Very good and fine personal character like beautiful jewel forest and beautifull jwel tree.
1. Mystery Consumer.
玲音達が学園に到着する3時間前。
玲音達はグループ直轄のデパートに視察に向かって居た。
「次に向かうこのデパートの何が問題なの?」と社用車の中でスケジュール表を見ながら玲音は廉に尋ねる。
「はい、これ資料。ここの頁を見てみ、ここ半年の経常利益が同系列の他店舗の売り上げと比べて大幅に少ないだろ?
まぁ、今の御時世デパート売り上げはどこも陰りはあるんだが、この店舗は以前までは割りと売り上げがある店舗だったが、この一年の間にかなり激しく落ち込んで居るから、覆面調査して来いってさ」
「ふーん。ならついでに靴でも新調しようかな?」
玲音は自分の靴を見ながら言う。
「お前、ついこないだ靴を買ったばかりだろ。履く足は一対しかないんだぞ。そんなに買ってどうするんだ。無駄使いは辞めろ!自分の車が遠退くだけだぞ」
「だって、何か購入目的がないとウィンドショッピングだけでは接客態度や品揃えとか分かんないじゃん?仕事で買うのだから経費だよ?」
「経費で落ちるかよ。それにウィンドショッピングだけで買う気が無い客でも見ていると欲しくなるような品揃えが出来ていれば売り上げは落ちる事はない。それができてないと言う事もあるのだから、商品に何が魅力に欠けるのか?集客促進するには何が欠けてるか見ていけばいいだろ!」
「ちぇっつまんない」
そんな会話をしていると玲音達の乗った車が目的地に到着した。
「2人でまわると目立って覆面にならないから別れて調査するぞ?2時間後にここに集合な?」
「うん。わかったよ」
玲音は最上階から廉は地下フロアから調査をはじめていった。
廉、玲音は各々客を装い調査している。
廉はスーツ姿でメガネをかけビジネスマンを装い見歩いているが、玲音はカジュアルな服に帽子とサングラスをしており、大学生を装っているが、サングラスと派手なトレーナーとで人の視界に入りやすくその上サングラスの下が気になる風貌はある意味周りからの注目を誘い覆面になっているのか疑問の残る所である。
若い女性向けのファンシーショップフロアで2人はすれ違ったが、玲音は相変わらず若い女子高生やOLの注目を集めていた。
廉は場所的に不釣り合いなのと苦手な場所なので玲音に任しさっさと通り抜けようとしていたがある物に目を奪われ、少し迷ったもののつい購入を決意してしまった。
レジに向かい若い女性の店員に満面の笑顔で「彼女にプレゼントですか?」と聞かれ返答に困って居ると、店員は手馴れた作業をこなしながら
「このマスコット今、若い女の子に大変人気なんですよ。かなりリアルに出来ているでしょ?携帯のストラップに付けてポケットから覗かせるスタイルが流行っているんですよ。都内でも、全種類扱って居るのはうちのデパートだけなんです。きっと彼女さん凄く喜ばれますよ」といって綺麗にラッピングした品物を渡された。
「ありがとう」と若干口角をひきつらせながら(彼女にでは無く兄貴になんだがなぁ~)と内心呟きながら店員から品物を受け取りスーツのポケットに見えない様にねじ込みながら足早にフロアを後にした。
2人が別れてから2時間後、約束通り駐車場に2人は帰って来た。
玲音は最後が食品街フロアだったせいかソフトクリームを食べながら洋菓子の箱を持って帰ってきた。
車に乗り込むと箱をからひとつシュークリームを取りだし廉に「はい。廉おひとつどうぞ」と渡し自分は残りのソフトクリームを食べながら自分のシュークリームに見とれている。
「どうだった?」
「そうだねぇ。シュークリームの品揃えが今一つ………。俺、今日はカスタードオンリーのが食べたかったのに生クリームとのハーフしか無かったよ」
「・・・・・・。それはお前が今、ソフトクリーム食べてるからカスタードオンリーが欲しいだけだろ?」
「いや。分かってないな廉。シュークリームはなんと言ってもクリームが命だよ?
