内緒の包装物
本日更新3話目です。
かるたお姉さんが私達に持ってきた服は全て気に入ってしまうくらいに良いものばかりであった。
私達は両手に袋を抱えて帰宅する事にする。
「2人とも今日はありがとう!
サービスするからまた遊びに来てね〜是非とも2人で!!」
少々圧を感じる所はあるが、私達に似合う服を見立ててくれ、更にその服に合う小物なんかをサービスしてくれた、かるたお姉さんには感謝してもしきれない。
「あ、真守ちゃん……これ、別件で頼まれていたやつね」
「わざわざありがとうございます」
「いいのいいの。
喜んでくれるといいわね」
「ええ、本当に助かりました」
そう言ってかるたお姉さんが別にして持ってきた紙袋を受け取る真守。
真守は私よりも荷物が少なかったのだが、追加も含めると同じくらいの量になってしまった。
「何買ったの?」
「ん……まぁ、気にするな」
「ええ〜教えてくれてもいいじゃん」
「じゃあ、日向の家に着いたら教えるよ。
それまでは秘密な」
「も〜しょうがないなぁ」
こうして止めどないお喋りをしながら我が家へと帰宅する。
「ただいま〜」
「お帰りなさい。
あら、随分と大荷物なのね。
それに真守ちゃんも久しぶり」
「ご無沙汰して申し訳ありません。
お久しぶりです」
家に帰ると母が出迎えてくれ、夏休みが明けてから初めて我が家にやってきた真守と挨拶する。
「じゃあ、私の部屋へ……って、そうだそうだ!
真守はすぐに帰るらしいから特にお茶とかお菓子はいらないからね」
これは真守から事前に聞いておいた事である。
そして、前みたいな事になるつもりはないが、変なタイミングでお母さんが部屋に入ってくるのも嫌なので、一応釘を刺しておいた。
「あら、それは残念ね。
でも帰る時はまた挨拶させてね」
そう言ってお母さんは居間へと戻っていった。
男の頃からお母さんはイケメンで高身長な真守のファンであったが、女性になってからもそれは変わらない様である。
「それで、一体何を買ったの?」
「……ほら、開けていいぞ」
真守はそう言って袋の中から放送された大きな塊を取り出した。
開けていいというので遠慮なく開けさせてもらうと……
「わぁ!……これって……」
中に入っていたのは大きな狼のぬいぐるみであった。
実は白百合のぬいぐるみコーナーで見かけて欲しくなっていたのだが、予算と持ち帰る荷物で泣く泣く諦めた代物である。
「ずっと物欲しそうに見てただろ?」
「……でも、理由もなくこんなの貰えないよ」
「今日のお礼じゃダメか?」