを販売価格に計上するのは当たり前であるが、それでも高すぎれば売れなくなるのだし。



 言っている内容は尤もだが、もう一つ出てこなかった問題がある。

 それは商品。

 売り物が無ければ話にならず、今は街の物流すら滞っている状態なのだ。町で商品を見定める事も出来ない。普通なら。


 ただ、その問題も俺のチートなら解決できる。

 新しいポケット枠を使わなくても、鉄をインゴットに戻すだけでかなり売れるだろう。戻す手間を販売代金に計上すれば……。


 ただなぁ。

 結局俺頼みでは、何も解決しないんだが。

 そもそもお金も増やせるんだし。メリットは周辺との友好関係ぐらいか?

 デメリットは、なんでそんなに物資があるのかと冬の行軍に関する技術面で国に興味を持たれる事。大量に奴隷を買ったことで目立った気もするから、今更かもしれないけど。国とか軍に襲われても返り討ちにできる自信があるけど。


 さて。

 どうしようかね?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