生クリームが入っちゃうとボリューム感がなくなるしバニラビーンズも楽しめない」と言いながらシュークリームを見つめる。
「でも、お前。ハーフのタイプでも普段は、喜んで食べてるよな?」
「だから言ったじゃんか!俺は今日はカスタードオンリーが食べたかったと。日によっては軽めのハーフが食べたい時だってあるよ!デパートなのにその客のニーズに合う品揃えがないと言っているのさ」
「まあシュークリームはともかく地下の食品売り場は、いまいちだったよな。さすがにデパートではあるから華やかなケーキや和菓子、豪華な中華のお惣菜、高級弁当は【量】は有るが【種類】が少なかったな。あと上品な高級感が醸し出す様な食品も少ないな。これならデパートまで来なくても高級食材扱ってるスーパーと同じ感じだ」
「このデパート、立地的には、高齢者層をターゲットに適した立地条件なのに各フロアとも中途半端な年齢層の物ばかりだったね。
しいて言うなら若干若者向けの商品が高齢者層向けの商品より多かった。でも、その割りに華やかさが無いよ。
若者向けの商品を置いても孫のためにとか孫と一緒に来店するとか高齢者層に需要がるかも知れないけど、年寄りに親切なフロア作りしてない。せめて各フロア毎に休憩用椅子の設置すべきだね。あと男性用衣料フロアとベビー用品売り場が一緒のフロアだと、男性客逃げちゃうよ。せめて文具フロアにすればいいのに」と玲音は率直な意見を言う。
「俺もそれは思った。扱ってる商品はいいんだがターゲットがまちまちで、売場もその場でゆっくり見ずらかったり、やはり商品の種類が全体的に少ないな。目玉商品は有るみたいだが、目玉商品だけではな。やっぱり客層の年齢絞って品物充実させた方が得策に思えるな」と廉は玲音の意見と自分の意見をタブレットに打ち込みながら言う。
「さてと3時のおやつも食べたことだし、報告書は明日ゆっくりと取り纏めることとして今日の最後の目的地に行こうか?」と呑気に玲音は言う
「仕事中に3時のおやつ食うなよ!」
「ん?廉だって今シュークリーム食べてるじゃん?」
「お前が渡すからだろ?シュークリーム持って歩けるか?」
「要らないなら俺が食べるよ?はい。これ」と玲音は鞄から缶コーヒーを2本取りだし1本廉に渡す。
「誰が要らないなんて言ったんだよ!あんまり食べると太るぞ」
「素直じゃ無いなぁ~廉は。俺、悠貴に負けない様に毎日体鍛えるトレーニングして居るから体重は変わんないよ?廉の方がヤバくない?」と笑いながら廉のお腹を指差す。
「ん?えっ?俺、やばいかな?う~ん。毎朝のジョギングだけでは足らなくなっている?夜も走るかぁ~」
廉は玲音の言葉に少しショックを受けながらシュークリームと缶コーヒーを真剣に見つめている。
玲音は珈琲を飲みながら「冗談だよ。そんなに心配しなくても……。廉が腹筋がムキムキに割れるほど鍛えるのも気持ち悪いよ。お腹周り脂肪ついてないんだから、今の体型維持すればいいんじゃない?運転士さん学園に向かって」と言う。
「それ、お前だけには言われたくない」
2.Just your imagination.
