第00話 魔法少女を拗らせた男の話
魔法少女アニメ、来年の2026年で60周年なんだそうで。
これはもうリスペクトしなければ! という感じに本作は生み出されました。
不思議な町を舞台に、愛と希望と夢と不思議に溢れた物語が始まります。
ぜひぜひ応援よろしくお願いします。
I LOVE MAGICAL GIRL!
魔法少女の歴史は―――長い。
日ノ本アニメ史に限った話だけでも、1966年放送『魔法使いアニー』から始まったそれは、来年2026年に60周年を迎える。
60年といえば、仏教においては世界の一巡を示す単位数である。つまりは魔法少女アニメ史は、とうとう一つの世界を作り上げてしまったと言えるだろう。好き(断言)。
事実、日ノ本に積み上げられた魔法少女の物語は、2025年現在に至るまで、多種多様な魔法少女達を生み出してきた。
最初期。魔女っこと呼ばれるパイオニア期には、魔法だけでなく忍術や超能力、アンドロイドなど、様々な不思議を取り込んだ少女達が活躍した。
80年代。女性の権利拡大を背景に、職業選択の自由や光り輝くアイドルへの憧れなどが反映され、大人に変じた少女達が一足飛びに夢の舞台へと飛び込んだ。
90年代。少女達は戦いの場にもその身を投じ、運命や宿命と向き合い、己を鼓舞して逆境へと立ち向かい始めた。
2000年代。萌えと属性化の時代が到来すれば、その在り方や扱われ方も一気に多様化する。男性をターゲットとした戦うちょっとセクシーな女の子といった側面を強調された魔法少女が登場すれば、女の子だって暴れたいとステゴロ上等の勝気なヒロインも登場した。
人々の願いに応えていく形で、数多くの魔法少女が、それこそプロアマ問わず大量に生み出され、星々の輝きの如く自らを煌めかせていった。
10年代。魔法少女その物を問う作品が生まれれば、人々は魔法少女達を試すかのようにシリアスな世界にその身を投じさせた。彼女達は過酷な環境でもまた変わらずに、夢と希望をうたってみせた。
20年代。ついには物語の主役を魔法少女そのものではなく、彼女達の周囲へと向けはじめ、敵の視点や身内の視点、戦いに赴く魔法少女のその日常をこそ描いたりと、さらなる広がりを見せている。
……
…………
………………みんなも、いつだったかきっと、どこかで耳にしたはずだ。
“マギリクマギルタ・シャンバラヤンヤンヤン!”
“テクマクフラワー・テクマクフラワー○○になぁれ!”
“バニーフラッシュ!”
“ビューティガールズパワー、メイクアップ!”
人々の胸に、思い出に。
必ずどこかで彼女達が息づいている。
夢と希望と笑顔を届ける、一生懸命な女の子達の姿が!
もしも、もしもだ。
そんな彼女達を助け支えられるというのなら。
それはどんなに名誉で、誇り高い生き方なのだろうと思う。
人々を照らす輝きとなる少女達を、陰日向に助け、支え、時に導きもする存在。
彼女達が紡ぐ物語の中にも、幾度となくそんな存在が登場してきた。
それは友人であり、家族であり、契約者であり、マスコットであり。
時にはライバルの立場からそうなる者もいた。
彼ら彼女らは魔法少女達の物語に欠かせないと同時に、彼女達を孤独から救い、前に進む大きな力となる。
俺は……御伽守陸人は、そういう存在になりたい。
『夢見アニー』を『小花なつ子』を『ビューティバニー(望月バニー)』を『セーラーメイデン(磨野おとめ)』を。
『半沢メル』を『皇ナン』を『ミンミン・ドリーム』を『ミルキーマム』を『プリティーアミ(竹河穏)』を『ラブリーマリー(相良部麻真理)』を『怪盗ミスティ・ポニー(羽崎恵美)』を『カードマスターざくろ(比那名居ざくろ)』を『コンプリートツナギ(夏目繋)』を『哀』を『淋』を『リリカルまおな(坂道まおな)』を『ディスト・フェイテロッタ』を『ピュアブラック(甘亜みさき)』を『ピュアホワイト(白雪かすか)』を『雛鳥れむ』を『黒川ほのか』を『真白みこと』を『勇者ユイコ(優日結子)』を『勇者エイリ(西郷鋭林)』を『しらゆきの君(姫百合小雨)』を『セイント・ジャンヌ(川辺諒太)』を『ダークミストレス光子(雲母光子)』を『テイスティアップル(千反田林檎)』を『まじかるーぷ(九條巡)』を『マージナキッス(楠よもぎ)』を『マージナピンク(桃空かなた)』を『大幹部ギリウス(片倉路子)』を『サティスファグレープ(葡萄美知留)』を『会社員合歓木サナ』を……そしてこの後にも先にも登場する、数多の魔法少女達を!
