表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
45/165

狐の里の大婆様

バイト初日編の後に人物紹介3を投稿しております。

「こちらで大婆様がお待ちです」


鳥居をくぐった先に一際大きな建物がある。


どうやら、ここが目的地の大婆様がいる場所らしい。


「では、私はこれにて」


「あ、ありがとうございました」


「なんのなんの!

ごゆっくり滞在してくださいませ」


案内役はそう言うと狐へと姿を変えて何処かに去っていった。


「勝手に入っていいのかな?」


「勝手も何も、向こうが呼んでるんだから大丈夫だろ?

ほら、行くぞ」


そう言って真守は手を繋いだまま扉を開ける。


建物の中は木造で、大きくて広い部屋になっていた。


その一番奥に座布団の上で胡座をかいて座っている人物……彼女が大婆様なのだろう。


1人しかいないのだから間違いない。


だが……あの姿は……


「遠いところをよくやってきたのう。

妾が里の大婆と呼ばれておる(しろがね)じゃ」


そう言ってカラカラと笑う少女。


そう、大婆様と聞いてお婆さんが出てくると予想していたのだが、出てきたのは見た目年齢13歳ぐらいの少女だったのだ。


「婆さまはいつも若作りしているコン」


「何が若作りか!

妾にとって寿命など無いようなもの。

つまり、どのような姿を取ろうが一切の無理など無いのじゃ」


そうやってドヤ顔で胸を逸らせる銀様。


これが所謂ロリババアという奴であろうか?


「まぁ、良い……ふむ……お主が当代の巫女殿。

そして隣にいるのが狼の巫女か。

うむうむ、仲良くやっているようで一安心じゃな」


「あ、これは失礼。

ところでここにくれば八尾の少女の正体が分かると聞いたんだけど」


繋ぎっぱなしだった手を慌てて離して銀様に尋ねた。


「うむ、そうじゃのう。

ところで巫女殿は浄化と歴代の巫女についてどれくらい聞いておるかの?」


「最低限かな?

不浄が現れると良くないから浄化してほしいって事と、それが出来るのは巫女だけって事。

歴代の巫女に関しては初代の姫巫女様が唯一の九尾で凄かったって事ぐらいだよ」


「本当に最低限じゃな……ならば妾の昔話に少し付き合うてくれぬか?」


そう言って昔を懐かしむような瞳をした銀様。


その色合いの中に深い哀しみのような色を宿しているのに気付くと、頷く事しか出来なかった。


評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