その頃、学園の最寄り駅前のカフェに悠貴と潤が居た。
「潤、何時までこっちに居られるの?」
「来週からJAXAの訓練施設に行くから日本には居るけど、トレーニングで籠るから日本に居てもちょっと簡単には会えないかな?それより俺なんかと会って居ても大丈夫なの?」
「ん?他に誰と会うの?」
「美里先輩」
「あぁ、美里ちゃんは今仕事でパリに居るから会いたくても会えないよ。それより訓練はキツイ?どんな訓練してるの?」
「楽ではないね。ミッションに合わした訓練だよ。悠貴もまた発掘の為に島に行くんだろ?そっちの方がハードじゃない?」
「島にも行くけど、最近教授の助手していて、行動は教授と一緒だから学園と島と半々なんだよ」
「卒業しても学園に残るのか?」
「うん。教授も奨めてくれたし、校長先生から学園職員の内定も貰ったから学園に勤める事になるね。一応教員免許も取ってるし。なんか昔の自分に教員なんて選択肢は体育の教員以外無かったから不思議な感じがするよ。
でも、教員免許は付録みないな物で考古学研究が俺のライフワークだからね。
玲音先輩からも学園の研究機関を上手く使って好きなだけ研究すればいいと言ってもらったよ」
「そっか。良かったね。中々研究メインの仕事なんて出来ないからね。
ん?噂をすれば?玲音先輩だ。
玲音先輩、何時から金髪にしたの?しかも珍しく1人だ。廉先輩はどうしたんだろ?」
「ん?こないだ会った時は金髪なんかにはしてなかったよ?どこに居るの?」と悠貴は窓を覗き込む。
駅の建物から出て来てタクシー乗場に向かっている外人らしき男性を潤は指差しながら言う。
「ほら、あそこ。なんか金髪しているせいかちょっと老けたように見えるな?」
「う~ん。凄く似てるけど先輩じゃ無いんじゃない?先輩あんな色のネクタイなんかしないし。身長も少し低くない?でも顔はかなり似てるな?他人のそら似としてもあんな美形そうそう居るわけ無いけどでもなぁ~。でも先輩なら学園に行く用があるなら社用車で移動するだろうし……。
うーん確かに、似てる。でも先輩にしては、なんか変だ」と2人はカフェの窓に貼り付きながら話をしている。
その外人は中肉中背だが中背の中でも高めで見るからに英国人の装いをし、髪は金髪で長く肌は透き通る様に白い。
悠貴達はカフェの店内からで瞳の色までは認識できて居なかったがその肌の色にブルーの瞳が映える。
行き交う通行人の誰もが必ず振り返る程の整った顔立ちと存在感があった。
「今、先輩はどこにいるの?」と潤は聞く。
「さぁ、メールしてみるか?」と悠貴は携帯を取りだしメールを送る。すると10分後
『今視察先から社用車で廉と一緒に学園に向かっている所』と返信がきた。
「やっぱり他人のそら似だね。遠目からだからそっくりに見えたのかな?
でも、遠目でも玲音先輩を思わせるのはかなりの美形と言うことか?しかし、あの先輩似の人間が居るとはね。どうせなら女性なら良いのに」と潤は男性の後ろ姿を見ながら冗談を言う。
「女性なら樹里亜が居るじゃん従兄弟だけに何処と無く顔立ち似てるよ?見馴れて居るだけでさ」と悠貴が指摘する。
「まあ、そういわれればそうかなぁ~。ならさっきの人と樹里亜先輩足して2で割れば玲音先輩?」と潤は言う。
「そうだなぁ~。玲音先輩は西洋人の色白で彫りが深くて目鼻立ちがはっきりした所に西洋の色白で、金髪で、青い瞳でぼやけがちな配色も東洋人のエキゾチックな深みの瞳や髪の毛で引き締まって見えて、東洋人と西洋人の良いとこ取りしたような感じだよね。
どうして世の中は不公平なんだろ?あの風貌にあの身長!何一つ取っても不公平過ぎる」と話が悠貴の愚痴へとそれていった頃。
3. Family resemblance. -second cousin-
羨望の人物は車の中でスケジュールとにらめっこしていた。
「玲音。今日は再従兄弟のジョンが来るんだろ?空港に迎えに行かなくていいのか?」
「ん?俺に関係ないじゃん。いくら遠い親戚だと言ってもじいちゃんの弟の息子だろ?
