表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
71/165

日向も狐に化かされる

本日2話目です。

「ここが日和の精神の中?」


地面はしっかりとあるのだが、周りは暗闇の中にぼやけた映像が幾つも浮かんでいる。


よく見ると私や真守の姿が映っている事から、これは日和の記憶なのではないかと思う。


そうしてあたりを見渡し、何となしに視線を下に移すと……


「えっ、きゃあ!?」


何故か私は変身が解けて衣服を一切纏っていない、産まれたままの姿でこの場所に立っていた。


「あっはっはっ〜お姉さん、こんな所で全裸になるなんてどうしたの?

痴女なの?どすけべなの?

頭の中がピンク過ぎるでしょ」


ふと声が聞こえて振り向くと、こんな格好で絶対に会いたくない少女がそこに立っていた。


「何でここにいるのよ!」


「お姉さん、瞳術で他人の中に入り込むの初めてでしょ?

折角だからサポートしてあげようかと思ってね」


「いらな……」


いらないと言おうとした所で少女がニタリと笑う。


「本当に?ねぇ、本当にサポートはいらないの?

これに失敗したら大切な弟は取り戻せないかもしれないんだよ。

それでも、本当にいらない?」


少女の言う通りだ……ここで意地を張って失敗してしまえば、それこそ意味のない事だろう。


だが、それにしても元凶から力を借りるなど……


「さっきも言ったけど、僕が元凶だと思ってるならお門違いもいいところだよ。

僕は彼の背中を押してあげただけ。

原因は……これから自分の目で確かめればいいさ」


そう言って先を歩き出す少女。


「ま、待ちなさい!」


私がそう叫ぶと少女は立ち止まってくるりと振り返る。


「あ、そうそう……精神世界はイメージで何でも出来ちゃうからね。

ほら、この通り」


少女がそう言って指をパチンと鳴らす。


すると、全裸だった私を包むように衣服が現れる。


これは素直に助かる、そう思ったのだが……


「なんで貴女と同じ衣装なの?」


そう、用意された衣装は黒のゴシックワンピースとヘッドドレス。


そして、赤いハイヒールと彼女とお揃いの格好だったのだ。


「お姉さんは僕の次に似合うと思ったからね。

ほら、見てごらんよ。

並んで見たら姉妹見たいでしょ?

あ、こうしたら分かりやすいかな」


少女がそう言うと、彼女が結んだ髪の毛から銀色がどんどんと伸びてきて、金色だった部分を全て銀に変えてしまった。


更に私の目の前に鏡を出現させると、隣に並んできた。


諦めて鏡を見るとそこには銀髪の女性2人が並んでおり、服装も全く同じな事もあって、一見するの仲の良い姉妹に見えない事もない。


「確かに似てる気はするけど……でも、貴女と姉妹なんて絶対に嫌」


「手厳しいな〜妹は」


「そっちがお姉ちゃん設定なの!?」


「気付いているとは思うけど僕の方がずっと、ずーっと歳上だからね」


確かに銀様の推察通りに彼女が姫巫女であるなら600歳は超えていることになる。


「ま、そんな事はどうでもいいから行くよ」


「あ、待って待って」


こうして先を歩く彼女について行くことになったのだが、この時の私はまだ気付いていなかった。


有耶無耶のうちに彼女が同行する事になっていた事に。


正に狐に化かされるとはこう言う事を言うのであろう。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