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スケスケライダースーツ

急に何かが飛んできて驚いた私は、思わず目をつぶってしまう。


しかし、想像していたような衝撃はやってこない……恐る恐る目を開けると、私を守るように護国が浮いていた。


護国の近くには白い糸で縛り上げられた謎の生き物がグネグネと蠢いていた。


「これ……なに……?」


「粘液型不浄だが……お前達の世界でもっと分かりやすい名前があったな」


「スライムだコン。

やられ役のイメージが強いコンが、実際には厄介な相手コン」


「とりあえずトドメを刺すね」


2人の解説を聞きながらオオカミが爪を刺す。


しかし、スライムは爪の刺突など意に返さないとばかりに、糸から逃れようと元気に蠢いていた。


「あれ?効かない?」


「今の状態では普通に刺しただけだからな。

不定型のスライムには効かんぞ。

もっとこう……浄化の力を込めて攻撃するが良い」


「うーん……こうかな?」


リルのあやふやな説明ではあったが、オオカミはそれでコツを掴んだらしい。


爪が淡く輝く光を帯びていた。


その状態でスライムを刺すと、その姿がどろりと崩れていき、液体へと戻っていった。


「これなら私が戦闘に立って護国で防御と拘束。

オオカミがトドメであっさり終わるんじゃない?」


「うむ……まぁ、それでいいだろう」


「なんか歯切れが悪くない?」


「いや、大した事ではないので大丈夫だろう」


リルの様子は気になったが、作戦として問題が無さそうなので、その方針で動くことにした。


下水を歩くと時折スライムが現れる……が、すぐに護国で対応して拘束。


動けなくなったスライムをオオカミが攻撃してトドメを刺すという作戦通りの動きで順調に戦っていた。


そうして20匹以上のスライムを駆除した時に異変に気付く。


「あれ……なんか、オオカミの服が透けてない?」


そう……胴体部分の大事な箇所はまだしっかりと隠れていたのだが、腕や足、背中の部分の服が透けて肌が見え始めていたのだ。


「え?なに、これ?」


「……加護の使いすぎだな。

神装を保てなくなってきておるのだ」


「じゃあ、このまま使い続けたら……」


「神装が無くなり変身も解けるだろう」


「それなら私が攻撃役を務めれば……」


「そのような事を言っている暇ではなくなったようだぞ!」


何かに気付いたコンが叫ぶ。


それと同時に無数のスライム達が下水の中から飛び出した。


それらは私達に向かう事なく、下水の天井に張り付いていく。


あまりの数に絶句していた私達だが、そんな私達など気にしていないかのようにスライム達は身体を繋ぎ合わせていく。


下水から飛び出す事がなくなったスライム達は天井から降りてくる。


下水の水飛沫を上げながら落ちてきたそれはスライムなどとは呼べない程に巨大な生物であった。


巨大スライムに顔などあるのか分からない……しかし、確実にこちらを見ているのが分かる。


「……………!!」


何かを言いたげに身体を振るわせる巨大スライム。


その身体から無数のスライムが飛び散り、一部がこちらに向かって飛んできた!

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