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八尾の少女と三尾のキツネ

「あれ?私……どうして……」


「急に脱力したかと思ったら直後に震えて目の焦点が合わなくなったのよ。

一体どうしたの?」


真守の言葉にキョロキョロと辺りを見回す。


私たちの周りには結界が張られており、巨大なスライムが小さなスライムを飛ばして攻撃しているのは変わりなかった。


(あ〜あ、余計な邪魔が入っちゃったか。

あと少しでお姉さんの事を堕とせそうだったのに残念だなぁ)


直後に頭に直接声が響く。


慌てて上空を見ると少女がニヤニヤとした顔でこちらを見下ろしていた。


「いつの間にあんな所に人が?

アイツは何なんだ!?」


私がそちらを見た事でオオカミも少女の存在に気付く。


「やっほ〜見つかっちゃったなら仕方ない。

今日は退散するね。

あ、この子は返しとくよ。

……久しぶりに乗れて嬉しかったよ、護国」


少女はそう言うとヒラリと護国から飛び降りる。


その瞬間に護国のコントロールが戻ってくるのを感じ、すぐに自分の側に戻した。


「待て、何の話だ!?」


「詳しい事はそっちにいる狐のお姉さんに聞きなよ。

それと最後に……お姉さんにさっき見せたのは幻術。

舌を入れた辺りからはぜーんぶ、マ・ボ・ロ・シ♡

だけど、お姉さんの本性は僕が言った通りのものだよ。

自分で認めたって事は心当たりも沢山あるだろうしね。

……じゃ、そう言う事で」


少女はそう言うと暗い下水道の通路に消えていく。


「あ、そうそう!」


「!?」


と、思いきや次の瞬間には少女は真守のすぐ横に現れていた。


「今度は一緒に遊ぼうね、真守」


そのまま真守の頬に軽く口付けした少女は逃げ出すように通路に駆けていく。


その後ろ姿には今までに見えなかった8つの尻尾が揺れていた。


「何の事かサッパリ分からないけど……後で知ってる事を白状してもらうわよ」


「わ、分かってるよ……とは言っても私も全然わからない事だらけなんだけど。

とりあえずは……」


少女が張った結界を見ると所々にヒビが入っており、崩壊は秒読みと言った所だ。


「私がもう一度護国で結界を貼り直す!」


そう言って前面に護国を押し出して力を込めた時であった。


先程は両手を前に突き出して必死に力を込めていたのだが、今回は意識をそちらにやるだけで結界が広がっていく。


「あれ?こんなに簡単だったっけ?」


「ね……ねぇ、キツネ。

貴女、いつの間に尻尾が3本になってるの?」


「え、3本って……」


オオカミに言われて自分のお尻を確認する。


そこでは根本から三又に分かれた尻尾がパタパタと揺れていたのであった。

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