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おまけ召喚 第三部 雪深き学び舎に潜む影  作者: 草野 瀬津璃
第十一幕 侵略するは黒き闇
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六十四章 魔王の亡霊と勇者様 2



「ええ!? オニキスさん!? な、何でここに!?」


 オニキスこと、今代の勇者である川瀬達也が、ゼノと狼に乗った銀髪の少女と茶色い髪をした弓を手にした女性神官ともに現れたところだった。

 白いシャツの上にダークレッドの皮製の鎧を着て、黒い上着やズボン、茶色いブーツを履いた旅人の装いをした達也は、抜き身のサーベルを手にしていた。無愛想な面立ちは相変わらずであるが、流衣を認めて、少しだけ表情を和らげる。

「いや、手紙で書いただろ、会いに行くって。それで来てみたら、正門で門番の猫の獣人が血を流して倒れてるわ、中に入れば爆発が起きてるわ。こっちが怪しいって精霊が言うから、こっちまで来たら、俺達が探してた物を持ってる奴までいるじゃないか」

 分かりやすい状況説明、ありがとうございます。

 まあ確かに、門番がそうなっていれば、何事かと様子を見に来るだろう。

 門番である獣人、ミケとニケを思い浮かべて身を案じつつ、流衣はなるほどと感心した。

 そうしていると、達也の後ろから、茶色い髪をした女性が前に踏み出した。

「アーク、探したわよ! あんた、何やってんのよ! そんなに瘴気を撒き散らして! 私は幼馴染として恥ずかしいわ!」

 青筋立てて女性が怒る。拳を握り、勢いよく怒鳴った。

 思わず流衣は達也を見る。

「えーと、例の方ですか?」

「……ああ」

 達也は心底疲れた様子で頷いた。

 なるほど、この女性がアークを探しているエマイユという女性らしい。とても分かりやすい。

「噂をすれば……。残念だな、娘。この男の意識は、欠片も残さず喰らった。死んだものと思え」

「はあ!? 何ふざけてんのよ、この馬鹿アーク!」

 だんと足音荒く地面を踏みつけるエマイユ。はしばみ色の目を怒りに染めている。本気で怒っているらしい。

「――やれやれ。勇者一行が来ては、流石に不利か。今回は引くとしよう。……老師、帰るぞ」

「は、はいっ!」

「その蛇は、手土産に置いていけ」

「分かりましてございます!」

 巨大な影の蛇を勇者達にけしかけ、老師は男の側に走って来る。

 舌打ちして、すかさず飛びかかってきた蛇の頭を、サーベルで受け止める達也。ガキンと硬質な音が響いた。そして直後、刃先から炎が渦をえがいて飛びだし、蛇を吹き飛ばす。

 壮絶な場面など眼中にないエマイユは、盛大に怒鳴る。

「ちょっと、逃げる気!? 卑怯者! ちゃんと話していきなさい、この馬鹿!」

 いや、すごい。ネルソフのギルドマスター相手にこの暴言の数々。

 男はうるさげに眉を寄せ、エマイユを無視した。

「――行くぞ」

「は」

 そして、その声とともに、男と〈蛇使い〉の姿が、自身の影の中にポチャンと沈んだ。姿が消え、影の痕跡もなくなる。

「影を渡っていったのじゃな。恐ろしい連中じゃ……」

 アルモニカがぽそりと呟いた。

