ポンコツはどっち?
本日の2話目です。
2022/08/24 誤字報告受け付けました。
いつもありがとうございます。
「ちょっと待って……じゃあ、真守は服とかどうしてるの?
よく考えたらバイトは制服だったし、昨日は変身した状態だったから私服見てないんだけど」
「どうしてるも何も……前のままだが?」
「はぁ!?」
驚きのあまり私は真守のスカートを捲りあげる。
「おい、何するんだよ!」
「いや、なんで男物のボクサーパンツなのよ!
あんた、上はどうなってるの!!
まさかノーブラなんて事は無いでしょうね?」
そのまま上も捲ろうとしたが、流石に真守の手によって阻まれた。
「無論、元男とは言え何も着けないのが不味いという事はよく分かってるさ」
「そう、それならひとあんし……」
「なのでサラシを巻いている!」
「バッカじゃないの!?」
あまりのショックにどストレートな悪口を言ってしまった。
「バカは酷くないか?」
「真守もそうだけど、リルも入ってるからね。
女性用の制服しか用意してないなんて事は無いでしょうね?」
「何か問題があったか?」
「ありまくりに決まってるでしょ!
あ〜だんだん分かってきた。
私、リルはしっかりしててコンが割とポンコツだと思ってたけど逆だわ。
コンは意外としっかりしてるけど、リルがポンコツだったわ」
「日向……地味に傷つくコン」
「ああ、ごめんごめん。
今はちゃんとしてるって分かってるし頼りにしてるから。
問題はリルよ!
男から女になる事がどれだけ大変か分かってるの?
今までの常識とか何も通じないんだからね。
大体、真守に加護が少ないのって、そうやって男だった頃の環境を変えてないからじゃないの?
女の子に近づかないと加護って増えないんでしょ!?」
私はリルの顔に思いっきり指を突き立てて捲し立てた。
「ぐぬぬ〜そうは言っても我は雄ゆえその辺りの事はまるで分からぬ」
「分からないならコンに教えてもらいなさい。
それでも文句を言うってんなら……アンタも雌にしてあげるわ」
「な、何を……」
「大丈夫大丈夫……人間の世界ではペットを去勢する技術が発展してるから。
なんの弊害もなく女の子になれるわよ」
「コンよ……すまぬが早急にお主の知識を貸してほしい」
「はぁ〜仕方ないコンね。
先ずは真守の家の様子から見せるコン。
と言うわけで僕たちは真守の家の様子を見てくるから、日向達は学校を頑張ってくるコン。
さ、早く出発するコン」
コンはそう言うとリルの上にヒラリと飛び乗った。
「く……しかし、今回は我が教わる身なので仕方無かろう。
では、振り落とされぬように注意するのじゃぞ」
そう言ってリルと上に乗ったコンは、猛スピードでこの場を去っていく。
「まさかここまでの事態に発展するとは思わなかった」
「それだけ大問題ってことよ。
真守も言葉遣いすら直らないんだから少しは自覚してよね」
「はいはい、善処する……わ」
「よろしい!
さ、急がないと遅刻しちゃうよ」
「殆ど日向の所為な気がするけどな」
こうしてギリギリになってしまった私達は、学校に向けて駆け出したのであった。