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電撃という名の刺激

六、


 目を開けると雨が俺の顔にすごい速さで当たっている。とっても刺激的だ。というよりかなり痛い。特に肩が・・・


「ああ、輝さん・・・・昨日初めて会ったのにもう死ぬなんて・・・・よっぽど日頃の行いが悪かったんですね?」


「・・・勝手に殺すなや・・・」


 俺はすごい力で肩を掴んでいる葵から離れた。近くには金髪の小さな・・・中学一年生ぐらいに見える少女が倒れている。


「葵、あの子誰?」


「ああ、あれは先程の竜ですよ。輝さんに小さな雷を当てたあと雷に打たれたようにその場に崩れてあの形になったんです。」


・・・それまた的確な比喩表現を使ってるじゃないですか・・・・とりあえず俺はなぜだか知らないがあの気絶しているであろう少女に謝らないといけない気がした。


「・・・葵、悪いが先に帰って風呂の準備をしていてくれないか?」


「・・わかりました。」


 葵は素直に従ってくれて山を走って降りていった。俺は倒れている少女の横に行くとその体を背負うことにした。見た目と違わぬ軽さである。


「・・・さて、どうしたもんかな?」


 未だに体がびりびりしていていつものように体に力が入らないことに気が付いた。足もなんだか疲れているのか知らないが思うように動いてくれない。しょうがないので雨がやむまでどこかで雨宿りをすることにした。ちょうどこの黄色い竜がいたところは雨があたっておらず、そこで休むことにした。


「・・・・んっ・・・」


 隣に降ろした少女は目を覚ましたようだ。ここで詳しくこの少女の見た目について彼女が完璧に状況把握できるまで説明させてもらおう。

 髪は金髪でツインテール。

ああ、こんな子が妹にほしいなぁ・・・・じゃなくてだ。

目つきはちょっと鋭い。なかなかかわいい顔をしているのにもったいないな・・・。身長も低いし・・・俺視線では中学二年ぐらいかな?体の発育も遅いみたいだし・・・幼児体系という奴だ。ロリコンな人ならどうにも好きそうな感じである。俺?俺は好みは・・・おっと、隣の電撃少女が俺の存在に気が付いたようだ。


「・・・・ありったけの電気を流し込んだのに死んでないなんて・・・・」


 その鋭い目を思いっきり見開いて俺を見ている。どうやら俺をマジであの世に送るつもりだったらしい・・・。ああ、俺は天国と地獄、どっちに行ってただろうか?


「おあいにくさま、そう簡単に俺は死なないみたいだからね。」


「・・・・私を誘拐しても身代金は一切でないわよ。」


 どうやらこの敵意剥き出しの少女は力を使い果たしたようだ。俺から離れようとしているがまったく力が入らないらしい。


「・・・いや、別に金がほしいわけじゃないぞ。」


「じゃ、じゃあ・・・まさか・・・私が目的!?」


 いや、俺としては遠慮しておこう。というより願いさげだ。


「・・・・俺は少女趣味じゃないからね。むしろ迷惑だ。そんなことよりお前はいったいなんだ?」


「雷よ。ちょっと前まではね・・・」


 そりゃまぁ、あの大木を木炭みたいにしたところを見るとあながち嘘ではないと思うのだが・・・・。


「雷は皆憂さ晴らしをする為に地上に落ちるの、そのときはロープを巻いて雲の上から飛び降りるんだけど私は運悪くロープを巻くのを忘れていたの・・・・。」


 ぶっちゃけ、ひも無しバンジーというやつですか?雲の高さからバンジーも怖そうですがひもなしだったら死ぬでしょうに・・・・


「挙句の果てに狙った獲物は一発で消滅させることができなかったし、ロープもないから空に戻ることもできなくなったの・・・・」


 前者はまぁ、もうちょい大きくなれば達成できそうなものとして後者は自業自得だろうに・・・。しかし、あてがないのはかわいそうだなぁ。


「特に極めつけは変質者に教われて力を全て使い終わるなんてまったく、馬鹿げた話だわ。」


 その変質者は俺ですか?別に何もする予定もありませんが?


「はいはい、じゃあ、俺の家にきてくださいよ。似たような人がいますからね。」


 あのおばさんのことだから間違いなく許可するだろうがこの少女がどう出るかはまったくわからない。


「・・・そうね、ありがたく私があなたの家に行ってあげましょう。輝さん、早く道案内をしてください。」


 どことなくえらぶっている気がしてならないが相手は多分俺より年下だからここで反抗するのもなんだか子供みたいだ。俺はとりあえず立ち上がり少女に手を差し出した。


「ほら、つかまりなよ。」


「・・・・しょうがないわね。」


 やれやれ、手をつかんだのはいいが一向に立ち上がらないところを見ると間違いなく立てないんだろなぁ。俺は手を離すことにした。


「あっ・・・・」


 当然のように立ち上がろうとしていた少女は支えがなくなり後ろにこける。ははは、いいざまだ。


「なにすんのよ!!」


「ほら、これなら移動できるだろう?」


 俺は少女に背中を見せる。いいかげん腹が減ってきたので早く帰りたい。挙句の果てに濡れているので風邪をひいてしまう可能性も高い。


「・・・ふんっ!!」


 そんな感じで俺の背中に軽い体重がかかる。俺は立ち上がって歩き始めた。ああ、神様・・・できればまともな女の子との出会いをください。


「まぁ、蹴ったのは悪かったよ。」


「・・・・べ、別にいいわよ。」


 ああ、俺って不運。背中にあたる感覚もしょぼい。もうちょっと強くしていいのになぁ。


「・・・・私も悪かったわよ。殺そうとして・・・」


「?なんか言った?」


「ふんっ!何もいってないわよ。」


 ・・・・これから先が思いやられるのは俺だけか?それともこれは俺が何か悪いことをしてしまった償いなのか?教えて、おじいさま。てか、今度あったら絶対に何か聞き出してやる!!



 先はまだまだ長い!!どうも、皆様・・・どうだったでしょうか?面白かったら幸いです。それと感想や意見をお待ちしておりますのでよろしくお願いしますね。

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