 そういえば、前に影飼いといわれる闇魔法使いの上級者は、影を伝って色んな場所に行けると言っていた。初めて見たが、不思議な光景だ。


「ああ、クソ! やっと聖具を見つけたと思ったのに、逃した!」


 腹立ち紛れに雷を幾つも蛇に降らせ、あっという間に大蛇を消し飛ばした達也は、心底うんざりしたように天に向けて叫んだ。

「まあまあ、落ち着かれて下さい」

 それをゼノが両手を広げてなだめている。

「もう! あんた、一応は勇者なんだから、ちょっとくらい足止めしたらどうなの!?」

 そんな達也にエマイユが怒鳴り、達也も睨みかえす。

「うるせえな。怒鳴り散らすしかしてない奴が吠えるな!」

「あんですってぇ!」

「ちょ、こっち来んな!」

 エマイユが達也に近付いた瞬間、青ざめた達也は身を翻してゼノの後ろに逃げた。そして、必死にゼノの背中を押して、エマイユの方に突き出す。

「行け、ゼノ! 壁になれ!」

「……オニキス様。私を壁扱いするのはおやめ下さいませんか」

 困ったように眉を下げ、ゼノが控え目に訴える。

(本当に女性が苦手なんだな、川瀬先輩……)

 しかし、どっちで呼べばいいのか分からない。オニキス? 先輩? でもゼノはオニキスという偽名で呼んでいるから、オニキスの方がいいのだろうか。

 逡巡しつつ、ふと、周りがこちらをどう反応していいか分からない複雑な目で見ているのに気付いた。

(あ、あはは)

 とりあえず誤魔化し笑いをしておく。

「オルクス様! お会い出来るとは光栄です!」

「む?」

 少女を乗っけたまま、たったかと駆けてきた灰色と白色の毛を持つ狼が、人間の言葉でオルクスに挨拶した。オルクスはじろりとそちらを一瞥する。そして、少女を認めて破顔する。

「おや。これは、麗しき託宣の巫女様。女神様がたのおっしゃる通り、愛らしくていらっしゃる」

 オルクスは完全に狼の言葉をスルーして、その背に乗る少女に、慇懃な礼をした。

 銀髪をツインテールに結い、ぱっちりした青灰色の目をした少女は、確かに愛らしい美しさを持っている。ひらひらした白いドレスワンピースに、白いマントを肩にかけていて、それだけで充分に神聖な存在に見えた。

 巫女は頬を染めて微笑む。

「お初にお目にかかります、第三の魔物・オルクス様。わたくしは、今代の託宣の巫女の地位を賜っております、リンキスタ・オーグ・エスニルカと申します。どうかリンクとお呼び下さい。あなた様のことは、女神様より伺っております。その主人たるあの方のことも」

 流衣を見て、リンクはにこっとはにかんだ笑みを浮かべた。その純真無垢な笑みに、流衣は顔を赤くする。

 世の中の可愛いを集めて結晶にしたら、こんな子になるんじゃないかという可愛らしさだった。うかつに近寄れない可愛さである。

「うっ?」

 しかし、顔を赤くした瞬間、アルモニカが勢いよくマントを引っ張ってきた。何だろうと振り返ると、どぎつい深緑色の目と目が合う。

 え、何で怒ってるの?

 流衣は戸惑い、同時にびびって身を僅かに反らす。

 一方、リンクは無視されている狼を可哀想に思ったのか、オルクスに狼を紹介する。

「オルクス様、彼はわたくしの使い魔をしてくれているルーデルです。前にも一度、ルーデルはオルクス様とお話をしたと伺っているのですが、もしやお忘れになってしまいましたか……?」

