最高のチーム
本日は2話更新。
次の話は一時間後です。
「なんか……すっごい疲れた……」
「力を一気に放出したから仕方ないコン」
「はぁ〜護国、ちょっとこっちへ」
私は護国を自分の側まで持ってくると、その上にボスンとダイブした。
「あ、すべすべしてて気持ちいい。
これで上に……あ、浮いた浮いた。
さっきの女の子が何をしたかったか分からないけど、この情報には感謝だね。
それにしても……」
あの子は護国に久しぶりに乗れて嬉しかったと言っていた。
それに真守の名前も知って……一体何者なの?
「ねぇ、コン。
さっきの女の子って八本の尻尾が見えたけど、キツネの巫女なの?」
「それは無いと思うコン。
当代の巫女は1人ずつ、狐と狼で2人しかいない筈コン」
「それじゃ、あの子は何だったの?」
「分からないコン……でも、里の大婆様なら何かを知っているかもしれないコン」
里……そう言えば加護は狐の里から来ているって話だった。
「ねぇ、コン。
私も里に行って話を聞いたり出来ないかな?」
「勿論大丈夫だコン!
寧ろ最近は一度巫女を連れてこいってうるさく要求されてたコン」
「え、そうなんだ!
何でその話しなかったの?」
「学校が始まって忙しそうなのに、最近は不浄の発生件数も増えてきてるコン。
だから落ち着くまではって断ってたんだコン」
「へぇ〜意外とよく考えてくれてたんだ」
「えっへんだコン」
今は刀の姿なので変化は見られないが、私の頭の中ではデフォルメされた狐が胸を張ってドヤ顔している姿が見えて思わず吹き出した。
「ふふ……私のパートナーがコンで良かった」
「これからも任せてほしいコン!」
度々、抜けた所を見せてちょっと不安になることもある。
しかし、この心優しく底抜けに明るいコンにはいつも助けられている。
目の前ではオオカミがリルと力を合わせてスライムを殲滅していた。
そのお陰で見えているスライム達の数がどんどんと減っている。
私とオオカミ、それにコンとリル……2人と2匹の私たちは最高のチームだと思う。
だから……仮にあの少女が敵だったとしても……
「絶対に負けたりしない」
決意を新たにしつつオオカミ達の戦いを眺めていた。