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Nostalgia - 追憶 -  作者: 天野 花梨
You are my friend, don't ever forget
16/40

Out of frying pan into the fire.

1.The situation is getting serious.


 フロンティア学園校長室


 いつもの様にあの男がやって来るが、どうもいつもと違い何か緊迫感が伺える。

 唯野は頭を抱えながらいう。

「雅治、話しは分かったよ。しかし、今は忙しい、夕方に出直せ!夕方からならじっくりお前の話し聞いてやる」

 唯野はいつもの男を追い出そうとしている。

「兄貴!俺も暇では無いんだよ!でも明らかに最近、時宗の奴がおかしいんだ。放って置けないからこうして来てるんだよ!」

「時宗のおかしいのは今に始まった事では無いだろう?」

「まあ、それはそうなんだが、でもそれとは別で今回は特別に変なんだって!」

「だから夕方来い。その時、必要なら時宗も呼び出せば良いだろ?

 俺は今、こっちの仕事を今日中に済まさないとダメなんだ。これが片付けばお前の話しと誠の話しゆっくり聞いてやる。

 誠にも夕方にしろと言っている。だから大人しく夕方に出直せ!」

「誠も来たのか?」

「朝一番に来たよと言うか、今日は講義がこっちだからな、学園に居るよ。 」

「う~ん。仕方無いなぁ……。分かったよ。でも絶対に夕方は時間を作ってくれよ?」

「わかった。わかったから、早く終わらせる為にも俺の仕事の邪魔をするな」

 唯野は溜め息をつきながら、 校長室から出ていく雅治の後ろ姿を見る。

(今日は何としても早く仕事を終わらせないとダメそうだな?面倒な事にならないといいが……。)



 雅治は校長室を出ると誠の部屋に向かった。

 誠は次の講義の支度をしていた。

「ん?雅治。お前、暇なのか?」

「アホか!暇わけないだろうが!だが、時宗の様子がどうもおかしいんだ。

 あの総務部をはじめとするの古だぬき達が、何か画策しているのではないか?

 下手に巻き込まれると時宗の進退に大きく関わるんじゃ無いかと思って兄貴に相談しに来たんだが……」

「兄貴に追い返されたと……。確かに兄貴は、今かなり忙しいみたいだからな。

 俺も少し時宗の様子が気になってな。昨日、悠貴から時宗が先日玲音君連れて箱根に行ったとか聞いて疑問に感じたんだ。

 この時期に箱根に行くのは、何か会長に仕事の相談くらいだろ?しかも、玲音君連れて行くとは相当な事だ。異例と言っていい」と誠は腕を組み推理しながら言う。

「時宗は親父さんに仕事の相談なんて基本しないしな。するとすれば一族の統轄問題くらいだ。やっぱり、なんかおかしい」雅治は自分の勘はやはり的を得てると確信する。

「先日、雅治お前。時宗の所に行ってただろ?何か聞いたのでは無いのか?」

「あのバカ教え無かった。時期を待てと」

「ますます変だな?」

「あぁ………時宗の奴、なんか1人で抱え込んでいるな?」と雅治は苦悩する。

「まあ、夕方まで待たないと兄貴の知恵は拝借出来ないからな。待つしかないな。俺は講義してくる。お前も仕事しろよ!」

「あぁ解ってるよ!俺だって暇じゃない」




 三日前 統轄長室


 時宗と加藤が話しをしている。


「フランスの定例会後から、あのたぬき親父達がなんか裏で画策してるだろ?

