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未来予想図?2

十八、


 俺は、頭を抱えて悩んでいる。葵が持ってきたザリガニのこともあるが、おばさんから言われたことがまだ終わっていないからである。


「輝さん、顔色悪いですよ?」


 ザリガニをゆでて来て、口の中にほおばって喋っている葵を見る。どこかで見たようにその口からははさみが飛び出している。ゴリゴリといやな音が一定のリズムで俺の脳内を暗いほうに導いている。


「・・・葵、ちょっと散歩してくるから・・・留守番を頼んだぞ?」


「私も行きたいのですが・・・?」


 俺は首を横に振った。葵と一緒に歩いていたら再びザリガニを捕まえに行くことになる可能性がある。ザリガニは苦手ではないが、ザリガニを食べている葵を見るのはちょっと抵抗がある。簡単にたとえるなら気ぐるみの中から人が出てくるようなものだ。


「じゃ、いってくるわ。」


「はい、いってらっしゃい。」


 俺は家から出て、歩き出した。そうだ、相手を変えてみることにしよう。


〜加奈の場合〜


 俺は朝の光で目を覚ます。カーテンからもれる光が目に厳しい。そして、隣でかわいい寝息を立てている加奈を見る。


「・・・ぐぅうぅう・・・」


 撤回、凄いいびきをかいている加奈を見る。よだれも少々・・・・いや、これ以上言うとなんだか可哀想な気がしたのでやめておこう。俺はそんな可愛い寝顔の加奈の鼻に人差し指を突きつける。いつまでも見ていてもいいが・・・・朝からはちょっと刺激というかなんというか・・・とりあえず起こすことにする。


「加奈、早く起きろよ。」


「・・・むぅ・・・。」


 鼻をつつくが起きようとしない。幸せそうな顔をして寝ている。やれやれ、しょうがない奴だ。


「加奈、早く起きないと・・・。」


「・・・ぱくっ・・・。」


 ちぃ、味なまねを・・・。こいつ俺の指を噛みやがった。


「ガジガジ・・・・」


「いてぇ!!」


 しょうがない奴だ。こうなったら強硬手段・・・布団をはがしてから顔に水をかけるしかないな。


「せりゃぁ!!」


「・・・・きゃぁ!!」


 布団をはがすとついでに加奈までベッドから落ちた。俺のせいじゃないもーん!!いつまでも起きない加奈が悪いんだもーん。


「加奈、おはよう?」


「輝、起こすときはもうちょっとやさしく起こしてよ。たとえば耳元でおはようとか・・・」


 こいつは朝から何をいっているんだ?まったく持って・・・


「わかった。今度はしてやるから早く着替えろよ。」


「輝もまだ着替えてないじゃない。」


 ぶすっとした顔で俺に文句を言う。いやぁ、見ていて和むねぇ。


「加奈、そういう顔しても可愛いな。」


「ふん、おだてても無駄よ。」


 そんなことを言うが顔は真っ赤だ。こうした仕草や態度も可愛いもんだ。・・・いや、寝顔だけはやっぱり勘弁してもらいたいかもしれない。


「輝、今日は何か予定ある?」


 目の前で服を脱ぎだした加奈を見ないように答える。


「いや、暇だ。」


「じゃ、どこかに行こう?」


 俺は答えとして頭を下げて部屋を出て行った。後ろからは加奈に馬鹿にされている証拠の言葉が返ってくる。


「別にいいのに・・・」


 いや、俺としてはどうかと思うのであえて一階に降りていくことにした。やれやれ、加奈のあの体系を見てもあんまりよろこばねぇよ。

 どこに行こうか考えながら新聞を眺める。今日の一覧には凄いものが載っていた。


『平和な町の商店街で雷が落ちる?奇跡的ながらも怪我人はゼロ!!』


 俺は目眩を感じながら新聞をたたむ。そして、丁度降りてきた加奈に聞いてみる。


「・・・・加奈、昨日商店街に行かなかったか?」


 思ったとおり、加奈はびくっとして俺に向ける視線を伏目がちにする。


「いや・・・・行かなかったわ。」


 加奈の手をとる。それで簡単に加奈が嘘をついているのがはっきりとわかる。


「加奈、俺は別に起こってなんかいないんだぞ?」


「・・・・うん、わかってるわよ。」


 加奈はたまに放電する癖があるらしく、何か嫌な事があるとあたりかまわず電気を放出。それにより、ストレスを発散させるらしい。いや、まったく困ったものだ・・・。


〜加奈編終了〜


 バリバリバリ・・・


 俺は音がした方を見る。晴れているのにその方向には一筋の閃光が空を切り裂いた。ちょっと不安になってその方向に駆け出す。

 駆け出した方向から加奈が走ってきたのが確認できる。どうやら泣いているようだ。しかし、俺を見ると涙を引っ込めてしかめっ面を作る。


「・・・どうした・・小学生にでも間違えられたか?」


 そんな冗談を言うと、加奈の顔はいっそうに酷くなる。これは加奈と俺がはじめてあったときと同じ表情だ。雷が俺に直撃する可能性は高い。


「加奈、悲しいときは思いっきり泣け、俺が聞いてやるからな?しっかり受け止めてやるからさ・・・・」


 命の危険にさらされて俺は加奈をなだめることにした。加奈は泣き顔に戻り、俺に向かって走ってくる。


「輝ぁ・・・・!!」


 ばりばりばり・・・


 俺の胸に飛び込んできたのは加奈だけではなく、雷というおまけつきであった。




 ちょっと続いてしまいました・・・ほんとはもっとあとで書くつもりでしたが・・・。まぁ、しょうがないことです。語感想などをお待ちしておりますのでよろしくお願いします。

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