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道場へのつらく泣きたくなる道のり

十五、


 今日もいたって平和に終わり・・・・いや、いろいろと騒動があったなぁ。中学からの友達が彼女と一日中ラブラブだったので頭にきて悪戯したら本気で襲ってきたなぁ。あれは正直びびった。


「輝、これからどこかに行くの?」


「ああ、おばさんが言ってたろ?」


 今日は道場を探してみる予定だ。できればこんな時代錯誤みたいなことはしたくないがおばさんのお願い(命令)を足蹴にするのも心を痛める。(ついでに言うなら体もぼろぼろになるに違いない。)


「加奈、悪いけどついてきてくれないか?」


「い、いいわよ。」


 加奈は承諾してくれたのでよかった。おばさんが言ってたことは誰かと行けといっていてようなきがするし・・・。


「そんなことより体は大丈夫なの?朝ひき逃げにあったそうじゃない?」


 俺を撥ね飛ばしていった車はそのまま行方をくらましてしまったのだ。悪いのは俺なのでここで文句をいっていても始まらないと思うのでそのままにしていていいだろう。


「加奈、ちょっと先にお礼をさせてもらうよ・・・。何か食べにいこう?」


「え・・・・二人で?」


「ああ、誰も誘う人いないし・・・」


 加奈は難しそうな顔をしていたが何をそんなに考えているのだろうか?



 そして、加奈は俺の前の席でアイスを食べている。いやぁ、俺の微妙に薄い財布はそろそろ平地になろうとしている。まさか加奈が頼んだアイスがここまで高いとはまったく思っていなかった。


「・・・・輝、頼まないの?」


「・・・いや、実はお腹がいっぱいでさ・・・・」


 目の前であんな大きなアイスを食べられていたら俺は腹いっぱいになってしまい、何も頼む気にならない。むしろ頼んでしまったら俺の財布は間違いなく持っていても意味のないものになる可能性がある。いや、絶対だ。


「けど、そのアイスはそんなにおいしいのか?」


 加奈の顔はとても幸せそうだった。知り合って・・・(いや、まだぜんぜん経っていないが・・・)一番の笑顔だ。


「・・・まぁ、誰かと一緒に食べれるからおいしいのよ。」


 そんなちょっと背伸びしたような台詞はこの顔からは出されるとは思わなかった。いやぁ、生意気な小娘だねぇ。だけどとても幸せそうな顔をしているから否定するようなことはできないなぁ・・・・と、目をつぶって考えていると店内から

「おお!!」

という声が聞こえてきたので目を開けるとそこにはとてつもない量が・・・まだ半分以上残っていたバケツ並みのアイスが消えてしまった。そして、代わりに口の回りをアイスまみれにした加奈が俺の顔を見ている。


「・・・・口の周りにアイスがついてるぞ?ほれ、拭いてやるからこっちに顔近づけろ。」


 あえてどこかに消えてしまったアイスに付いては触れないでおこう。周りの人たちからの好奇心丸出し・・・・特に加奈への視線が鋭い気がする。


「ん、ありがと・・・」


 俺は急いで加奈の手を引き逃げるようにその店からでた。今度大食いの店に連れて行ったら面白いかもしれないなぁ。俺はそのまま道場の集中しているところに向かって走っていった。

 あたりは夕焼けに包まれていた。ついでに言うなら俺を見て回りの大人はひそひそ話し合っている。


「・・・奥様、あれって誘拐ではありません?」


「まぁ、恐い・・・警察は何番だったかしら?」


 どうやら俺が手を引いているので加奈を誘拐しているように見えるようだ。俺は加奈の歩調に合わせることにした。そして、握っていた手を離す。


「・・・加奈、どうやら俺は誘拐犯のように見られているようだ・・・」


「うん、事実輝は私を連れてきたからそうよね?」


 近くのおばさんたちが更に声を低くして話し始める。


「・・・・。」


「・・・ごめん、冗談よ。だからそんな泣きそうな顔しないでよ。」


 ああ、マジで泣きたくなってきた。俺っていつから犯罪者のレッテル張られてんだろうか?


「だ、だからほんとに・・・今では輝に会えてよかったと思えているんだよ?」


「・・・・へっ・・・」


 男が泣きたくなる時は・・・・玉葱を切った時と、股間を蹴られた時、最後に変質者に女と思われて押し倒されたときだと爺さんがいっていた気がする。・・・まぁ、それに襲ってもいない相手から犯罪者にされるのもぜひとも加えてもらいたいものだ。


「ほら、手を握ってあげるから泣かないでよ?」


 加奈が俺の手を握ってくれた。瞬間、俺の頭に電撃が走った。


 やれやれ、輝は本当に高校生かしら?まったく、誰かがいないとすぐに泣きそうな感じだし・・・。


「加奈、言っていいことと悪いことがあるんだぞ?」


 俺はなんだか小学生に泣き虫といわれたような感じになった。ああ、マジで泣きたいわぁ。


「・・・あんたこそなんて思ってんのよ。私は輝の妹じゃないわよ。」


 加奈はそう言いながらもしっかりと俺の手を握ってくれていた。俺には妹も姉も弟も兄貴もいないのでこういうのはとてもうれしかった。ついつい顔が緩んでしまう。


「まぁ、きっといかがわしいことを考えていますわよ!!奥様!!」


「ほんとね!!今すぐ警察を呼ぶべきだわ!!」


 俺はこの道を二度と通りたくないと思った。もし今度誰かと手をつないでいたところを見られてしまったら今度は間違いなく警察官がきそうだ。


 それから少しして、いろいろな看板を掲げた道場が見えてきた。どれも聞いたことのないものばかりで・・・・ネーミングセンスがいまいちだと俺は思う。


「・・・・・さて、どこの看板をもらえばいいんだ?」


「あ、あれでいいんじゃない?」


 加奈が指差したところの道場は彼女にとってはいいところかもしれない。

その名も・・・・『電撃道場』と、見た目的にも派手な道場であった。いや、こんなところの看板なんて俺はいらないと思うのだが?


「たのもぅ!!看板をよこしなさい!!」


 加奈はさっさと道場の門を叩き、道場破りを宣言している。ああ、このまま彼女に任せたほうがいいのかもしれないなぁ。


「・・・・ふ、いいだろう・・・門をたたいたことを後悔するなよ?」


 誰かの声が聞こえてきて、門が自動的に開いたのであった。


 えーなんだか加奈とあまり関係ないようになっていたので今回、やってみました。どうだったでしょうか?できましたら感想のほうをよろしくお願いします。

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