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爺さんの遺産(前編)

 二十一、


 季節も移り変わるもので・・・・いや、五月が季節が変わったというのだろうか?まぁ、なんにせよ俺の特に何もない学校生活は一ヶ月がたった。転校してきたという設定の三人と本当に転校してきた幼馴染はいまや学校に完璧になじんでおり、俺の名前より知っている人物のほうが多い。ま、俺としてはいいことだと思うのだが・・・・。


 午前中の授業も終わり、弁当の時間と混合の昼休みがやってきた。俺はその場で弁当を広げる。


「輝さん、今日は私がお弁当を作ってきたんですよ。どうぞ、食べてみてください。」


 隣から離しかけてくる葵。俺の弁当箱から赤いはさみが飛び出ていた。まだ動いているところをみると・・・・いや、世の中にいっていいことと悪いことがあるからな。やめておこう。


「・・・・いや、俺も弁当を盛ってきているからいいよ。」


「輝、私の弁当食べてみてくれない?」


 左隣から加奈が俺に小さな弁当箱をさしだしてくる。俺は一応受け取って開けてみる。意外と中身はまともであった。だが、白いご飯と梅干以外に面積を有しているものはなかった。


「・・・・・加奈、今度一緒におかずの練習でもしよう・・・」


 加奈の弁当を戻して俺は再び弁当をあけようとする。しかし、次にやってきたのは碧さんであった。


「輝君、私のお弁当を食べてみて。残さず食べてくれるとうれしいな。」


 みどりさんの弁当は重箱4段で構成されている。いや、こんな量を一人で食べろなんて無理だろう。


「・・・・すいません、今日は、胃の調子が悪いみたいなんですが・・・・」


 俺は謹んで辞退させてもらい、今度こそ俺が作った自分の弁当を開けようとする。だが、まだまだ先はあった。


「アキ、私の弁当見てみてよ。」


 穂乃香ちゃんはなにやら危険な香りのする弁当を持ってきた。


「・・・・いや、見るだけならいいけど・・・」


 俺は覚悟を決めてみた。だが、俺の目にはモザイクがかけられて、よく見ることはできなかった。多分、見ていたら失神していたに違いない。


「味はいけるよ?」


 そんなことを言う、穂乃香ちゃんを見て俺は思った。これはうん○味のカレーとカレー味のうん○、どっちがいいかと聞かれるようなものだと・・・・

 ここにいてはゆっくり弁当も食べることはできないと思ったので場所を変えることにした。他の面々はそれぞれ自分の弁当を食べ始めている。葵は、ぼりぼりと音を立てながら・・・加奈は物足りないといった表情で・・・碧さんは他の人より速いスピードで箸を動かしているし、穂乃香ちゃんにいたっては気絶している。



 屋上の風は気持ちがいい。俺は一人、屋上で風を体で感じていた。ふ、自分によってしまうぜ・・・・さて、冗談はここまでとして俺は限りなく広がる空を見た。

 心を整理したいとき、俺は青い空を見る。それは小さいころからの習慣のようなもので、俺は意外と気に入っていることでもある。屋上に設置されているベンチみたいなものに俺は腰掛けて目を閉じた。


 ひゅるるるるる・・・・


 何かが飛んでくるような音がして、それがこっちに向かってきたのを知ったのはかなり後のことである。ついでに言うならそれは俺に直撃したらしい。



「輝、お爺ちゃんは久しぶりに登場できて感動じゃ。いつくたばってもいい。」


「爺さん、死んでるんだろうに・・・・」


「全く、輝はつれないのぉ。面白いことを教えてやろうと思ったのに・・・・」


「ふん、どうせ・・・またエロいことだろ?」


「いや、お前に必殺技を伝授しに来たのだ。」


 爺さんの目は本気だった。ここまで爺さんが本気の目をしたのは・・・・女湯を覗きにいくときと、手鏡を使ってエスカレーターに乗るときぐらいだ。それ以外でこんな目をしたのは初めてじゃないか?


「お前さんが今習っているのはな、全ての声を聞く拳法じゃ。」


 いや、ぶっちゃけいって何を言っているのかさっぱりわからない。


「・・・・つまり?」


「その拳法の技を習得していくことにより、お前は変なものに会う確率が上がっていく。」


「・・・・俺が・・葵達にあったのもその拳法のせいか?」


「いえす!ざっつらいとじゃ。次に必殺技じゃが・・・・」


「倒す敵もライバルもいないのに必殺技か?」


「いちいちうるさいのぉ。知っていて別に損はなかろう?」


 まぁ、確かにそうだが・・・何か問題はないなら別にいいか。


「じゃあ、教えてくれ。せめて痴漢撃退ぐらいには使えるだろうからな。」


「男が痴漢撃退するのもありえんじゃろうに・・・。まぁ、いいじゃろう。まずは精神を統一するのじゃ。」


 俺は言われたとおり、真っ暗な世界で目を閉じ、心を無にする。


「・・・・心を真っ白にするのじゃ。真っ白〜真っ白〜。」


 真っ白〜真っ白〜


「真っ白〜真っ白〜純白〜純白〜」


 純白〜純白〜しろぱんつぅ!!


「純白~純白〜しろぱん・・・・爺さん、ふざけるのはよそでやってくれないか?」


「ちぇぇ・・・冗談なのに・・」


 この後も俺は爺さんの妨害をくらいながらも・・・・何とか精神を集中させることができた。


「では次に・・・基本の構えを取った後に・・・全身から力を取り除き、体に緊張感を持たせる。」


 爺さんがいっていることはかなり怪しい。目だけは本当に真剣なのだが・・・手元においている本をちらちら見ながら行っているからだ。大丈夫なのか?


「さて、これでいいはずじゃ。それではいくぞ!!」


 爺さんはいきなり俺に襲い掛かってきた。いつものおちゃらけ度は全く感じられない。その目はまるで獲物を狙う獣のようだ。それに、強さも全く劣っていないし、逆に強くなっている気がする。


「そりゃ、どうした?」


「く・・・くそぉ!!」


 俺の拳はむなしく空を殴り、逆に俺の腹に爺さんの拳が突き刺さる。く、エロじじいめ。



 ここから動き始める物語・・・・とりあえずこんな感じでしょうか?何がときかれた場合のみ答えさせてもらいます。いや、ただ書くのがめんどいわけではないですよ?

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