表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
70/165

日和を救う方法

本日も4話更新。

今回は一本目です。


2022/09/04 修正しました。

少女の言葉をきっかけに日和がまたもこちらに向かってくる……が、そのスピードは先程の比ではない。


だが、すぐさまオオカミが私の前に立って日和の攻撃をブロックする。


「キツネ、ここは俺に任せておけ。

日和を元に戻す為にもアレから情報を引き出すんだ」


「……分かった、そっちは任せる」


オオカミがそう言うのであれば任せるべきなのだろう。


私は再び少女と向き合った。


「貴女は一体何者なの……何が目的でこんな事をする?」


「僕の正体?……ああ、そう言えばこのタイミングだったっけ。

銀が言ってたでしょ」


「じゃあ、やっぱり初代の狐巫女……姫巫女なの?」


「そんなのどうでも良くない?

僕の正体なんて僕自身全く興味の無い話だしね」


「どうでも良くない!

貴女が姫巫女だって言うなら銀様に会ってあげなよ。

あの人がどれだけ後悔して生きてきたと思ってるの!?」


あまりにも軽い調子で話す少女に思わず声を荒げる。


銀様の後悔は考えただけでも胸が押し潰されそうになる……決してこんなに軽く扱っていいものじゃない筈だ。


「そんなの僕の知った事じゃないよ。

勝手に後悔して、自分の想いを歴代の巫女に押し付けてきたんでしょ?

ほんと迷惑な話だよね。

ああ言うのを老害って言うんじゃない?」


「……貴女に一瞬でも期待した私が馬鹿だった。

力尽くで銀様の元に連れて行く。

日和も返してもらう!」


「あはは〜僕は別にそれでも構わないけどさぁ……後ろ、見なくていいの?

真守押されてるよ?」


「え?」


言われて後ろを確認すると、日和の怒涛の攻めに対して防戦一方になっている。


「真守さぁ……ここに来てからの喋り方がまるで男の子みたいだったよね。

神装を維持するギリギリしか加護がないんじゃない?」


「!?」


不意に耳元で声がして慌ててそちらを見ると、いつの間にか近寄っていた少女の顔があった。


「おっと、危ない危ない……トラブルなキスをする所だった。

あ、ひょっとしてそれを狙ってたのかな?

あ〜気付かないでゴメンねぇ、次はちゃんと狙ってしてあげるから」


「だ、誰が!?」


「ほら、怒らない怒らない。

世の中楽しい事だらけなのに怒ってばっかじゃ損しちゃうよ。

ん〜そうだなぁ……尻尾が4本あれば瞳術が使えるだろうし、日和を助けるヒントをあげるよ」


「何言って……」


「聞かなくていいの?

折角助けてあげられるチャンスをあげようってのに。

まぁ、僕はどっちでもいいんだよ〜日和を弟に貰ってあげてもね」


「……早く言いなさい」


完全にペースを握られている……これじゃダメだと思いながらも、日和を盾にされては逆らう事が出来ない。


「日和は今たのし〜い夢の中にいるんだよ。

何でも言うこと聞いて甘やかしてくれる理想のお姉ちゃんと一緒にいる夢をね。

その夢を断ち切って起こし、現実に戻す為に瞳術で日和の精神の中に入っていくんだよ」


4本目の尾の力は瞳術……相手を視界に収める事で発揮する力。


その効果は様々であり、少女の言うように相手の精神に入り込む力もあることは、この尾が教えてくれていた。


だけど……ぶっつけ本番で成功するものだろうか?


「ビビってやらないってなら、それでも良いんじゃない?

その時には真守は日和にやられて、日和も戻せないってだけなんだから。

難しい事なんて諦めて楽に生きるのもアリだと思うよ」


少女がどう言ったつもりでその言葉を吐いたのかはわからない。


しかし、何も行動しなければ彼女の言う通りの未来しか待ち受けてないのだ。


「瞳術・心入」


私は自身の右目の前で、両手の親指と人差し指を使って四角を作り日和を見る。


その瞬間に、私の精神は日和の心の中へと吸い込まれていった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