 先日、なんで時宗達が報告書を手伝ったのがバレたのか不思議に思ってあの後色々調べたら、俺の部屋から盗聴器が出たよ。

 横浜事務所と島の仮事務所全部くまなく調べたが有ったのは横浜の俺の部屋だけだ。まあ、あの部屋は、俺は殆ど使って無いからな機密事項の話しなどすることも無いし、俺が居ない時は来客室や会議室として社員に開放しているから、怪しまれる事なく簡単に盗聴器は取り付けられるんだけどな。でも部下の誰かが俺の信頼を裏切る様な事したなんて胸くそが悪い!」と雅治は経緯を話す。

「盗聴器かぁ~。この部屋にも有るのか?調べて見ないといけないのかなぁ~。社員を疑う様な事はしたくないが……」

 時宗は部屋をざっと見渡す。

「お前、この部屋を他の奴に出入り自由にさせて居るのか?」

「まさか、でも大体俺は半年以上ここを留守しているしからね」

「鍵は?」

「鍵かける必要が有るものは奥の金庫に入れて居るからここはかけてないよ。

 それにここに来るにはこのフロアーのエレベーター前の守衛と秘書室受付のブースを通って来るからね。誰かしらの人目があるから、中々入りづらいと思うがね。

 ノーマークで入って来れるのは、お前達か玲音に廉、藤堂君くらいなもんだ。

 もしかすると秘書室の人間ならあり得なくもないが、秘書室の人事は私が選んで居るからね……。そんなことする可能性も低いと思いたいな。

 それでも誰かの目には入ると思うから、私が居ない時に入って来る人間はほぼ居ないだろう?

 でもまぁ、一応用心のため一度調べてみるか?

挿絵(By みてみん)

 それで?雅治。お前は、盗聴器の注意喚起だけでここに来た訳では無いだろう?用件はなんだ?」

「定例会後、お前がたぬき親父達から槍玉上がっているが大丈夫なのか?

 リゾート開発部のセスナ購入でもいちゃもん付けられて居るし、俺とお前の関係は元より齋藤と藤堂の癒着云々と色々と噂流されて居るだろ?

 後、たぬき親父達の経費計上に黒い影が昔から見え隠れしてるだろ?」

 時宗は渋い顔をし、腕組みをして考え込む。しばらくして、「その黒い影は何時くらいからお前の耳に入って来てる?」

「ん?お前、知らなかったのか?俺達がこの会社に入った時から度々出てるぞ、一族の者だから大きな声で言え無いし、変に刃向かって証拠探しでもして目を付けられたらここに居られなくなるから、みんな口を閉ざして問題にしてないだけで……」

「そうか、まぁその点も踏まえて調べてみるよ」

 そこに携帯が鳴る。画面を見て

「ちょっと済まない」と言って時宗は電話に出る。

「なんだ玲音か?今忙しいから切るよ?」

「あぁ、居るよ」

 携帯が切れた後、時宗は大きな溜め息をつく。

「雅治、誠が連絡して欲しいみたいだよ」

「ん?何だろ?」雅治が携帯を見ると伊集院と齋藤からの不在着信が並んでいた。

「なるほど」


「取り敢えず、雅治わざわざ御足労だったが、悪いが今は何も言えない」

「俺は、お前の友人では有るが、この会社を取りまとめる役職についている。なので今は会社の機密事項は言えない。

 近いうちに全て調べて公表するからそれまで待っていてくれ」


「そう言う事では無いんだがな。仕方ないな………。時宗は言い出すと曲げ無いからな…」


「心配しなくても雅治や誠、私の親い人材には、悪い様にはしないさ。

 悪いがちょっと本当に忙しいんだ。

 今日は素直に帰ってくれよ」


「………俺は自分の立場とかを心配しているのでは無いんだがな………。まぁ今日は大人しく退散するよ。

 面倒な報告書も残っているからな」

 と言って雅治は立ち去った。

(時宗の奴、なんか仕出かすつもりでいるな?しかも、かなり大きな事を……。)



2.Out of frying pan into the fire.


