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ああ、終わってしまった・・・

 これで一応、終わりとなりました。試しに書いていたものなので・・・・これからどうなるかはわからないところです。いままで、応援ありがとうございました。

二十八、


「・・・・よ、せい!!」


 俺はだんだん下ねた竜の近くに行くことができた。そして、なんだかわからないが湧き上がってきたものを拳に重ねて・・・・叩きつける!!


ばっしゃーん!!


「ぎゃぁぁ!!」


 竜に聞いたのかはわからないが、どうやら、痛がっているようだ。でも・・・今俺の手に水がついていたような?


「うむ、輝よ・・・それが極意なのじゃ。奪った力を使いこなす・・・・それがこの拳法の真髄じゃ。しかし・・・・まだまだじゃな。」


 いつの間に復活していたのだろうか?爺さんは俺の後ろに立っていた。


「ほれ、早くしないと黒龍が復活するぞ?心配はいらん、あの黒龍は寝起きが悪いだけじゃ。もう一度眠ってもらえばいいことじゃ。」


 俺は遠慮なく、苦しんでいる竜に攻撃を再開した。しかし、不思議なもんだ。座禅組んでただけでこんなに強くなれるものなのだろうか?う〜む、謎だ。誰か教えてもらいたいものだ。



 それから、ようやく俺は黒龍を鎮めることに成功した。


「はぁ・・・・はぁ・・・・はぁ・・・・」


 俺ももう限界だ。菜々美と同じように片膝をつきその場に寝転んだ。も、もう駄目だ。死にそうだ!!


「さて、輝よ。黒龍を見事倒したお前を復活させようと思ったのだが・・・・どうやら、無理のようじゃ。」


 え・・・・今何といいました?それもなんだかすごいことを言われたような気がするのですが?


「・・・・・あまりに遅いお前の帰りにどうやらばばあが待ってくれなかったようなのじゃ。結果、火葬されたのじゃよ、お前の体はな・・・・・」


 えぇぇぇぇっぇぇ?か、火葬?


「つまり、俺は完璧に死んだことになってるのか?まだぴちぴちなんだぞ?」


 爺さんは耳を塞いでおり、どうやら俺の話を聞きたくないようだ。しかしお前・・・・火葬だって?冗談じゃない。


「・・・・まぁ、どっちにしろ体がもう腐敗してたんじゃないかのう、そんなときにお前の体にお前が戻ったら現代版のゾンビじゃな。頭を撃たれて終わりじゃな。」


「じゃ、なにか・・・俺はもう、どうすることも出来ないのか?」


「安心せい、あそこに女の子ならおるじゃろう?あのこで我慢せい。」


 爺さんはそういうと、菜々美を連れてきて俺の目の前に置いた。菜々美は俺を見上げている。


「・・・・・爺さん、とりあえずどうにかして俺は戻ることが出来ないのか?」


「あれ?スルー?・・・・・そりゃもう、死んだ人間を生き返らせるのなんて無理じゃ。体が残っているならまだしも、カルシウムの塊となっているお前の体に何をしても無駄じゃろうな。ま、犬の餌になるか学校の校庭に引くラインぐらいしか使い道がないと思うがの?」


 さて、選ぶならどっちがいいかな・・・・じゃない!!


「じゃ、なにか・・・・やっぱり俺はここで暮らさないといけないのか?」


 頷く爺さん。そして、再び菜々美を押し出してきた。なんだ?菜々美がなんかしてくれるのか?


「・・・・ほれ、昔お前に言わなかったか?確か・・・・お前が三歳ごろの話じゃ。」


「覚えているわけないだろう!!で、それがどうした!死んだ人間に関係あんのかよ?」


 爺さんは菜々美に耳打ちをする。するとどうだろうか、菜々美は驚いて俺のことを見上げ、さっきと見る目が違っている。


「・・・・・まさか、許婚とか言わないよな?」


「ふん、貴様に許婚など存在するわけがなかろう?この子はお前の妹じゃ。その昔、両親が死んだときに一緒に死んでしまったのじゃ。」


 はぁ、よかった。許婚じゃないのか・・・・え、爺さんは今、なんて言った?


「い、妹?そんなの俺にいたのか?」


 爺さんは頷く。そして、菜々美は俺に抱きつく。


「お兄ちゃん!!」


 は・・・・どうなってんだ?誰か教えてくれ・・・。


「・・・・輝、いいお兄ちゃんになるんだぞ?」


「チョイ待て!そんなの俺は知らないぞ!!いったいどうなってんだよ!!説明しろ!!」


「いいか、輝・・・・実のところはお前の両親はな、ある時、事故を起こした。そのときお前はわしの道場にやってきており、わしから拳法を教えてもらっていたのじゃ。その日はな、今までお前に黙っていた妹のことを話そうと両親は離すためにお前のもとに行こうとしたのじゃ。妹は重病じゃったがその病気も治り、憧れのお兄ちゃんに会うために喜んでおった。だが、事故で死んでしまい、両親はさっさと成仏してしまったのじゃ。だが、この世にすんごい未練があった菜々美はここに残ったのじゃよ。」


ぶっちゃけいって・・・・俺の両親って意外に淡白な人だったのかもね?残された俺のことを特に未練だとおもわなかったのだろうか・・・・


「で、ここに残った菜々美をわしは見つけたのじゃ。そして、血のつながっていると知っていながら・・・・他人のふりをしてこの子を鍛えたのじゃ。輝と同じ拳法を教えてな。」


 俺の体に顔をこすり付けていた菜々美は眠ってしまったようだ。しかしまぁ、そんなことを急に言われても困るのだが?で、結局俺はどうなるのだろうか?


「爺さん、俺はどうすればいいんだ?」


「・・・・・一応、方法はあるが、まぁ、とりあえず少しここで生活していきなさい。あるとしても今は無理だからな。」


 そうだな、普段出来ないことをしておくのもいいかもしれない。これはこれで楽しんでおくことにしよう。


「わかった。とりあえずここで生活させてもらう。」


「・・・・そうか、まぁ、そんなことより飯にしようかの?」


 そういえば・・・・こっちにきて何も食べてなかった。おなかが減ってたんだな俺も・・・・


「・・・・・白龍か・・・・」


「?・・・なんか言ったか爺さん?」


「なんでもない。爺の戯言じゃよ。それより輝、面白いビデオとディーブイディーというものがあるが、見るか?」


「・・・・遠慮しておくよ。」


「ちょっとなら大丈夫じゃよ。ここにはお前さんを咎める葵とか言う竜もいないしな。たまにはどうじゃ?」


「いや、やめておく。」


 なぜ、かたくなに俺がそういったのか・・・・それは、なぜだか知らないが・・・この会話を誰かが聞いているような気がしたからだ。気のせいならいいのだが・・・もしも、もしもだが、俺が承諾してしまって葵たちの耳に届いたら俺は吊るされること、間違いなしだからだ。きっと、俺はいつか・・・みんなのところに戻ってみせるさ・・・・            〜完〜


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