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小悪魔日向

結局のところ、真守の家には幾つかの下着類は置いてきたそうなのだが、服装に関しては今度の買い物の時に揃えてしまおうと言う話になった。


その様子見ということで、本日は大山家にお邪魔することになった。


「おじさん、おばさん、お久しぶりです。

いつも弟がお世話になっています」


家に上がると真守の父親と母親が出迎えてくれた。


幼い頃からお世話になっているので、もう一つの両親と言っていい間柄である。


「あら、日向ちゃん。

まぁまぁまぁ、すっかり可愛くなっちゃって」


「うむ……実に立派に成長しておるな」


「あなた、何処を見て言ってるのかしら?」


「も、もちろん身長の話だ。

実に伸びた……伸び……うん、すまない」


「あはは、確かにここ一年は変わって無いですからね。

こっちが大きくなっちゃったから、成長の要素が全部胸にいっちゃったのかも?」


確かに男だった頃は中2くらいで身長が止まってしまいショックを受けたものだが、女の子になってからは小さい方が可愛いと言い聞かせているのでショックはない……無いったら無い!


「私みたいな女の立場からしたら羨ましい限りだよ。

今日はゆっくりしていくのかい?」


「真守の部屋に寄って少ししたら帰ろうかと思ってますけど」


「あら、そうなのかい。

それは残念だね」


「近いうちにまた来ますから。

さ、真守!部屋に行くよ」


「へいへい」


私は真守を引っ張って部屋へと向かう。


中に入ると実に殺風景というか……ベッド、机、本棚。


ダンベルなどの筋トレグッズに、よく知らない格闘家のポスターと見事に男の子の部屋、前と変わりない真守の部屋であった。


「い、色気が無さすぎる……これが年頃の女の子の部屋?」


「いやいや、前と変わらんだろ。

そんなに言うのなら日向の部屋は変わってるのかよ」


「はぁ〜……はい、これが私の部屋」


そう言ってスマホで撮った写真を見せる。


ラグカーペットの上に透明なガラスの机が置いてあり、その左右にはピンク色のクッション。


後ろにあるベッドには幾つものぬいぐるみが鎮座しているのも分かる。


机にはアロマディスペンサーがあり、その手前には幾つもの小瓶が並ぶ。


誰がどう見ても女の子の部屋であろう。


「え?日向の部屋ってこんな感じなのか?」


「コンのセレクションもあるけど2人で話し合って模様替えしたんだよ」


「いや……でも、こんな部屋落ち着かなくないか?」


「正直、今の真守の部屋の方が落ち着かないけど。

それはそれとして、本題に戻るけどタンスの中チェックして。

コン達が全部入れ替えたらしいから」


「ふーん……って、これを俺が着るのか!?」


タンスの中には幾つかの可愛らしい下着の上下セットが入れてある。


学生として派手すぎず、かと言って全く色気が無いわけでもない……この辺りのセンスは流石コンと言わざるを得ない。


「え〜可愛くていいじゃん。

きっと似合うよ」


「……でも、これなんて面積が……」


そう言いながら両手でパンツを持って確認する真守。


その様子がおかしくて何だか悪戯心が芽生えてきた。


「そのぐらいなら私だっていま履いてるよ。

……何なら確認してみる」


そう言いながらスカートの端を少し摘んでみせた。


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