「いいえ、覚えていますよ。ただ、わては人の姿もとれないガキは嫌いでして」

 ガンとショックを受けたように潰れるルーデル。当然、乗っているリンクの視線も下がった。オルクス、相変わらず大人げない。

「オルクスってば……。駄目だよ、年下虐めしちゃ」

 流衣は困って眉尻を下げながら、そっと注意する。

「しかしですね、坊ちゃん」

 オルクスが反論しかけた時、白煙とともにオルクスの姿がオウムに戻った。槍も空気に溶けるように消える。

「わては、格下と慣れあう気はありませんのデ!」

 羽ばたきながら、オルクスは鋭い一瞥をルーデルに投げ、流衣の肩へと戻ってきた。ルーデルはすっかりへこんで、耳をぺたっと寝かせてしまった。可哀想だけど、可愛い。

 困ったようにルーデルを見ていたリンクは、ルーデルの背から降りて地面に立つと、流衣の後ろに目をとめた。パッと花開くような笑みになる。

「風の姫君ですね、初めまして。まあ、お話通り、立派なお髪でいらっしゃいますのね。素敵です」

 赤毛を褒められたアルモニカは、満更でもなさそうに微笑んで、流衣の後ろから横へと位置を変え、スカートを摘まんで貴婦人の礼をする。

「ご挨拶が遅れて申し訳ありません、託宣の巫女様。お初にお目にかかります、わたくしは風の神殿が次期当主、アルモニカ・グレッセンにございます」

 二人とも、よく見ると年齢が近いように見えた。

 十四歳であるアルモニカと、それより幼く見えるリンク。どちらも年齢が若いのに、重い地位を背負っているのだと思うと、流衣はなんだか少し不憫に思えた。しかし同時に、尊敬も覚える。

「そして、今代の勇者様。話はルイより聞いています。我らが世界の為、使命を背負われたあなた様に、最大の敬意と尊敬を」

 再び礼をとるアルモニカ。

 洗練された動作は、慣れない流衣が思わず見とれてしまう程に綺麗だった。

 達也は困ったように後ろ頭をかく。

「ああ、俺のことはオニキスでいいから。偽名だったのにばれたけどさ。――参ったな、一年前に会った子だよね? あの時の感じでいいよ。そんなかしこまった話し方、しなくていいって」

 達也は軽い調子で言い、じっとアルモニカの様子を伺う。

「ですが……」

「まあまあ、アル、本人が良いって言ってるんだからいいんじゃないかな。そうだ、オニキスさん。僕、どう呼べばいいか分からなくて。先輩って呼んでもいいですか?」

 流衣は、初めて先輩と呼べる存在を得て、キラキラと期待をこめた目で達也を見上げた。それに、うっとよろめく達也。

「……な、なんだ。怜治(れいじ)さんの弟だと思うと、急に可愛く見えてきた。それに俺の弟よりずっと可愛い。なんだこれ。怜治さんが可愛がってた理由が分かるな」

 何やらぼそぼそと口の中で達也は呟いていたが、ややあって頷く。何を言っているのかは流衣には小さすぎて聞こえなかった。

「呼びやすいので呼べばいいよ。部活の後輩でもないし、上下うるさく言わねえから」

「はい! ありがとうございます!」

 この人が流衣の兄の元教え子か。改めて見ると、なんだか不思議な感じだ。

「まあ、俺のせいでこっちに来たようなもんだからなあ。俺で手伝えることがあったら、何でもするから、遠慮なく言えよ? ……でないと本気で怜治さんに殺される」

「はい? 兄さんがどうかしました?」

「いいや、何でもない!」

 何で急に顔色を青くして、慌てだすのだろう。挙動不審な達也を見て、流衣は首を傾げる。

 その一方で、耳が良いリドは後ろで達也の言葉をばっちり聞きとってしまい、生ぬるい気分で達也と流衣を見比べていた。今代の勇者ですら恐れているのが、流衣の兄というのが奇妙でおかしく思えたのだ。どんな人物なのか、会えるものなら一度会ってみたい気もする。

「あの、一年前は巻き込んでしまってすみませんでした。ほんとは、〈塔〉を襲撃されて、アルと一緒に逃げてたところだったんです。ゼノさんも、すみませんでした」

 騙していたことを流衣が謝ると、アルモニカもハッとなって頭を下げた。

「申し訳ありませんでした。神官職にあるまじきことでした。彼はわたくしを庇って下さった上、外に不慣れなわたくしを守っていてくれただけなのです。お叱りでしたらわたくしが受けます」

 すると、達也もゼノも慌てだした。

「ちょっ、そのことは別にいいって」

「そうですよ。あの状況下では仕方ないでしょう。あなた達なりに周りを巻き込まないように嘘をついていたのは分かっています。というか私などに頭を下げないで下さい! 胃が痛くなります!」