 夕刻、フロンティア学園校長室


「話を聞くのになんで、ここ校長室なんだよ!他の場所で話そう。一企業の問題を学園に持ってくるなよ!」


「ダメなんだ。俺の横浜の部屋、盗聴器か仕掛けられていたし、船までは遠いし、飲み屋とかで話せる事でもない。

 誠の所は生徒が出入りするから……。

 それに下手するとこの学園にも、関わって来る事だ」と雅治が猛反対する。


「むぅ……。仕方ないな。基本学園に学園以外の事を持ち込んで欲しく無いんだが………。いちから詳しく説明しろ」と唯野はムッとしなから誠と雅治の前のソファに座る。

 雅治と誠はそれぞれの掴んだ事を詳しく話す。


「雅治、時宗と話した時、時宗の様子は?」と唯野は雅治に質問する。

「ん?変に落ち着いていたから時宗も、恐らく何らかの見当はついてるんだと思うが……」

「今度の定例会わさわざ日本に予定を変えたんだよな?」

「あぁ、二日前に変更の連絡が来た」

「速川氏達かぁ~。この学園作る為に櫻グループに入社した時、人事部の速川氏には、かなりいちゃもんつけられて苛められたなぁ~。総務部の岡田氏には、手続き用書類に細かくこれまたクレーム付けられたし、経理部の溝田氏は、なかなか経費を認めて貰えなかったなぁ~」

「なんでだ?この学園は時宗があの会社を継ぐと言う条件に時宗以外は運営等全ての事に口出し出来ないグループ不可侵のはずだろ?会長すら口は出せないって」と雅治は驚きながら言う。

「まだ学園は出来て無かったからな…。速川氏の言い分だと」と唯野は苦笑しながらいう。

「そんな屁理屈、雅治でも言わないぞ?

 で、それで兄貴はどうしたんだ?」と誠が聞く。

「ん?それとなく時宗に相談したら、時宗がカンカンに怒って会長宅に乗り込んで行ったのさ。あの先代の会長宅に、自ら乗り込んで直談判したのは、あの時だけで無いか?わざわざ時宗自身の意思で会長宅出向く事なんてないだろ?

 多分、その時から速川氏達は時宗をよく思って無いだろうな。

 なにせ、孫の怒り様に危機感を感じたのか?あの会長がわざわざ本社ビルに出向き多くの社員が居る前で一喝してるからな。『一族全体会議で決まった事が守れないなら、ここから去れ』とな。

 俺も、あれにはビックリしたわ~。

 それまで経理の溝田氏からは俺の給料を事あるごとに、いちゃもんつけていたし、総務の岡田氏も寮として住宅提供に異例の待遇過ぎると文句言って居たのがピタリと言わなくなったもんな」と唯野は思い出しながら言う。

「だからか?雅治や齋藤君と言った時宗の近しい関係する部のあの冷遇は………。総務なんか理由問わず締切厳守で例外や特別処置認めてくれないんだろ?

 経費も、経理部がかなりうるさいらしいじゃないか?一ヶ月以上前の領収書は無効だとか?俺、基本学園側だから良かったぁ………」と誠は安堵する。

 雅治は誠を睨むと誠はひきつり笑いする。

「しかし、盗聴器まで仕掛けてるとはなぁ……。でも、雅治お前、ああ見えても時宗はお前の上司だぞ?上司をこき使うとかは……流石になぁ~」と唯野は呆れる。

「なんでだよ?仕事に上司も部下も無いだろう?それに上司は部下の面倒見る役目が有るんだから、困っている部下がいれば手伝うのは通りだ」いつも通りの雅治の屁理屈が始まる。

「まぁ、間違っても今の会長はこき使うなよ!」と誠は苦笑しながら冗談を言う。

「もし、必要な時がくればその時は玲音と言う秘密兵器がある」

「………。玲音君の逆鱗に触れないようにな。俺に相談されても、流石に玲音君の場合は、なすすべは無いからな!言っておくぞ!」と唯野は雅治に釘をさす。

「しかし、会長宅まで玲音君を連れて行ったと言う事は、何か証拠を掴んだんじゃないか?次の定例会で何か時宗はアクション起こす為に日本での開催にしたんだろうな。

 自分の後を継ぐ玲音君の為にもこのまま社内のゴダゴタ放って置くわけにはいかないしな」と唯野は推測を口にする。

「なにをする気なんだろう」と誠は言う。

「多分、一大事なんだよ。時宗の性格からして、大事でなければ、いや自分以外に責任の所在が追求されない様な面倒くさい事は時宗本人からこちらに振ってくる。それをしてきてないし、聞いても言わないと言う事は俺達に関わら無いようにし、時宗自身は何か覚悟を決めていると言う事じゃないか?」と雅治はそう確信した。

「定例会は何時なんだ?」

「三日後だ」

「何を仕出かすか分からない以上、定例会を見守るしか無いだろ?」

「定例会後お前ら何時ものように飲みに行くんだろ?

