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少女の蕩ける程に甘い誘惑

(うっわ〜お姉さんエロすぎ。

ちょっと舌入れたぐらいでイッてて恥ずかしくないの?)


腰が砕けて崩れそうになるのを必死に踏ん張っている私の脳内に少女の声が響く。


(お姉さん、いま凄い表情してるよ。

特別に見せてあげるね)


少女がそう言った瞬間……脳に直接映像が送り込まれてくる。


瞳はトロンと蕩け、口からだらしなく舌を垂らし、口の端から涎を垂らす銀髪の女性。


砕けそうな腰を必死に踏ん張り、それでも足りずに目の前の女性に必死に腕を回して抱きついている。


……これが、今の私?


(そう、これが今のお姉さんだよ。

エッチで……スケベで……どうしようもないほどに快楽に弱い。

それでいて好きな人を虐めたくなって、弄り回す事に喜びを感じる真正のサド。

お姉さんの正体はそんなドが付く程の変態さんだよ)


そんな事はない!


そう、強く否定したかった。


でも、自分の目に映る現実がその言葉を呑み込ませていた。


目の前にいる女性の姿は少女の言う通りであり、何一つとして否定する要素がない。


サドという話もそうだ。


ここに来る前にオオカミを縛っていた時、私は最高に楽しかった。


縛られて身動きが出来ない彼女をもっともっと虐めたいとさえ思っていた。


そうだ……私はエッチで、スケベで、どうしようもないほどに気持ち良いことに弱い。


それでいて好きな人を虐めたくなるエス気質なのだ。


その事に気付いた私は自分が出来損ないになったような気分となる。


(そんなに悲しそうな顔をしないで、お姉さん。

それはそんなにダメな事なんかじゃない。

寧ろ、生きている限り気持ち良い事が好きなのは正しい事。

好きな人を虐めたくなっちゃうのも間違ってない。

それも一つの愛情の形だよ)


(そう……なのかな?)


少女の言葉が現実を突きつけられて傷付いた心に染み渡っていく。


その言葉をとても甘くて甘美で……私は少女の言葉に溺れそうになっていた。


(そうだ!

僕がお姉さんのためにここの不浄をぜーんぶ倒してあげる。

そうして、お姉さん達は結界を強く張り直して誰も邪魔出来ない空間を作ってあげるよ。

そこで気が済むまでお互いを貪り合うといいよ。

キスをして、舌を絡めあって……それでも足りなければもっと先にいけばいいさ。

お互いに余す事なく貪りあって、満足するまでオオカミのお姉さんを虐めて自分のものにしてしまえばいい。

そこでは時間も操作するから永遠に一緒にいられるよ)


(永遠に……オオカミと一緒……)


私がこうして巫女になった目的はオオカミ……いや、真守と一緒にいるためだ。


彼女の提案を受け入れればその願いが叶う。


おまけに自分の中にある浅ましい願いも全て叶う。


「約束……いや、契約するよ。

僕はその場に絶対に近寄らないし、覗き見たりもしない。

正真正銘の2人っきりさ」


「私は……」


こんな話は絶対に怪しい。


そもそも、この少女なんて少し前に唐突に現れて何一つ信用できる要素なんてない。


私のまともな部分が必死に少女の言葉を否定する。


でも……私のまともじゃない部分が彼女の提案を受け入れたがっていた。


「契約す……」


契約する……そう言いかけた時であった。


「しっかりしろ、日向!!」


耳元で大きな声がして肩を揺さぶられる。


それがきっかけで私はハッと意識を取り戻した。


目の前では心配そうに私を見つめるオオカミの姿。


先程まで見ていた顔を蕩けさせた銀髪の女性の姿は跡形もなく無くなっていた。

闇堕ちも良いですよね。

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