 達也は困ったように天を仰ぎ、ゼノは胃を押さえて俯く。リンクがやんわりと口を出す。

「まあまあ、お二方。このお二人、メンタル面が弱くていらっしゃるので、それ以上、虐めないで差し上げて下さいまし」

「リンク、ひでぇ」

「本当のことでしょう?」

 不思議そうに小首を傾げ、リンクは達也を見た。その純粋な眼差しに、うっと一歩下がる達也。

「俺、リンク見てると、自分がものすごく汚れた存在な気がしてくるんだよな……」

「しっかりして下さい、オニキス様! 負けてはなりません! 私だってときどき消えたくなるんです!」

 よく分からないが、二人はリンクの眼差しに弱いらしい。

 達也は虚ろな目で明後日の方を見て、そんな達也をゼノが必死に励ましている。が、どこか泣きそうである。

 やがて復活すると、達也は軽い調子で笑った。

「ま、気にしなくていいからな。お前、頼りなく見えてちゃんと男だな! 女を守ったんなら一人前だと思うぜ」

 肩にポンと手を置かれての台詞に、流衣は舞い上がった。

「ほんとですか! わぁ、言われたことのない台詞だ。嬉しいです!」

 はにかみ気味の満面の笑みを浮かべる。

 そうしたら、何故か生徒達の方から黄色い悲鳴が上がった。

(うん、僕も先輩は格好良いと思う!)

 その後ろで、リドやアルモニカが呆れて首を振っていたのには、流衣は気付いていない。

 しかし、そんな和やかな空気での団欒を、突如、空気を切る音が遮った。


 ガガガッ


 まるで当たり前のように避けた達也やゼノのいた場所に、巨大な氷が突き刺さる。

「こんの不法侵入者ども! ここはあたしのテリトリーよ! 縄張り荒らしは死で償うって、これ、竜の常識! 覚えなさい!」

 宙にふんわりと浮かんだグレースが、鬼の形相で達也達を睨んでいた。腰まである美しい銀髪は風になびき、青色の目は爛爛と光っている。その周囲では雪が吹雪となって渦を巻き、白いドレスの裾をはためかせている。その様は、まるで雪の女王のようだ。

「校長! お待ち下さい! この方々は!」

 眼鏡をかけてひっつめ髪をした婦人――ジョセフィーヌが叫ぶが、怒りに囚われている白竜(グレース)は聞く耳を貸さない。


「雪よ! 氷よ! 我の(しもべ)となりて、かの者どもに静謐なる死を! ホワイトブリザート!」


 上空がキラリと光り、幾つもの氷柱(つらら)が刃となって落ちてくるのが見えた瞬間、流衣は杖を構えて結界を張った。

「〈壁〉!」

 流衣の声とともに、一瞬、杖の先が青く光る。そして、目に見えない壁が、流衣達の周囲を半円球状に展開する。


 ――パキパキパキーン!


