とある世界は人々に「司る者」という称号を与え、同時に力を与えた。
だが人々は称号には気付くも、力には誰も気付かなかった。
侵入者との会敵で半馬強制的に力を発動させるように“設定”はした。
だが会うどころか、存在すら分かっていないようだった。
何故?
答えはすぐに見つかった。
先に倒してしまう、力に気付きその使命をただ一人で背負っている者がいたからだ。
何億年も前、世界を信仰していた人々の一人だ。
生前の名はもう既に捨て、世界のために尽くすと、それきり現世には姿を現さなくなった一人。
侵入者を排除してくれるのはありがたい限りなのだが、これでは目的を果たせない。
その者には悪いが、現世へ侵入者を流れ込ませる為に世界に溜まった悪意を結晶化させて生み出す。
他の世界ではその者達に力を与えたんだったか。
精神崩壊とは、精神が肉体を離れて世界に溶け込むことだ。
だから精神崩壊して世界に溶け込んだ精神を人間が集めて元に戻すことは無に等しい。
だが世界が少し手を貸せば、人間の科学の力で集めて元に戻すことは不可能ではない。
そこに少しばかり世界の悪意を仕込めば立派な敵となる。
世界は目的さえ果たしてもらえれば、何をしたって構わなかった。
それがたとえ人類を滅ぼすことになっても躊躇わないことだろう。
今代の司る者達が、力に気付き侵入者と邪魔者を排除して目的を果たしてくれるその時まで、世界はずっと見ている。
△▼△▼△
司る者は元々、現世と死界にしか存在しなかったが、死界と天界の王、そして世界によって天界にも現れたという。
司る者の中には自然発生したものもいるため、何人かは人間と価値観が全く違ったりする。