 俺をそこに呼べ、その時間なら学園も終業しているから出れる。そこで定例会の後始末を考えながら、時宗から事情を全部聞き出すしかないだろ?。だから店は貸切りかそう言う話のできる個室にしろよ!」

「兄貴も定例会出席すればいいだろ?」

「俺は学園を守らなければならないから学園代表で誠が行ってるだろ?

 船長不在の船が、出港するのか?それにここでうだうだ言っても推測の域で何も出来ない」

「そうだな……」




3.You’ll never find a rainbow if you’re looking down.


 定例会当日。

挿絵(By みてみん)

 時宗は経理部、人事部、総務部の一部の不正を暴露し、新体制での人事移動を発表を行った。

 異論が有る場合は株主総会での決着を示唆した。

 雅治と誠は自分達が考えて居たより大事件で唖然とする。

 会議は一度休憩に入り雅治と誠が時宗の所にやって来て「時宗ちょっと来い」と別室に連れていく。

「雅治、誠、何怒ってるんだ?どこに連れて行くんだよ?おい。俺、まだ資料の………」

「いいから大人しくついて来い!」と雅治は怒鳴る。

 空きの会議室に入り

「時宗!お前こないだ俺達には悪い様にはしないと言ったよな?」と雅治は凄い迫力で問い詰める。

「ああ、言ったな」と時宗は雅治とは反対に冷静に答える。

「では、なんだ?これは!!」

「お前達の進退を問われる訳でも、俺が退いても、お前達の経歴や会社の貢献度から考えてもお前らの降格も影響も何も無いだろ?それにちゃんと今後のお前達の根回しは俺がここを去る前にきちんとしておくさ」

「馬鹿か!お前は。お前の居ない会社なんぞ意味ねーよ!そん時は俺も辞めてやる!残るもんか!」と雅治は時宗の襟を掴みながら大声で怒る。

挿絵(By みてみん)

「おいおい誠、何とか雅治に言ってくれよ」と参ったなとばかり時宗は誠に仲介を頼む。

「俺も雅治と同じ意見だ」と冷ややかに誠は答える。

「誠、辞めてたら考古学出来なくなるぞ!?」

「ああ、そうだな、その時は時宗にしっかり責任取って貰わないとな?」

「おい、お前らこのまま会社に居ればいいじゃないか?お前達、子供じゃ無いんだから……。よく考えて行動しろよ?」

「時宗その言葉をそっくりそのままお前に返す!」

 時宗は深い溜め息をつく

「最悪の場合、そうなるってだけで、ならないように最大限手は打ってるよ」

「ちゃんと詳しく説明しろ!」

「困った奴等だな。親父が該当以外の他の一族を押さえてくれる。これは確約済みだ。

 一族からまず反論は出ないだろう。まぁ全親族を役職から降ろすわけでもないからな。

 それに株主総会開いてもグループ株も半分は親父と母親と俺とメアリーと玲音と廉の俺達家族で保有している。

 残りの1/4は一般投資家、残りが一族だ。

 だから一族が結束しても、いくら一般投資家を取り込んでも俺の親父や母親が反対派に付かない限り通らないよ」

「何で半分も、有るんだよ」

「俺が統轄長に着く時は、それぞれ1/3づつだったが、俺が起こした会社は、グループに属して居るが、俺が出資して俺が作っているから増えた事業に関しては、俺が全て株を保有して家族に分配しているんだよ!