6等親も離れていればほぼ他人だよ。
大体、たまにじいちゃんの家でばったりと会うことが稀で世間一般は会う事も無いんじゃない?再従兄弟なんてさ。それより廉!明日のスケジュールちょっと詰め込み過ぎじゃ無い?」
社用車の中で廉と玲音が話をしている。
「でも、昨夜の電話でお父さんが滞在中は面倒見てくれと………」
「俺、ジョンのこと苦手なんだよね。すっとぼけた態度執るくせに負けず嫌いでさ、俺と何でも張り合ってくるからさ。それに顔は笑ってるけど全然笑ってないし、なにより理論的な喋り方しかしないしさ。5歳年上だけど何で俺が阿なければいけないのさ。
いつも俺の事何かにつけて【an impertinent remark( 生意気な言葉)】と冗談ぽく言ってくるけどあれ絶対本音だから。我慢して付き合ってると振り回されるしさ。係わりたく無いね。それに会社の賓客でも無いんだ。社用車で迎えには行けないし、俺は自分の車は持ってないもん」
「電車で迎えに行けば良いだろ?車の方が時間かかるぞ?」
「電車で移動なんかしたことないし………。そういう廉は独りで電車乗った事有るのかよ?」
「え?俺は普通に乗れるぞ?お前……乗れないのかよ。昔、家出して加藤さんに会いに横浜事務所にいった時どうやって行ったんだ?」
「タクシーに決まってるじゃん。他にどうやって行くんだよ!運転手の柏木さんに頼むとばれるじゃんか」
「…………。お子様じゃ無いんだ電車位一人で乗れるようになれよ。世間知らずの御坊っちゃま」
「中学校入るまで散々海外に連れまわされて、中学高校は全寮制で学園の隣の寮に居てどうやって電車何か乗る機会なんかあるんだよ!いざとなれば廉が居るからついていけばいいだろ」
「俺ばかりに頼るなよ!しかし、再従兄弟とはいえジョンの風貌といい性格といいはお前によく似てるよな?一緒に居れば兄弟だと言っても誰も疑わないぞ?血の繋がりってすごいよな?」
「似てねーよ!あの仮面を被った様な性格の何処が似てるんだよ。それに髪、目の色、身長もどれひとつとして違うじゃん。まぁ遠縁だから少しは風貌は似てるかもだけど。俺の兄弟は廉だけだ!」
「でも、何でその遠縁のジョンが櫻家頼ってやって来るんだ?」
「知らねーよ。親父かママに聞けよ。俺は関わらない」
玲音は腕を組み頑として受け入れないと言う態度でいる。
「それより廉!親父の仕事回し過ぎだよ!今頃、親父の奴俺達に仕事押し付けたから安心してママと羽を伸ばしているよ!その証拠に今回は藤堂先輩は同行してないじゃん?」
「親戚の葬儀参列だから仕事では無いから藤堂先輩は同行するわけ無いだろ。お父さんは先輩に休みとれる様に少し長めの休暇にしたんだよ。お祖父さんはお父さんの代わりに玲音でもいいと言ってたらしいぞ?」
「行くかよ!何が嬉しくて知らん親戚の葬儀にイギリスまで行かなければいけないんだよ!罠に決まっている。行ったら最後何かにつけて足止めされるに決まっている」
「だからお父さんがわざわざ休みを取って行ってくれたんだろ?