 氷柱の乱舞の直後、吹雪が巻き起こり、結界一帯を白く凍てつかせた。そこには半円状の白い壁が出来、まるでドームのように出現していた。

 中から見ると、かまくらのような白い壁だ。

「ルイ、偉い!」

 リドが流衣の肩を軽くはたく。

「さっすが、結界と足止めだけは完璧なだけはあるな!」

「うう、それ、褒め言葉じゃないと思う……」

 流衣はがっくりと下を見る。

「いえいえ、素晴らしい結界ですよ。熟練者でもないと、こうはいきません」

 ゼノが本当に驚いたように結界を見て、褒め言葉をくれた。

 礼を言おうとしたところで、アルモニカも感心気味に言った。

「お主、料理以外にも取り柄があったのじゃな。良かったではないか」

 グレッセン兄妹がひどいです。

 流衣はまたへこんだけれど、ぷるぷると頭を振って気を取り直す。

「――で、どうしましょう。校長先生、勘違いして怒ってますけど」

 トーリドの怒りの片鱗すら怖かったので、まともにグレースと相対するのも怖い。あんな怒れる雪の女王様、近付いただけで氷漬けにされそうだ。

「いや、どうしような? 無断で入ったのは本当だもんなあ」

「怒りが収まるまで、お茶でもしましょうか。よいしょ、と」

 どこからか敷物を取り出したゼノは、地面に敷物を敷く。

「リンク、アップルティーを飲みたいなぁ」

 丁寧な話し方ではなく、気取らない子どもじみた話し方でリンクが言い、敷物にちょこんと座る。

「ええ、用意してありますよ。さぁ、どうぞ」

「ありがとぉ、ゼノ~」

「お、美味そう。サンキュー」

「まあ、相変わらず気がきくわね」

「どういたしまして」

 ゼノや達也やエマイユも座り、ゼノが取り出した水筒から注がれた茶を、それぞれカップを手にして飲み始める。給仕を勤めるゼノはにこにこと楽しそうだ。


 ――ん? あれ?


(すみません、僕達、置いてけぼりなんですが……)

 さっきまでの緊迫感はどこへやら、のほほんと茶会を始めた四人を、流衣とリドとアルモニカ、更にオルクスはぽかんと眺める。

「お三方とオルクス様もいかがですか?」

 黒いサングラスが胡散臭いが、ほっこりするような笑みを口元に浮かべたゼノが、のんびりと問う。

 流衣は反射的に手を振る。

「あ、いえ。お構いなく……」

「お気持ちだけで……」

「…………」

 流衣とリドがそれぞれ何となく断り、アルモニカも唖然としたまま首を振った。

 しばらく呆然とした後、三人で顔を突き合わせる。

「あれ? なんかおかしくない? これが普通なの?」

「まさか、そんなわけねえだろ。なんでこんなにのんびりしてるんだ?」

「マイペースにも程があるじゃろ。ここはこう、もっと緊張感をもって打開策を話し合うとかすべきではないか?」

「豪胆でいらっしゃる。流石は勇者様」

 分からない方向性で感動しているオルクスはともかく、三人は首をひねる。なんだかだんだん、ここが白い壁のある部屋で、お茶会をするのが当然みたいな気がしてきた。

 頭上からは、魔法による攻撃が雨あられと降り注ぎ、結界の壁をガンガン打ち鳴らしているのに、この落ち着きっぷり。

「いや、まあ、僕の結界、無駄に丈夫だから全然平気だと思うけど……」

 流衣はだんだん混乱してきた。自分がおかしいんだろうか。

「竜というのは蛇並みに執念深いと聞くからの、一度怒らせるとなかなか鎮まらぬから、こうしておるのが正しいのだろうか。む?」

 アルモニカも首をひねる。

「いつまで籠城する気だよ。食料、そんなにねえぞ?」

 リドは真剣に答えを返す。

「いや、それ言ってたら、酸素の問題も……。密閉空間に七人でしょ? 空気足りないと思うな」

 流衣もつい真面目に言う。

 のんびりしている勇者一行は置いておき、三人でどうしようかと話し合っていると、三十分程した頃、結界の中に一筋の光がさした。

 結界の壁の周囲を固めている雪の壁を押しのけて、黒い執事服姿のトーリドがこちらを覗きこんだ。顔には苦笑が浮かんでいる。

「勘違いによる攻撃をして申し訳ありませんでした、皆様。妻の怒りはなだめましたので、安心して出てきて下さい」

 おお。流石、旦那さん。助かった。

 とりあえず話し合いは無駄になった。ここは勇者一行のように茶でも飲んでおくべきだったのだろうか……。




 頑張った割にぐだぐだ……;

 ここで止まるとまた更新が止まるので、とりあえず話を進めます。


 それと流衣の見せ場をさりげなく入れてみました。

 最強系ですが、主人公はこんななので、あんまり見せ場に期待しない方が良いような気がします。あう。

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