日和、魔がさす
ゴクリと生唾を飲み込む。
開けたドアを音が立たないようにゆっくり閉めて部屋の中に入った。
姉ちゃんは全く気付かずにスヤスヤと寝息を立てている。
俺はゆっくりと近付くと露わになっている太ももへと手を伸ばした。
「うわっ……やわ……」
手に吸い付くような弾力がとても心地よい。
いつまでも触っていたい気分にさせる。
だが、あまり触りすぎては起こしてしまうかもしれない。
「次は……」
視線を上の方にやって再び唾を飲み込む。
グラビアアイドルも勝てないんじゃないかと言うほどの大きな胸。
ゆっくりと手を動かしてタッチする。
「は?なんだ、これ……凄すぎる」
想像を絶する程に柔らかく、俺の手は姉ちゃんの胸の中に埋もれていく。
頭が真っ白になり、どうなってもいいから弄ろうという気持ちに支配される。
その気持ちのまま、行動に移そうとした時であった。
「んん……」
姉ちゃんの口から吐息が漏れてビクッとなり、思わず手を離してしまった。
それで冷静になった俺は自分が際どい立場にいる事を思い出す。
もう普通に起こしてしまおう……そう思った時であった。
「最後に秘密の場所、見なくていいの?」
そんな声が聞こえてきた気がした。
慌てて辺りを見回すが誰もいない……それよりも。
「秘密の……場所……」
改めて姉ちゃんの露わになった下着を見る。
肉付きの良い下半身の中に小さくて可愛い白のパンティ。
その奥に隠された秘密の場所。
俺は三度目の唾を飲み込むと両手で姉ちゃんの下着に手をかけた。
が、その時であった。
「え、あ、なに!?」
何かに起こされかのように姉ちゃんがガバッと起き上がる。
姉ちゃんは上半身を起こしただけなので、俺は姉ちゃんの下着に手をかけたままであった。
その場で引いて誤魔化せば良かったのだろうが、突然の事態に俺も固まってしまっていた。
そして……
「いやぁぁぁ!?
日和、あんた何してんのよ」
そう言って飛び退いた姉から向けられる軽蔑の眼差し。
「こ、これはちが……」
何とか言い訳しようと思うが言葉に出来ない。
だって、何も違うことは無いのだから。
「出てって!
いいから今すぐ出てってよ!!」
姉は怒声をあげながら俺に枕を投げつけてきた。
その迫力に気圧されるようにしながら、俺は姉ちゃんの部屋から飛び出していったのだった。