悪い事ばかりではないさ。来週お父さん帰って来たら、俺達が1週間休み貰えるだろ?休みが目減りしないように仕事を前倒しで組んだんだよ。だから今週は文句言わずに頑張って仕事をこなせよ」
「親父の奴、引退するまで俺は好きなことをしていいって言ってた癖に仕事を俺達に押し付け過ぎじゃん。絶対俺達に仕事を早く覚えさせて自分は楽隠居を決め込むつもりだよ!」
「はいはい。お父さんがそのつもりでもお前の様に仕事覚える気ない奴に継がせる為には後15年は隠居なんて出来ないよ。それにお前の好きなことって何するんだよ?どうせリゾート開発部か海洋開発部を盾にして島に潜り込みたいだけだろ。島に隠りたければ、島の安全対策プロジェクトをさっさと進めろよ!」
「あーうるさい。廉、ガミガミ言ってると老けるよ?もう少し仕事は楽しくしなきゃ」
2人は何時も会話をしながら車は学園へと向かう。
4. 瑶林瓊樹
John James Willson
中学高校は名門のイートン校に、卒業後オックスフォード大学に進学博士課程を取り卒業 25歳
容姿は玲音にぱっと見似ているが着こなしは玲音はカジュアルな着こなしを好むがジョンはイギリス紳士の好むトラッドスタイルが多く、背丈や髪の毛や目の色が違うので親戚や二人を知っている者たちならすぐに見分けがつく程度の似ているのだが初見の人達にはびっくりされることが多い。
イギリス名門の貴族の分家筋で父親は大規模なワイナリーを経営している。
本家にあたる祖父の兄の1人娘の従伯叔母が日本人と結婚したため男系親族で一番近い自分に親族の全ての注目が降り注がれた。
貴公子の様に整った顔立ち風貌、頭の回転が速く物覚えが良く将来を期待されて芸術はもとよりありとあらゆる英才教育を受けていた。
だが、従叔母に5歳年下の再従兄弟の玲音が生まれると状況は変わっていった。
昨今の貴族は広大な先祖代々の領土や建物の維持管理、相続における税は並大抵の金額ではなくそのお金が払えず没落していく貴族がほとんどの現代において、従伯叔母の結婚相手の日本人は世界経済に少なからず影響を及ぼすことのできる企業主で玲音はその一人息子である。生粋のイギリス人ではないが、本家を十分守っていける財力の心配はなく、容姿も自分によく似ていて東洋の色合いが加わり輪をかけて注目を集める風貌で、才能も豊な少年だった。
そうなると一族の注目は否応なく玲音に集まっていく。一部にイギリス名門の貴族が生粋のイギリス人ではないとという声もあったが、玲音はまだイギリス国籍を捨ててはおらず正当な後継者として期待されている。
ジョンが大学に進む18歳の時、その再従兄弟は世界中に名を知らしめた。13歳で海底遺跡発見という偉業を果たす。
そのことも相まって親族の注目は全て玲音に移り自分は忘れされれたような存在になった。
その玲音が将来考古学者になりたいと言っていたが、その希望は報われないと聞いた時、再従兄弟の出来ないことをしてやろうとオックスフォードに進学し、考古学研究をした。
そこであの玲音が海底遺跡発見をした発掘チームの考古学研究者がオックスフォード大学のOBであると知りその教授に興味を持った。
「伊集院 誠」従伯叔父、すなわち玲音の父親「櫻 時宗」の運営する大学に籍を置く人物だった。
祖伯叔父に頼み込み従伯叔父の大学の考古学研究室に参加させてもらえるように頼み込んだのだ。
時は5日前まで遡る。
「パパ、そろそろ教会に出掛けないと」
喪服姿のメアリーが時宗を呼びに来る。
時宗は部屋の時計を見て「もうこんな時間か」とノートパソコンの電源を落とす。
「義父さん達は?」
「パパが来るの応接室で待ってるわよ。葬儀の後何かパパに頼み事あるみたいよ」
「何だろう?余りいい予感はしないな。あっ、兄貴の件は上手くいってる?」