 だから海洋開発部もリゾート開発部もあの学園も、俺と俺の家族が所有してるんだよ。だから今迄、その部門で大赤字出そうが、利益無かろうが一族や投資家から干渉や文句は出なかっただろ?そう言うことだよ」

「なら尚更、統轄長の座を降りて貰っては困るぞ!」

「いやいや、俺は早く楽隠居したいんだよ。小さい会社作ってさぁ~。グループとは無関係に伸び伸びと経営してみたいんだよなぁ~。なんかさぁ~こんなくだらない事で振り回されてばかりでさぁ~。空を見る暇も無いじゃないか?長いこと虹も見てない様な気がするなぁ~。俺」

「アホか!そんなことさせるかよ!そんなに虹見たけりゃ自分で作れば良いだろ!」と誠はあきれ果てる。

「まず、玲音が怒るぞ!会社を押し付けて自分だけ楽しんでいると」と雅治が言う。

「ハハハ、やっぱり怒るかな?」

「それにそんな楽しそうな事、俺達に相談無しにする気か?そんなことはさせないし、それに、何より兄貴が激怒するぞ?学園勝手に押し付けてと…」と雅治が反論する。

「う~ん。まぁ退くにしても、社内の膿を全部吐き出してからでないとね。玲音達に親子の縁を切られちゃうからさ。だから大丈夫だよ、まだやらなければ行けないことたくさん有るからさ」

「なら、なんで俺達に相談しない!」と誠が言う。

「あの3人は元々俺を支持して無かったみたいだからな。俺が親族会議で藤春氏と俺とでどちらが相応しいか俺達家族は席を外して裁決取ったときあの3人含め数名は藤春氏を押して居たらしいが、じいさんの鶴の一声で全員一致と書き変わったらしい。

 やられたよ。まぁあの正月の挨拶とか言って騙し打ちするのだから仕組まれて居たんだなぁ。だからあの3人は俺に対する私怨だ。お前らを巻き込む訳には行かないだろ?」

「時宗。お前はどうでも良いことには散々巻き込んで肝心な事は自分だけとはムシがいいな?」と誠が言う。

「ん?どうでも良いこと?」

「世界遺産巡り」

「あーうん。そう言えばここ最近行ってないよな?また4人で行くか?今度はどこがいいかな?玲音達やママも連れて行くか?兄貴夫婦も………」

「誠!時宗がまた変な方向に向いてるぞ!」

「うむむ、失敗した!あれはもう自分の世界に入ってるぞ?不味いな……」

「あれだけ世界中行き倒してまだ行き足りないのかよ?あのままだと夕方、また兄貴怒るぞ?太陽の塔も結局、兄貴は無理矢理付き合わされてるしな………。悪い癖だよな?」

挿絵(By みてみん)


 夕刻 料亭個室


「時宗!」

「兄貴そんなに怒んなくても~」

「お前、あの学園を俺に押し付けて自分は楽隠居するつもりとはいい度胸じゃ無いか?」

「いや、まだ先の話だし、俺の後は、廉と玲音が俺の代わりにずっと兄貴のサポートするからさぁ~」

「お前、俺に数学の研究の時間やる。と言って校長押し付けて、教師やっていた以上に時間が取れないのに、お前だけ優雅に世界遺産巡りとは!」

「兄貴!!【世界遺産巡り】言葉に出したらダメだよ!」

「あぁそうだ!今度は ガラパゴス諸島なんてどう?みんなでさぁ~。俺が全部経費もつからさぁ」

「あぁ出たよ……」

「今度の長期休みにどう?兄貴の奥さんちゃんと言って置いてよ?ママにも連絡しないとな?齋藤君達も行くかな?」

「おいこら、まて、なぜ行くことになっている」

「え?行かないの?」

「行くかよ!ただでさえ自分の時間が取れないのに!」

「なら、奥さんはちゃんと言って置いてよ?」

「なんでうちの家内は、参加になるんだ?」

「ママが喜ぶからね。それに奥さん退屈しているでしょう?旅行くらいさせてあげなよ~」

「うちの家庭の事に口を出すな!」

「そう言えば兄貴あの島にも、遊びに来てないよね?奥さん行って見たいってよ?」

「なんでお前がそんなこと知って居るんだよ!」

「ママと兄貴の奥さん仲良くて暇さえ有ればよく電話で話しているみたいだよ?」

「あっ次の正月兄貴達もおいでよ?

 みんなで、自然の中で年越ししょうよ?今年の年末は楽しくなりそうだ」

挿絵(By みてみん)


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