日向 我が身を振り返る
本日は土曜日なので4本投稿します。
先ずは一本目。
「……なた……ひなた、おきるコン!!」
「え、あ、なに!?」
耳元でコンの怒鳴り声がして飛び起きる。
慌てて周囲を見回すと……何故か日和が私のパンツに手をかけて固まっていた。
「いやあああ!?
日和、あんた何してんのよ!」
そう言いながらその場から飛びのいて後ろに下がり、日和を睨んだ。
「こ、これはちが……」
何か言い訳しようとする日和であったが、その前に近くにあった枕を掴んで投げつける。
「出てって!
いいから今すぐ出てってよ!!」
叫びながら投げられた枕は綺麗に日和の顔面に当たる。
それに怖気ついたのか、日和は逃げるように私の部屋から出て行った。
「も〜何なのよ。
コンも見てたなら早く起こしてよ」
「ずっと叫んでたコン!
でも、まるで聴こえていないように無反応だったコンよ。
それよりも……日向はこの機会にじっくり反省した方がいいコン!」
「え、どう言うこと?
寝てる時にいたずらしようとした日和が反省するべきでしょ」
コンの言っていることが分からずに思わず首を捻る。
しかし、そんな私にコンは真面目な顔で説教をし始めた。
「自覚はあると思うコンけど、日向はとっても可愛い上にスタイルも抜群コン。
そんな女性が下着姿でウロウロしたり、リビングでパンツが見えているのも気にせずにいたらどうだコン?
思春期の男の子には辛い環境コンよ。
日向も元は男だったから分かるはずコン!」
「……そう言われてみたら」
自分が男だったときのことを思い出して置き換えてみる。
仮に今の自分……女日向が妹で下着姿でうろついてたり、ベタベタとスキンシップと称して触ってきたとしよう。
妹だからと我慢して手を出さずにいられるか……自信が全くと言っていい程に出てこない。
「うん……これは私が悪かったね。
今度から気をつけるよ」
「そういうのは日和に言ってあげるコン。
さぁ、謝りに行くコン」
そうして部屋を出て居間に行くと、母さんが困った顔をしていた。
「あら、日向。
日和が何処に行ったか知らない?
急に家を飛び出して行ったんだけど……」
慌てて玄関を見ると、扉が解き放たれて開けっ放しになっていた。
「わ、私探してくるね」
「お願いするわ。
私は何かあった時の為に家に残ってる。
日和が帰って来たら連絡するわね」
「うん、行ってくるね」
こうして私は日和を探してた謝る為に外へと飛び出して行った。