彼女達のような子を、全身全霊で応援する。
もしも何か一つでも俺にできる事があるのなら、当然に全力を尽くして実現してみせる!
そのために俺は、自分を磨きに磨き、鍛えに鍛えた。
各種基礎トレーニングはもちろんの事、技術的な物もやれる限り手を伸ばした。
炊事洗濯掃除に料理、家事全般は人並み以上に、勉強にだって手は抜かない。
山籠もりや無人島サバイバル、海外で銃の撃ち方のレクチャーも受けたし大自然の猛威とも触れ合った。
サーカスや劇団なんかも体験させてもらっては、色々なノウハウを叩き込まれた。
おかげで空中ブランコぶーらぶらも、日雇いバイトの掛け持ちだって楽勝だ。
中学校じゃ金髪イケメンの生徒会長の下で庶務もやったし、部活動の助っ人として試合にも出た。
クラスや町での困り事には日夜積極的に力を貸したし、不思議な出来事とも向き合った。
(いつか、魔法少女の助けになれる時が来る……!)
そんな日が来ると信じて、俺はずっと、ずっと……その時が来るのを待ち続けた。
だが――。
「不思議ノ大学、合格……か」
――大学受験に合格する日が来ても、その日はやってこなかった。
※ ※ ※
まぁ、当然だ。
なぜならこの世界に、現実に……魔法少女なんているワケがない。
所詮は創作で、作り物で、夢幻のおとぎ話にしか存在しないキャラクターなのだから。
(いつか、幼い日に魔法少女を見た……なんて不思議体験の記憶も、結局は子供の空想だったのかもしれない)
俺の住む町がいかに不思議がいっぱいある町とうたわれる不思議ノ市だったとしても。
現実なんてそんなもんだったのだ。
だから。
「……よし、ここからは普通の大学生として生きるぞ!」
俺は心を切り替え、生き方を変えた。
魔法少女を愛して求める探究者から、魔法少女を愛して楽しむ愛好家へ。
彼女達とは終ぞ出会えなかったけど。
それでも俺の胸の内には、彼女達への憧れと敬意が、今も根付いている。
信じられなくなっても、否定はしない。
もしかするとこの世界のどこかには、本当に魔法少女がいるかもしれない……って。
母さんは、魔法少女はいるって言ってた。
その言葉を嘘だとは言いたくないから。
そうして俺は、新たな人生を歩みだす。
普通の大学生として。
どこにでもいる大学生の一人として、どこにでもある日々に流され生きていく。
そんな俺の日常に、大きな変化が訪れたのは……ある秋の日の事だった。
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れいーわれいわの、不思議ノ市。
そこに御伽守陸人という男がおりました。
幼い頃に魔女を見た少年は、アニメやマンガに登場する魔法少女は実在すると信じ、そんな彼女達を支えられる男キャラのようになると決めたのだそうです。
それから彼は己を磨きに磨き鍛えに鍛え、すくすくと立派な、ハイスペスパダリ恋愛ニブニブ主人公属性へと成長しました。
ですが、待てど暮らせど、肝心の魔法少女とは出会えずじまい。
ついには大学合格を期に、信じる事を諦め、普通の大学生へと戻る事を決めてしまいました。
ところがどっこい実はの実話。
彼の与り知らないところで、実在していた魔法少女との縁が、すでにできていたのです。
これは、“自称”普通の大学生御伽守陸人が、数多の魔法少女達と出会い、交流する物語。
そして、数多の魔法少女達が、自分達にとってあまりにも都合がよすぎる存在である彼を巡って、あれやこれやとわちゃわちゃする物語。
果たしてこの物語の行き着く先は、どんなめでたしめでたしへと繋がるか。
どうぞ、ふんにゃりお楽しみくださいませ。
キミは元ネタどれだけわかったかな? みんなも魔女っこ、チェックじゃぞ~(オーキ〇博士)
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