ヘルプマークの青年
その後の1週間後またアイツは来た。
「チッ」思わず舌打ちしてしまった。
今日は特にイライラしていた。というのも、今日学校で担任の山下から、注意を受けた。バカ高校だから、ある程度は何しても許されるのだが、今日は一日眠くてずっとスマホを弄るか、寝るか、お菓子を食べるかしていた。確かに授業中、私のきのこの山の咀嚼音は煩いかな?とは思ってたけども。
山下が国語の答案用紙を私に渡してきた時に言われた。
「お前。。恥ずかしくないの?。毎日、スマホをいじって、眠って、お菓子食って、仲間達とつるんで、勉強もせず、つまらない人生を送っていて、将来そんなんでどうするんだ?お母さんとお父さんの事とかちゃんと考えてるのか?夢はないのか?ほこれるものないのか?」
私は頭にきて、小さく小声で「ウルセー」つって、教室から出た。
そんなんバカな私だって知ってらぁ。毎日、仲間達とバイク乗り回して、勉強もしてねーし。バイトしか!してない。将来どうなんのかも、わかんねーよ。
しかも。その後、保健室に逃げたわいいけど、今度となりのクラスのよく分かんねーガリ勉が、麗花さん今日も綺麗ですね。っていって、ベッドの中で私の事みて、シコリやがって。
あーイライラする。
ダンボールから。お菓子を取り出し陳列を行う。
ぁあ。ぁあ。またあの、青年がウロウロして買い物してやがる。なんか言ってやろーかな。効率の悪い買い物の仕方しやがって。
ピンポン
【レジ応援お願いします。レジ応援お願いします。】
お。レジ応援のチャイムだ。
私はキビキビとレジに向かった。
と、そこに。。あの青年が。
私は淡々と。ぶっきらぼうに。商品をスキャンしていく、この量からすると3日分か、自炊もするのか野菜や肉、お菓子を買い込んでいる。
「すみません。大きい袋を一枚ください。」
初めて声を聞いた。なかなか透き通る声やん。
ちょっとイメージしてた声とちゃうねん。よくよく近くでみたら眉毛が太く、眉毛と眉毛がくっつきそうだ。ちゃんと手入れをしろよ!とちょっとイライラ。。
無言で大きい袋を一枚いれた。
「2600円です。」
蚊の鳴くような声で私は言った。聞こえたか?
聞こえたよな?聞こえたなら?早く金だせ。
青年はしどろもどろ、財布のお金を一生懸命ジャラジャラ探るがなかなかお金を出そうとしない。ぁあ。もう。言ってやろうかな。。もう言ってまいそう。。
「早く‥‥」
「いらっしゃいませ!いやぁこの間、クッキーご馳走様ぁ。。2600円だね。。」
私が怒り言いかけた瞬間に横からバカな店長がレジに割り込んできた。
「あ。。いえ。いつもお世話になってますので
すいませんお金がなかなか。見つけられなくて。」
「いいよ。いいよ。ゆっくりで。あ、麗花ちゃん、ここ大丈夫だから品出しに戻っていいよ」
私は、ウスっといってお菓子売り場に戻った、しばらくその青年とバカな店長のやりとりを見ていた。店長は笑っていて、青年も笑っていた。
私はなんだか分からないけど孤独感を感じた。
青年が帰っていって、バカな店長がこちらにきて話しかけてきた。
「いやぁゴメンネ、麗花ちゃん‥イライラしたんじゃない?」
「まぁ‥」 とボソっと言った。
「見てご覧。彼のリュックサック。」
私はバカな店長の指先を追った、出口付近で、もたついている、青年の姿があった。リュックサックには大きなキーホルダーをぶら下げているのに気づいた。
「あの大きなキーホルダー!四角い形で赤い縁に、白の十字マーク、見えるかい?」
「はい‥。」
「あれはね、ヘルプマークっていうんだよ。彼は生きづらさを抱えてるんだよ。普通に生きていくのが少し難しくて、あれは何かあったら助けてくださいっていう印なんだ。麗花ちゃんも何かあった時、買い物を助けてあげるといいよ。見守るだけでもいいんだよ。さて。仕事、仕事、あ!彼から貰ったクッキー食べたかい?あの子が働いてる所で作ったものなんだよ。いつもねーお土産で持ってきてくれるんだ、」
クッキー。。先日食べた、あの美味しいやつだ、あの青年が働いてる所?難しい漢字の所で働いてるんだな。。
てか。生きづらさって何だよ。。そんなに大変なのかよ。。
私は今日の出来事が気になって、仕事中にずっとヘルプマークについて考えていた。