「ワンちゃん飼って貰う事でなんとか収まったわよ。後、私当分の間ここに居るからイギリスに羽を伸ばしに来たらと旅行勧めたら来週から来るって」
「あぁ、そう。それはよかった。まぁ、あの遭難騒ぎは不可抗力な部分も有ったからね。後始末を玲音が妙に厳しく対処したから何か話しが大きくなりすぎてた部分もあるんだがなぁ。兄貴も、自由奔放過ぎたのもたしかだ。まぁ、無事一件落着しそうでよかった。さてと義父さん達をあまり待たしてもなんだ私達も応接室に行くか」と時宗は立ち上がり、上着をはおり衣装を整えて応接室に向かう。
今回は、ウイルソン家の分家筋の葬儀であったが本家代表として玲音の祖父母が出席するのだが、祖父母も老齢で足腰が衰えが否めず、体力的にそろそろそろ家督を玲音に引き継いで欲しいために今回イギリスに呼び寄せたのが理由だった。
葬儀後、本家に義親2人をはじめとしメアリーの親族達が一堂に集まっていた。
時宗の嫌な予感は当たった。これだけの親族が集まったと言うことは、今回この場で家督の後継者を決めると言うことだ。
時宗は脂汗かきながら苦笑いしてメアリーと部屋の中心のソファに座る様に誘導される。
時宗の向かい側のソファにあの玲音の再従兄弟のジョンが居た。
義親の当主が全員揃ったのを確認し、重い口を開く。
「さて、親族が一堂に集まった機会に今後のウイルソン家の家督についてはっきりとさせておきたいと思う。私は玲音に引き継いで欲しいのだが、親族の一部にイギリスの貴族の名門に生粋のイギリス人では無い玲音が継ぐと言う事に反対の意見もある。ただ、昨今、貴族の家柄だけでは先祖代々引き継がれて来た物を維持管理も難しい時代である。しかし玲音にはそれを守る事も容易だ」
「お兄さん、それでは、イギリス貴族の誇りを売り渡す様なものだ」
「そうですよ。お兄さん。家督は正統なイギリス人の私達で引き継ぐべきです。イギリス王家から頂いた物を日本人に任せられません」
当主の兄弟が口々に言う。
「玲音は、まだイギリス国籍を捨てては居ない。日本国籍とアメリカ国籍を棄ててイギリス国籍を選べばいいだろ」
時宗は親族会議のやり取りにげっそりしながら「義父さん、本人が居ないところで本人の同意も無く勝手に話を持ち出さないで頂きたい。こう言う事は本人の意思が最優先させるべきですよ」
「その為に玲音もイギリスに来るように言ったが来てないだろ?」
「ダッド、今回葬儀の為に来てくれと言ってたでしょ?相続云々は聞いて無いわよ?」とメアリーも反論する。
「今の時代貴族云々なんて大した価値は無いでしょ?お金さえ出せば爵位が買える時代ですよ。でも先祖代々の遺産や、権威は親族で協力して守って行けば良いでしょ?うちのワイナリーもロバート伯父さんの所の貿易会社と観光も元々本家の遺産で始めた事業でしょ。当番制度か持回り制度で、親族の絆こそ大切なのでは。当然その中のには櫻家も含まれるんですから、金銭問題も心配無いでしょ。僕はこれで失礼します」とジョンがそういい立ち上がり部屋へと戻って行く。
結局、家督云々は近々親族全員が集まりその時にとなり解散となった。
時宗も部屋へと戻ろうとした時義父に呼び止められた。
「義父さん。話は分かりましたが、ジョン君を伊集院が受け入れるかは伊集院次第ですよ。発掘調査は発見から9年という歳月が過ぎていてそれなり体制出来上がってますし、いくら私がスポンサーだからといっても出来上がった人間関係に口は出せません。
しかし、ジョン君は親戚ですので紹介と日本滞在中の面倒は喜んで致しますが、私も仕事上日本に滞在している時間も少ないので………」
「私も甥から何度も頼まれているんだ。何とかよろしく頼むよ」
「はい。話はしてみます」
メアリーと時宗は顔を見合せながら部屋へと戻って行く。




