表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
クロスオーバー・ゲームズ  作者: 猫の人
3章 傀儡世界のマリオネット
28/122

赤井 楓

 赤井の能力は、一回横におこう。

 戦えないけど、戦える。ダンジョン製作能力とはまた極悪な……。しかも、ダンジョンは設置済みですかそうですか。

 ついでにモンスターを操る特性上、国と教団のどちらとも絶賛敵対中。何やってるんだ、あのバカ。


 初期ステータスで最強レベルなあのバカは、王都の近くでダンジョン運営中。遺跡の近くに潜伏しているとか。

 クラスメイトは同郷殺しを拒否し、放置を選択。騎士たちだけが討伐に向かう手筈となっている。

 で、目の前の三加村は召喚魔法で呼び出したモンスターを使って協力体制、と。召喚したモンスターと五感を共有する特殊能力があるんだとか。何その能力、羨ましいんだが。

 


「で、だ。クラスメイト全員を引き抜くのは難しいと思うか?」

「無理、だろ。飯で釣れない奴の方が多い。安定した生活っていうかさ、追われるような状況に陥りたい奴なんていないだろ? 少なくとも、今のままなら(・・)不都合はないんだし。むしろ四方堂を引き込めばいいって考えるんじゃね?」


 あー。俺たちが合流する方がこっちの連中には都合がいい訳か。でもな?


「殺そうとした相手と、一緒にいられると思うか?」

「だよなー。俺でも嫌だって言うし。ま、当事者じゃないから来てほしいとは思うけどさ」


 初日、俺たちは殺されそうになった。

 ここでのクラスメイトの生活を思えば、それもしょうがないのだろう。

 騎士たちよりもいい生活をさせるのであれば、相応の見返りが欲しい。そのための能力は必須となる。であれば、役に立ちそうにない連中を引き込むのは余計な出費がかさむだけの悪手となる。自分たちに悪評が絶たないようにできるなら、殺すことも選択肢に入れるしかないのだ、為政者(マキャベリスト)という奴は。



 こちらが出せる条件をいくつか思い浮かべるが、「この国の連中の庇護下にいたくない」と思わせるのは難しそうだ。

 なにより、戦闘に関しては古藤という大駒がいるため、他の連中を養っても実入りは大きい。対人戦に忌避感が無いのであれば戦場に投入することも期待できるわけで、古藤一人がみんなを養う事に異存が……?


「そういえば、古藤ってどんな感じだ? あいつ、調子に乗っているとかクラスメイトに何か無理強いしたりとか――する訳ないか」


 古藤(ロリコン)がクラス女子を食い物に、はさすがに無いな。

 その昔、冬杜とはヤったみたいだけど、それ以降紳士(ロリコン)にクラスチェンジしたし。


「女子の方が古藤に群がっている感じはあるか? 無駄だけど」


 古藤の性癖は周知の事実だからなー。


「ただ、ハニートラップには引っかかっているぞ? 用意しようと思えばどんな女でも用意できる。それが国の強みだからな。教団の方は、そういう意味では後手に回っていると思う」

「用意された女が教団側って可能性は?」

「こっちの教義(じょうしき)では、男が複数の女性を娶るのは、ハーレムを作るのは合法らしいけど。教団の女は王国側の女が排除してるみたいだ。

 だから少なくとも古藤はまだハーレム思考に染まっていない、はずだ」


 古藤の性欲は現地人に向けられているのか。

 変態(yesロリータ)紳士(noタッチ)ではなく、性犯罪者(ロリコン)に堕ちたか。回収、するべきか? この世界に置いていくか?


「だから、連携するなら先ず赤井からだと思うんだけど……大丈夫か?」

「大丈夫じゃないけど、やるさ」


 三加村はいいやつだ。俺と赤井の確執を知っているから、こうやって気遣ってくれる。


 正直、赤井とは関わりたくないという気持ちが強い。

 だが、クラスメイト全員を回収するのが筋だ。俺の個人的感情は封殺するべきだ。



 ここで得たい情報は大体手に入れた。

 あとはもう少し条件を詰めて、他に会っても大丈夫そうなクラスメイトを確保し、それから、明日になるが赤井のところに行こう。



 過去にこだわり続けるのも良くない事だとは思う。

 アイツとの関係に決着をつけ、清算したいものだな。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