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紫陽花にゲロを吐きのたまう黒髪友人の戯言 ~ある陰キャの憂鬱ざまぁ(笑)手帳~

作者: 根暗の憂鬱日記

『みんなキモイ死ね死ね』

そう、のたまうは齢20の黒髪マッシュのヒョロっとした推定170cmの色白の黒メガネが似合う文学部の男であった。


...これは夜更けまでカラオケで死ぬほど酒を煽り帰り道で、まるで蛇のようにフラフラと歩きながらゲロを吐く黒髪の男の戯言を聞いた友人の愚痴であることをお許し頂きたい..


インクの瓶を閉じ込めたような深い夜に、カラオケに出向き、私達は少し高いウヰスキーを買いちびちびとロックで飲みながらアニソンやら邦楽などを歌いつつ楽しんでいた。それがどうしてかウヰスキーを安いドリンクバーのジュースで薄めてガバガバ飲みだしてしまい、カラオケを出る時にはすっかり出来上がっていた。葬式の時使うような薄明るい灰色のインクのような空が眩しい。


そんな無謀な飲み方をしたので私達はとても気持ちが悪かった。カラオケから私達が住む寮までの道はなだらかな登り坂になっていた。坂の両脇には溢れんばかりの紫陽花が"おかえりなさい"と頭をたれ、雨露に濡れている

『気持ち悪い。』黒髪の友人は言う。手にはあやふやな記憶の中買った9%のロング缶レモンサワーが握られていた。『ゆっくり行こうか』と私は言った。しかし、あまりに気持ち悪かったのか黒髪の友人は紫の紫陽花の上にゲロを吐いてしまった...。と、ゲロのついた紫陽花をレモンサワーでゲロを落とし黒髪の友人は何事もなかったかのようにフラフラと歩きだし私に『どうして生きなければいけない』と言い出した。何やら悩み事のようだ。少し面白かったので私は『父親になぜ産んだのかと意見したら良いのではないか?』というと黒髪の友人は『いや、父は己が1番愛されていて、俺(黒髪の友人)からも尊敬され愛されているという甘い勘違いの夢に浸っているから俺が言っても無理』と言う。卑屈な人間だなと関心した。くつくつと笑いが込み上げてくる。『では母親に聞いたらどうか』と私が聞けば黒髪の友人は『アレは甘い勘違いもなく、汚く、気持ちの悪い下劣な人間だから言ってもどうしようもない』といった。まぁ、たしかに黒髪の友人の母親は裸でまぐわうことが得意な男性と浮気し、蒸発したと言っていたので仕方のないことだがそこまでの溝ができていたとは..。


どうせ酔っていて先程の『どうして生きなければいけない』という題目を忘れてると思われたので『私のことどう思ってるのか』と聞いてみた。そうしたら黒髪の友人は『陰キャのくせにどうして小説を書かないのか?普通、書くものだろう。書けよ死ね』等と言ってきた。

"どう思っている"の返答にしては随分と頓狂な答えであるし、陰キャと言われたのは多少心外ではあるが大人しい性格なのでそう思われても仕方ない..私は『どうせ誰にも見られず消えていく文章なら書かなくても書いても同じことだ』と言った。そうしたら黒髪の友人は『なら、"俺"は消えた存在と一緒だと、そうお前は言うのだな。』なるほど。黒髪の友人はあまりなろうで人気のない文学人らしい。しかし、私はつくづく黒髪の友人を卑屈な人間だと思った。曲解がすぎるというものだ。9%のロング缶を捻り潰してまで言うことか?しかもコイツは吐いた癖に全部飲んだというのか?まさしく、アルコール中毒である。


その後、呆れてしまい寮への帰り道は無言で歩いた。その間に朝が来たのか、薄灰の空からオレンジ色の球体が地平線からひょっこりと顔を覗かせる。紫陽花が朝露に濡れ朝日が朝露に反射し、まるで紫陽花がシャンデリアのようにキラキラと輝いていた。


それから10分ほど歩いただろうかやっと、寮に着いた。そうしたらいきなり黒髪の友人が大声で『この世は地獄だ死ね死ね死ね死ね。』と戯言を残しゲロを吐いて突っ伏した。限界だったのだろう。しかし、もう少し静かに倒れてくれればいいものを...もちろん、寮生と管理人に見つかり、4時からうるさいと叱られしばらく門限外の外出が認められなくなったのは言うまでもない。


ゲロを吐き、動かなくなった黒髪の友人をズリズリと運び、ゲロ掃除をしてこの文章を怒りのままに書いている。


黒髪の友人が言うように『陰キャで小説を書いてみた(笑)』のだが見つかるだろうか..。


黒髪の友人の醜聞は今、ネットの海を絶賛航海中である。

これを以て本当のざまぁ(笑)とする。








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